
テラドローン社、水中ドローンによる下水道検査をサウジアラビアで実施
Terra Drone株式会社(本社:東京都渋谷区、代表:徳重 徹)(以下、テラドローン社)は、サウジアラビアのジェッダ北部において、カメラとモニターが一体化して接続されているCCTVを搭載した水中ドローンを活用した下水道検査を実施した。
目次
水中ドローンを活用した下水道検査について
本検査は、テラドローン社がサウジアラビアの国営水道会社であるNational Water Company(本社:リヤド)(以下、NWC)が保有する約38kmにわたる下水道管内の状態を、遠隔操作型の水中ドローン(ROV)を使用して点検したものだ。
ドローン技術の活用により、下水道管内が満水の状態でも検査が可能となり、下水道管のメンテナンスの効率化に貢献する。
今後テラドローン社は、2025年1月30日に発売開始した自社開発の屋内点検用ドローン『Terra Xross 1』を用いることで、下水道をはじめとするインフラ点検分野での事業展開を加速していくとしている。
背景と目的
近年、サウジアラビアでは急速な都市開発が進み、それに伴い新たなインフラの整備も加速している。
一方で、過去の設計図や管理記録が分散していることにより、マンホール内の配管の正確な位置を特定することが困難になっており、老朽化した下水道の適切な点検および維持管理が十分に行われていないことが社会的な課題となっている。
また、従来の下水道点検方法には、配管内の状態にかかわらず下水管内の水をすべて排水する必要があり、コストの増大や作業効率の低下といった課題があった。
ROVの一種である水中ドローンを活用することで、満水の状態であっても点検が可能に。
さらに、水中ドローンにCCTVを搭載することで、下水道管内の状況をリアルタイムで可視化し、より精緻な検査を実現。
これにより、下水道管のメンテナンスが効率化され、ひび割れやコンクリートの剥離などの損傷を早期に発見し、修理コストを最小限に抑えることが可能となった。
また、包括的な検査データの収集により、管理記録の精度向上の貢献ともなる。
実施概要
NWCが保有する下水道管の検査にCCTV搭載の水中ドローンを活用することで、作業効率の向上について検証された。
実施場所
サウジアラビア・ジェッダ北部
実施内容
【①水道管の位置特定】
地中レーダを用いて埋設されたマンホールの位置を探知し、パイプロケーターを活用して地中に埋設された水道管の位置を特定。
これらの調査結果をもとに、道路バリケードや安全標識の設置、マンホールの開放を実施。
【②CCTV搭載の水中ドローンによる下水道管内の点検】
CCTVを搭載した水中ドローンの活用で、排水を行わずに、満水状態の下水道管の様子をリアルタイムで記録することができる。
これにより、より効率的かつ正確な検査結果の取得および記録が可能となる。
また、400mのテザーケーブルを使用することで、広範囲にわたりマンホール内部や配管内の映像を撮影することが可能になる。
【③下水管内に損傷を発見した場合の対応】
水中ドローンの検査において損傷が発見された場合、追加の排水調査が必要となる。
排水後の下水管内は屋内暗所となるため、「Terra Xross 1」のような安定飛行が可能な屋内点検用ドローンの活用が期待されるとテラドローン社ではしている。
今後の展望
テラドローン社は、今後も、日本国内にとどまらず、潜在的な海外市場においても、下水道をはじめとするインフラ点検分野での事業展開を推進していくとしている。
「Terra Xross 1」は屋内での安定した飛行性能と低コストでの導入を強みとし、暗所や狭所での点検作業におけるドローン活用を促進することで、インフラ点検の作業効率向上に寄与できるドローンとなっている。
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出典