
NTTイードローン社、ドローン開発リソースをナイルワークス社から譲受
株式会社NTT e-Drone Technology(代表取締役社長:滝澤 正宏)(以下、NTTイードローン社)が、これまで株式会社ナイルワークス(代表取締役社長:小嶋康弘)(以下、ナイルワークス社)が展開してきた農業用ドローン事業における開発リソースを譲受した。 今後は、2025年6月30日の譲受実行に向けて必要な手続きを進めていくという。
目次
取り組みの背景
今回の取り組みにより、NTTイードローン社は国内農業のスマート化に向けた取り組みを一層加速。
ドローン市場に対して、海外メーカーに依存しない国産ドローンの有望な選択肢を提示することで、日本の農業・産業基盤の強化に貢献するとしている。
日本の農業は、高齢化・担い手不足に直面しており、生産現場の省力化・高効率化・高付加価値化が喫緊の課題となっている。
2021年の創業以来、NTTイードローン社は農業用ドローンの製造・販売を通じて、持続可能な農業の実現に貢献してきた。
今後、市場ニーズに対応したドローンを提供するために、開発リソースの拡充が課題になっていた。
一方、国内の農業用ドローン市場では、海外メーカー製品が大きなシェアを占めており、安定供給リスクやセキュリティに関するリスクへの懸念も指摘されている。
こうした状況を受け、市場に対して国産技術による農業用ドローンの有望な選択肢を提示し、日本の農業と食料安全保障を守る体制整備が急務となっていた。
NTTイードローン社とナイルワークス社は、協議の結果、ソフトウェア開発能力とハードウェア開発能力を相互に補うことで、日本における農業分野のスマート化に資するだけでなく、海外製品に依存しない国産ドローンの普及を推進することが可能になると考え、このたび開発リソース移管について合意にいたった。なお、ナイルワークス社は譲渡を完了した後、2025年9月末以降、解散、清算手続きに入る予定だという。
ナイルワークス社の開発リソースにおける技術的優位性
ナイルワークス社は、国内屈指の農業用ドローン企業として、以下の分野で開発リソースにおける技術的優位性を有している。
NTTイードローン社はこれらのリソースを譲受することで、今後は自社が開発を進める農業用ドローンの中核技術として活用していくという。
自動航行技術
複数センサー/GNSSから算出される機体の位置情報を正確に把握できる技術や障害物回避に関する技術により、完全自動航行を実現。
特に起伏のある圃場において高い安定性を発揮する。
精密散布・施肥技術
作物に最適な量をピンポイントで散布する技術により、環境負荷の低減と収量向上を両立するとしている。
開発リソース譲受の概要
譲受対象
ナイルワークス社が保有する知的財産権、ドローンエンジニアなど新規製品・サービス開発に関するリソース※
※ナイルワークス社がこれまで提供してきた既存ドローン製品の在庫や顧客との各種契約、運用・保守・サポート業務については、今回の開発リソース譲受の対象外であり、NTTイードローン社が引き継ぐものではない。
※6月末をもって、ナイルワークス社で実施してきた既存ドローン製品の販売/運行は停止する。
譲受完了予定日
2025年6月30日(月)
今後の展望
NTTイードローン社は、本開発リソースの譲受を通じて、事業展開を加速させていくとのことだ。
- 高性能・高信頼性な国産農業用ドローンの開発・展開
- 小規模農家から大規模法人まで幅広いユーザーへの対応
- 稲作に加え、果樹等にも対応できる大型ドローンの開発・展開
- サポート体制の充実
NTTイードローン社は、これらの取り組みにより国内外の市場変化に柔軟に対応し、日本発のドローン技術を社会実装することで国内外における農業の未来を支えていくという。
また、農業分野にとどまらず、インフラ点検、災害対応、安全保障領域に資するドローンの開発、およびドローン技術の社会実装にも取り組み、国民生活の安心・安全を支える新たな価値創出に挑戦してとのことだ。
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出典