
NTT東日本、DFT社と東金市にてドローン空撮画像×AI解析ソフトの技術を活用した森林調査を実施
東金市(市長:鹿間 陸郎)とDeepForest Technologies 株式会社(京都府京都市下京区、代表者:大西 信德)(以下、DFT社)、株式会社NTT東日本-南関東 千葉事業部(千葉県千葉市中央区、取締役千葉事業部長:井上 暁彦)(以下、NTT東日本-南関東)は、東金市の保安林における森林の管理効率化とデータベース化などで今後の森林整備方針を検討することを目的にドローンで撮影した空撮画像とAI技術で、樹種識別などを樹木単位で一元的に解析可能にする森林解析ソフトウェア「DF Scanner」を活用し、保安林の現状把握と分析を実施した。 なお、本調査には東金市の森林環境譲与税が活用されている。
目次
AI技術(森林解析ソフトウェア「DF Scanner」)を活用した調査について
イメージ画像
東金市では、1975年から1998年に実施された大規模な宅地開発に伴い、保安林の移管を受け18haを有している。
保安林の管理は市職員が現地に足を運び状況を確認しているが、多くの人員や時間がかかり管理がしづらい状況となっている。
そして、適切な管理・整備をするためにも保安林の詳細なデータベース化が必要とされた。
DFT社とNTT東日本‐南関東には埼玉県所沢市内での「ナラ枯れ」把握の実証における森林管理のソリューション事例実績があることから、今回は同様の技術を活用することで、効率的かつ正確・詳細に広範囲にわたる森林情報を取得できると判断し、入札により東金市の委託業務として調査及びコンサルティングを実施するに至った。
問題点と課題
近年全国的に大雨や地震による災害が大規模化しているなか、保安林は設置から30年以上経過している。
隣地越境、サンブスギの溝腐病、倒木などにより、近隣住宅や公共インフラ設備などに影響を与えることが想定されている。
また、保安林の範囲が広いうえ、その多くが急斜面などの管理が困難な状況にある。
保安林の今後の森林整備方針を検討するためにも森林の現状を詳細にデータベース化の必要性が問われていた。
実施概要
実施内容
①ドローンによる対象森林
4800万画素カメラで遠方からの空撮でも高精細な画像が取得可能なドローン「ANAFI‐Ai」で撮影を実施
②画像データのAI解析
空撮画像をもとに、森林情報を解析するソフトウェア「DF Scanner」を用いて、各樹木の検出や樹種識別、樹高・胸高直径・幹材積推定を各樹木単位で一元的に解析
60種ほどのデータベースを元に識別が可能となった。
③画像判読
隣地越境判断及びサンブスギの溝腐病、土砂崩れや倒木状況の検証を判読
各者の役割
●東金市 → 調査地区・スケジュール設定
●DFT社 → 空撮画像解析、森林解析ソフトウェア「DF Scanner」活用、空撮画像オルソ化
●NTT東日本-南関東 → 全体プロジェクト管理、ドローン空撮
実施結果
ドローンを活用して人が入り込むことが困難で複雑な地形にある保安林も含め1日で撮影を行うとともに空撮画像をもとに実施したAI解析により、樹種識別や樹高など詳細なデジタルデータベースの作成に成功。
なお、画像判読から保安林の隣地越境判断もできたが、サンブスギの溝腐病および今回の調査範囲における土砂崩れや倒木被害状況についての判読はできなかった。
今後の展望
東金市は、今回の調査結果で得たデータベースを基に、今後の森林整備方針への活用を検討していくとしている。
また、今後も保安林の適正な維持管理をしながら、新たな収入源(森林クレジット)などの価値創出の検討および市民へ向けた森林整備に係わる普及啓発にもつなげていくとのことだ。
NTT東日本‐南関東とDFT社についても、本取り組みで得られた知見を基に他の自治体へも展開していくことで、国内における持続可能な森林管理・保全に貢献していくとしている。
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出典