DRONE SPORTS社、自社開発の狭所点検用国産ドローン『Rangle microシリーズ』と地下通信中継システム『Rangleエクステンダー』を活用したドローン下水道点検の最新技術実証を実施

DRONE SPORTS株式会社(以下:DRONE SPORTS社)は、同社が開発する狭所点検用国産ドローン『Rangle microシリーズ』と地下通信中継システム『Rangleエクステンダー』を活用した下水道点検の実証実験を実施し、その有用性が認められたと発表した。

『Rangle microシリーズ』『Rangleエクステンダー』の実証実験について

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Rangle microで撮影

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実証実験の背景

従来の下水道点検では、作業員が地下空間に直接入って目視確認を行うため、酸素欠乏や有毒ガスによる中毒、転落事故などの深刻な労働災害リスクが常に伴っていた。
また、狭小空間での長時間作業による身体的負担も大きな課題となっている。

実証実験の成果

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本実証実験では、作業員は地上からの遠隔操作のみで、これまで直接目視に依存していた以下の環境における点検作業の有効性を確認した。

1)対象環境
円形コンクリート管(直径1.5m~3.0m規模)
地下チャンバー(接続部・分岐点)
直線トンネル
管路接続部の複雑な構造など

2)点検精度の向上
壁面の劣化状況(ひび割れ、腐食、漏水跡)の詳細確認管路内部の堆積物や閉塞状況の把握接続部の構造的健全性の評価従来の目視点検では困難な高所部分の確認

3)作業安全性の大幅向上
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作業員の地下空間への立入り回避有毒ガスや酸素欠乏環境での作業リスク排除転落・挟まれ事故の防止

技術的特長

Rangle microは、狭小空間に最適化された小型ドローンとして、下水道内部の複雑な環境においても安定した飛行制御を実現。
Rangleエクステンダーとの組み合わせにより、長距離の管路点検や電波の届きにくい地下環境での確実な操作が可能となった。

特に今回の実証では、照明条件が限られた環境においても、高精度な画像取得により、コンクリート壁面の変色、腐食の進行状況、構造材の劣化など、点検業務に必要な詳細情報を効率的に収集することができた。

今後の展開

DRONE SPORTS社は、本実証実験の成果を踏まえて、全国の自治体や下水道管理事業者との連携を強化し、ドローンを活用した下水道点検の普及拡大に努めていくとしている。
現段階では、すべての下水道構造に対応できているわけではないが、今回の成果により、Rangleシリーズが下水道インフラの維持管理において重要な役割を果たせることが実証された。

今後も技術開発を継続し、より多様な下水道環境への対応や、AI画像解析との連携による自動診断システムの実現を目指していく。

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出典

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