100g台のドローン規制はいつから?ドローン法改正法の詳細や追加されたルールを解説

2024年はドローン法制にとって新たな節目となる年です。安全性やプライバシー保護の観点から規制が強化され、利用者が守るべきルールも複雑化しています。本記事では、2024年の最新ドローン法改正に焦点を当て、新たに追加されたルールや変更点を詳しく解説します。これからドローンを飛ばす方も、既に活用している方も、法改正のポイントを押さえてトラブルを防ぎましょう

ドローンに関する法律・ルールを確認しよう

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ドローンを操縦する際は、法律やルールについて事前に把握することが重要です。ドローンに関する法律やルールを下記にまとめたので、ぜひ参考にしてみてください。

 

航空法 ・ドローン飛行に関する規制や規定

(機体登録や国家資格の取得、飛行方法など)

小型無人機等飛行禁止法 ・国会議事堂や空港、皇居、原子力発電所などの重要施設周辺の飛行禁止

(対象施設から約300mの地域が規制対象)

民法・個人情報保護法 ・私有地周辺を飛行する際の許可申請

・空撮時の建物や人物の映り込みの配慮

電波法 ・電波法に則った飛行が必要

・2.4GHz以上の電波を発するドローンは規制対象

・5.7~5.8GHz帯の周波数を発する際は免許や資格取得が必要

道路交通法 ・安全に飛行する場合は道路交通法違反の対象外

(車両や歩行者の通行の妨げとなる行為は違反対象になる可能性あり)

・道路上で離着陸を図る場合は、補助者の立会いが必要

都市公園法 ・都道府県や自治体によってドローンの規制内容が異なる

(東京都の場合は都立公園でのドローン飛行は禁止)

自然公園法 ・国立公園の場合は事前確認の上で許可申請が下りれば飛行可能

・地域によっては飛行が認められていない場所もある

河川法 ・法律的には飛行禁止にはなっていない

・適切な申請を許可を受ければ飛行可能

・地域や自治体によってドローン飛行が禁止となっているため注意が必要

海岸法 ・海岸の保全を守るために定められた法律

・海岸周辺で飛行する際は事前に海岸管理者に許可を取ることが必要

港湾法 ・港や航路などの保全に関する法律

・飛行時には港湾局への許可が必要

海上交通三法律(港則法・海上安全交通法・海上衝突予防法) ・海上交通に関する法律

・船舶に衝突すると海上交通三法律違反になる可能性があり安全に配慮した飛行が必要

都道府県、市区町村条例 ・各地域によってドローンの飛行ルールが異なる

 

近年ドローンの法改正で追加または変更されたルール

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近年ドローンの法改正が施行されたのは、2022年の6月と12月です。2022年の航空法の改正で話題となったのが、ドローンのレベル4飛行の解禁。今までは無人地帯までしか目視外飛行はできなかったのですが、この改正に伴い有人地帯での目視外飛行が可能となりました。

有人地帯でのドローン飛行が可能になれば、物流の発達やライブ中継、災害時の救助活動などさまざまな側面でドローンの活躍が期待できるでしょう。

2022年の航空法の改正で、ドローンの飛行ルールにどのような変更があったのか紹介します。

 

機体登録の義務化

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2022年6月20日以降の法改正では、100g以上のドローンは機体登録が義務化されました。

たとえ業務以外にプライベートでドローンを飛ばす場合にも、機体登録は必要です。万が一、未登録の状態でドローンを操縦してしまうと、罰則や罰金などのペナルティを受ける可能性があります。

ドローンの機体登録は、国土交通省が開設した「無人航空機登録ポータルサイト」にて申請が可能です。オンラインで簡単に登録申請できるので、ぜひチェックしてみてください。

機体登録の詳細を見る

 

機体認証の申請

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2022年6月20日のドローンの法改正では、機体認証制度もスタートしました。機体認証制度はドローンの安全性を証明するもので、申請し通過すれば有人地帯での目視外飛行が実現できます。

ドローンの機体認証制度は、「第一種型式認証・第一種機体認証」「第二種型式認証・第二種機体認証」の2つがあります。第一種の場合は基本的な飛行条件のみを許可されていますが、第二種は幅広い領域でのドローン飛行が可能です。

もしいろいろなシーンでドローンを飛ばしたい場合は、第二種の機体認証を受けるのが望ましいでしょう。

機体認証制度の詳細は、「無人航空機登録ポータルサイト」でチェックしてみてください。

機体認証制度の詳細

 

規制対象のドローンが100g以上の機体に変更

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今までは200g以上のドローンが機体登録の対象となっていましたが、航空法の改正によって100g以上の機体も対象となりました。そのため、2022年6月以前にドローンを購入した方は、今一度機体の重量をチェックし機体登録を行う必要があります。

ただし、100g未満のトイドローンは機体登録をしなくても大丈夫です。

国家資格の取得

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ドローンの法改正では、新たに国家資格の制度が設けられました。ドローンの国家資格には一等無人航空機操縦士(有人地帯での目視外飛行が対象)と二等無人航空機操縦士(無人地帯での目視外飛行が対象)の2種類があり、取得することで特定飛行が行えます。

さらに国家資格を取得するメリットは、飛行申請の手続きが簡略化されることです。許可申請の手間が省けるため、スムーズなドローン飛行が可能となります。

国家資格の講習や受験などは一般社団法人DPCAで申し込めるので、ぜひチェックしてみてください。

一般社団法人DPCAで詳細を見る

ドローン法改正の背景と目的

近年、ドローンの利用拡大に伴い、事故やトラブルの増加が問題視されています。法改正の目的は、ドローンの安全運用を確保し、社会的信頼を高めることです。

 

また、商業利用の増加に対応し、適切な運用を促進する狙いもあります。

ドローン法改正での注意点とユーザーへの影響

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ドローン法改正では安全性の確保や社会的な調和を目的に、ユーザーが遵守すべき事項が厳格化されています。以下では、法改正の中でも特に重要な注意点を詳しく解説します。

個人情報の保護

ドローンには高解像度カメラが搭載されている場合が多く、撮影した映像や画像がプライバシー侵害につながるリスクがあります。

 

法改正では、無許可での撮影やデータ収集が問題視され、利用者は飛行エリア内の個人情報や私有地を事前に確認する義務があります。

 

さらに、データの取り扱いに関する規制も強化されているため、撮影内容の管理や共有について慎重な対応が求められます。

 

地域規制の違い

ドローンの飛行規制は、航空法だけでなく、自治体ごとに異なるルールが適用されることがあります。

 

都市部や観光地、文化財周辺では特別な規制が設けられている場合が多く、事前に各自治体のウェブサイトや窓口で詳細を確認することが重要です。

 

また、地域によっては特定の飛行時間帯や高度の制限も存在するため、計画段階で十分な情報収集を行い、規制に従った運用を心がけましょう。

罰則の強化

法改正に伴い、違反行為に対する罰則が強化されています。未登録機体の飛行や許可のないエリアでの飛行は、高額な罰金や機体没収の対象となる可能性があります。

 

また、安全性を欠いた運用で事故を起こした場合、民事・刑事責任が問われる場合もあるため、適切な運用計画とリスク管理が欠かせません。

 

特に、商業利用や大規模イベントでの飛行では、必要な許可や手続きに不備がないよう徹底しましょう

 

2024年以降のドローンの法改正の状況

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2024年以降、ドローンに関する法改正の可能性はあります。実際に2024年6月10日には、国土交通省航空局より無人航空機に関する解釈の改正が実施されました。もし本格的にドローンを飛行する場合は、定期的に無人航空機に関する法律やルール変更などをチェックした方がよいでしょう。(※)

※“国土交通省 公式HP”参照

FAQ

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Q. ドローンの登録手続きにはどれくらい時間がかかる?

A. 通常、登録手続きには1週間から2週間程度かかります。ただし、混雑時や不備があった場合はさらに時間が必要です。

 

Q. 機体認証は必須?

A. 商業利用や特定の条件下での飛行を予定している場合、機体認証が必須です。詳細は運用計画に基づいて確認してください。

ドローンに関する法改正をチェックしよう

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本記事では、最新のドローン法改正について解説しました。2022年に行われたドローン法改正は、レベル4飛行に関する項目が多いのが特徴です。まだ法改正が行われたものの、今後のドローン技術の向上や事業などによっては、2024年以降も追加のルールや変更があるかもしれません。日頃からドローンを操縦する方は、ぜひ法律改正に動きがないかチェックしてみてください。

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