【メンテナンスレジリエンス展企業レポート】モバイル通信で変わるドローン運用<KDDI スマートドローン>
2024年7月24日から26日にかけて、東京ビッグサイトで催された展示会『メンテナンスレジリエンス展』。出展ブースの中に「KDDI スマートドローン株式会社(以下、KDDIスマートドローン社)」もありました。 こちらのブースでは、モバイル通信を行えるドローンの情報であったり、同社が販売代理店をつとめるSkydio社製ドローンのデモ飛行の中継などが行われていました。
目次
モバイル通信が変える新しいドローン運用のフォーマット
KDDIスマートドローン社では、2.4GHzの信号が届かない、広域な場所や複雑な遮蔽構造物が多いエリアなどでもドローンとの通信操作ができるように、ドローン用上空モバイル通信サービスを展開している。
サービスの一部はパッケージ化もされており、その一つ「上空電波パッケージ」についてここからは見ていこう。
「上空電波パッケージ」は、モバイル通信・運航管理システム・クラウドサービスを基本パッケージとして提供しているサービス。
このプランに加入していれば、モバイル通信が使い放題になるだけではなく、モバイル通信を利用したドローン運航時に、運航予定地域の上空電波エリアのシミュレーションマップを事前に確認できる。
そのうえで、必要となるドローン情報基盤システム2.0(DIPS)で実施する飛行計画通報と上空モバイル通信利用申請の一括申請も行える。
そして、「上空電波パッケージ」には、プランが2つ用意されている。
月額もしくは年額制の「定額プラン」と、不定期での利用に適した「従量プラン」である。
この「上空電波パッケージ」を駆使する事で、2.4GHzの信号が届かない広域な場所や複雑な遮蔽構造物が多いエリアなどでもドローンの通信操作ができるようになる。
そのため、ドローンによる点検や監視、物流の可能性が広がるとKDDIスマートドローンはしている。
また、現在はLTE回線を利用しているが、将来的には親会社であるKDDI株式会社がサービスを提供している低軌道周回衛星通信サービス「Starlink」と連携させたサービスも展開したいとしている。
KDDIスマートドローンが提供するソリューションサービス
モバイル通信を利用したドローン運航サービスを提供しているKDDIスマートドローンでは、点検・監視・物流・測量等の領域におけるドローン活用について、導入から運用までのサポート業務も行っている。
物流に関しては、近年大きな注目を集めているドローン物流サービスについて、同社はAERONEXT社とドローン配送サービスの社会実装に向け業務提携契約を締結した他、日本航空とも業務提携契約を締結している。
今後は、これらのパートナーシップ企業とのソリューション開発の中でサービス拡充なども期待される。
Skydio社製ドローン「Skydio X10」の遠隔デモンストレーション
メンテナンスレジリエンス展開催期間中、KDDIスマートドローンブースでは遠隔デモンストレーションを定期的に実施。
同社が運営する「KDDIスマートドローンアカデミー君津校」で行われるSkydio社製ドローン「Skydio X10」の操縦デモンストレーションの中継が行われていた。
この「Skydio X10」は、手に乗せた状態から発進可能という特徴がある他、障害物の自動回避といった機能が搭載されている。
中継は、それらの特徴や機能をチェックできるデモンストレーションとなっていた。
KDDIスマートドローンアカデミーとは
国際ドローン展で催された遠隔デモンストレーションの会場となった「KDDIスマートドローンアカデミー君津校」をはじめ、KDDIスマートドローンでは全国12か所※ にあるKDDIスマートドローンアカデミーを運営・提携している。
(※2024年7月現在)
一等・二等無人航空機操縦士取得を目指す「国家資格取得コース」と撮影・目視外撮影・運航管理・通信鉄塔点検・外壁点検・Skydio認定講習といった「領域専門コース」が用意されている。
また、KDDIスマートドローンアカデミーでは独自に認定インストラクター制度を設けているという。
認定取得のあるインストラクターは、高いドローン操作技術と豊富な現場実績を持ち合わせている事の証であり、提携校にも認定インストラクターは在籍しているとのこと。