Liberaware社ら3社、「鉄道環境に対応したドローンを用いた鉄道点検ソリューション」実現に向けた連携を発表

「鉄道環境に対応したドローンを用いた鉄道点検ソリューション」(以下、Project SPARROW)において、ドローン・運航管理システム・デジタルツインを活用した鉄道施設の維持管理に関する技術検証を進めてきた株式会社Liberaware(代表取締役: 閔 弘圭)(以下、Liberaware社)。 同社とCalTa株式会社(代表取締役CEO:高津 徹)(以下、CalTa社)、KDDIスマートドローン株式会社(代表取締役社長:博野 雅文)(以下、KDDIスマートドローン社)の3社は、東日本旅客鉄道株式会社(代表取締役社長:喜㔟 陽一)(以下、JR東日本)、東海旅客鉄道株式会社(代表取締役社長:丹羽 俊介)(以下、JR東海)、西日本旅客鉄道株式会社(代表取締役社長:長谷川 一明)(以下、JR西日本)、九州旅客鉄道株式会社(代表取締役社長:古宮 洋二)(以下、JR九州)、西武鉄道株式会社(代表取締役社長:小川 周一郎)(以下、西武鉄道)とそれぞれ協定を締結した。

「鉄道環境に対応したドローンを用いた鉄道点検ソリューション」実現に向けた連携について

イメージ画像

今回の連携により、スタートアップ3社がもつ革新的な技術と鉄道事業者がもつそれぞれの鉄道関連の知見・ノウハウ・実証フィールドを融合させ、「鉄道環境に対応したドローンを用いた鉄道点検ソリューション」の実現に向けた開発を加速する事が期待されている。
鉄道現場における巡視や各種点検、災害時の施設確認を可能にする自律型ドローンと、収集した情報を閲覧・分析できるデジタルツインプラットフォームを開発し、鉄道インフラ点検の安全性と生産性を向上させ、将来にわたり鉄道の安全・安定輸送を確保していく、とLiberaware社ではしている。

これまでのProject SPARROWの取り組みについて

1)背景・目的
鉄道業界では、保有アセットの平均経年が50年を超え、全体的な老朽化が進行している。
さらに、近年では激甚化・頻発化する自然災害による設備への被害の増加も課題となっている。
安全な列車運行の維持には、継続的な点検・保守が欠かせないが、日本は生産年齢人口の減少により、より効率的な現地把握が求められている。
この課題解決の一助として、鉄道各社はドローン技術に着目し、日々の保守への活用を検討している。

また、鉄道現場は「触車」「感電」「墜落」など多くの労働災害リスクを有しており、従事者の安全確保が重要な課題となっている。
加えて、災害発生時には、二次災害のリスクを回避しつつ、迅速な被災状況の把握と早期の運転再開が求められる。

鉄道は路線延長が長く、鉄道施設へのアクセスに時間を要する箇所が多く存在していることから、これらの課題解決にはドローンを活用した点検調査が有効と考えられている。
本プロジェクトでは、鉄道特有の環境に対応するため、列車回避機能や周辺環境を考慮した機能を備えたドローンを開発している。
同時に、ドローン運航管理システムと連携したデジタルツインを開発し、これらを組み合わせた包括的な点検ソリューションの現場投入を目指している。

本プロジェクトは、「中小企業イノベーション創出推進事業(SBIR)」の「安全・安心な公共交通等の実現に向けた技術の開発・実証」分野のテーマ「鉄道施設の維持管理の効率化・省力化に資する技術開発・実証」(補助金交付決定額:52億円)を基に実施しているプロジェクトで、2024年2月2日に採択されたものである。
参考URL:https://www.mlit.go.jp/report/press/sogo17_hh_000168.html

2)「Project SPARROW」の由来
Project SPARROWとは、「SPecialized Aerial Remote Railway Observation Work platform」の頭文字を取ったプロジェクト名。
都市部から農耕地域まで広いエリアに生息する雀のように、日本社会の身近な存在になりたいという想いも「SPARROW」(=雀)」という名称には込められている。

3)「Project SPARROW」コンセプトムービー
「Project SPARROW」のコンセプトを紹介する動画もYouTubeにて公開中。

  

連携内容について

イメージ画像

スタートアップ3社は、鉄道現場における巡視をはじめとする様々な点検や災害時の施設の確認ができる自律型ドローンと、収集した情報を閲覧・分析できるデジタルツインプラットフォームを開発し、鉄道インフラ点検の安全性と生産性の向上を目指す。
その実現に向けて、以下の内容を連携する。 

●鉄道事業者から鉄道関連の課題、知見、ノウハウの共有
●鉄道事業者から実証フィールドの提供

今後の取り組みについて

Project SPARROWの推進により、点検業務における高所作業や夜間作業の減少や、輸送障害対応の迅速化、データの蓄積による設備管理の高度化などが期待できる。

特に、人口減少が深刻な地方において、当該ソリューションは大きな効果を発揮されることが期待されている。
さらに、災害発生時にドローンが現地でデータ収集することで、復旧時間を短縮し、対応力を強化。
これにより、強靭(レジリエンス)なインフラを創造し、安全・安心な社会の実現を目指すとしている。

今後はスタートアップと鉄道各社との連携を通じて、Project SPARROWの実現に向けた課題を抽出し、様々な課題の解決に向けて関係各所との調整を進めていくとLiberaware社はしている。

ーーーーーー

出典

関連記事

中部電力グループ、新サービスブランド 『中電ドローンサービス』をリリース

中部電力グループの中部精機株式会社(本社:愛知県春日井市、代表:小道浩也)は、2025年4月22日にドローンを活用したサービスを提供する新ブランドとして『中電ドローンサービス』をリリースした。 当サービスは、これまで中部電力グループ各社(以下、グループ各社)が社会インフラの整備・維持のために培ってきた確かな技術と実績を礎に、ドローンを活用して提供する主に法人向けのサービスとなっている。

  tera

ビー・アンド・プラス社、完全自動運用に貢献!ワイヤレス充電機能を備えた、「定時飛行ドローン」を開発を発表

株式会社ビー・アンド・プラス(本社:埼玉県比企郡小川町、代表取締役社長:亀田 篤志)(以下、ビー・アンド・プラス社)は、事前に設定されたルートと時刻に基づき自動で飛行し、ドローンポートに着陸すると自動でバッテリーへワイヤレス充電まで行う「定時飛行ドローン」を開発したことを発表した。

  tera

スペースワン社と東京海洋大学、AI技術を活用した水中ドローンの社会実装に向けた共同研究契約を締結

株式会社スペースワン(福島県郡山市)(以下、スペースワン社)と国立大学法人 東京海洋大学(東京都港区)は、『水中・水上ドローンの社会実装に向けた活用に関する研究』をテーマとした共同研究契約を締結したことを発表した。

  tera

eスポーツ選手がショベルカーを遠隔操作!?ゲームのテクニックがドローン操作や建設機械の遠隔操作技術として建設現場を変える!?KONAMI eスポーツ学院とTDBCが産学連携

株式会社コナミデジタルエンタテインメントが運営する「KONAMI eスポーツ学院」が、「一般社団法人 運輸デジタルビジネス協議会(以下、TDBC)」との産学連携による相互協力の協定を締結したことを発表した。

  tera

ZenmuTech社ら3社、国産技術を用いた次世代ドローン・セキュリティの実証試験に成功

株式会社ZenmuTech(代表取締役社長CEO:田口 善一、本社:東京都中央区、証券コード:338A)(以下、ZenmuTech社)とネクストウェア株式会社(代表取締役社長:豊田 崇克、本社:大阪市中央区、証券コード:4814)(以下、ネクストウェア社)および株式会社アイ・ロボティクス(代表取締役社長:安藤 嘉康、本社:東京都渋谷区)(以下、アイ・ロボティクス社)による共同チームは、ドローンに秘密分散技術を搭載して飛行中のリアルタイムデータを高度に保護することを前提とした実証試験に成功。 これにより、ドローンが送受信する映像や制御信号、機体内に記録されるデータをリアルタイムに“無意味化”することで、サイバー攻撃や機体の紛失時にも情報漏えいを防ぐシステム構築への目途が立ったと発表した。

  tera