テラドローン社、イスラム教の宗教行事「ハッジ」において初のドローンによる医療物資配送プロジェクトを実施

Terra Drone株式会社(本社:東京都渋谷区、代表:徳重 徹)(以下、テラドローン社)は、サウジアラビアに拠点を置く子会社Terra Drone Arabia(以下、テラドローン・アラビア社)を通じて、サウジアラビア保健省および医療物資・機器の物流・調達を担う政府系企業のNUPCOと連携し、イスラム教の宗教行事「ハッジ」において、同行事では初となる、ドローンを活用した医療物資配送プロジェクトを実施した。

「ハッジ」でのドローンによる医療物資配送プロジェクトについて

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「ハッジ」は2025年6月4日から2025年6月9日にかけて実施され、テラドローン・アラビア社はドローンの運用を統括する主担当事業者および技術パートナーとして、本プロジェクトに参画。
また、本プロジェクトで使用するドローンの運航管理には、テラドローン社の子会社でベルギーに拠点を置く運航管理システム(UTM)プロバイダーのリーディングカンパニー Unifly NV(以下、Unifly社)が提供するUTMが採用された。

プロジェクトの背景

「ハッジ」はイスラム教の五行の一つである巡礼であり、毎年サウジアラビア・メッカには200万人を超える巡礼者が世界中から集まる。
期間中は巡礼者が一部の都市に集中するため、深刻な交通渋滞が発生し、医療物資輸送などの緊急対応に大きな課題が生じていた。

プロジェクト実施内容

本プロジェクトでは、テラドローン・アラビア社が、聖地であるミナおよびアラファトにおいて、血液や医薬品などの緊急医療物資をドローンで配送する役割を担った。
使用機体には、医薬品の品質保持に不可欠な温度管理が可能な冷却機能付きペイロードボックスを搭載したドローン(DJI Matrice 350 RTK)が採用された。
これにより、従来は地上輸送で1時間半以上かかっていた輸送をわずか6分未満で実現し、迅速な医療対応が可能となった。

本プロジェクトで使用するドローンの運航管理には、Unifly社が提供するUTMが全面的に活用された。
「ハッジ」期間中に人口が集中する都市上空をドローンが安全に飛行するため、各ドローンとUTMを連携し、目視外で飛行する複数機体の位置情報をリアルタイムで監視し、UTM上で管理が行われた。
UTMはドローン同士の衝突リスクを事前に察知するアラート機能や、着陸を指示する制御機能も備えており、安全かつ効率的な運航の実現に貢献した。

プロジェクト概要

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ドローンが医療物資を配送する様子

実施期間
2025年6月4日 ~ 9日

実施場所
サウジアラビア王国 
ミナおよびアラファト

プロジェクトの主な関係者

テラドローン・アラビア社:
実施事業者および技術パートナーとして、ドローンによる医療物資の配送を担当

Unifly社:
自社開発のUTMソリューションを提供し、複数のドローンの遠隔での運航管理を担当

サウジアラビア保健省(Ministry of Health):
本プロジェクトの実施主体

NUPCO:
医療物資の調達・供給を担う政府系企業

その他、ドローンによる医療物資輸送に関する許可・調整には、内務省、王宮(Royal Court)、サウジ航空航行サービス会社(SANS)、サウジ民間航空局(GACA)、軍事測量部門(Military Survey)を含む関係当局のもと行われた。

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ドローンの運航状況を示すUTMの画面

今後の展望

テラドローン社は、テラドローン・アラビア社を通じて、「ハッジ」においてドローンを活用した医療物資の輸送を実現し、医療物流の最適化に貢献した。
テラドローン社は、2025年4月にサウジアラビア王国の総合エネルギー・化学企業アラムコとMOUを締結したことを発表しており、同国内の石油・ガス業界に向けた技術革新を加速し、現地での技術展開にも取り組んでいる。

この技術展開についての詳細はこちら

今後も医療分野にとどまらず、サウジアラビア王国における様々な重要分野でドローン技術の普及を拡大し、テラドローン社は持続可能なインフラ構築に寄与していくとしている。
尚、本件に関する2026年1月期業績への影響は軽微と考えられているが、今後、公表すべき事象が生じた場合には、テラドローン社から速やかに報告されるとのことだ。

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出典

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