NEC、埼玉県秩父市でドローン航路運営者の事業モデルに関する実証を実施

日本電気株式会社(以下、NEC)、Intent Exchange株式会社(以下、Intent Exchange)、一般社団法人ちちぶ結いまち(以下、ちちぶ結いまち)、秩父市の4者は、ドローン航路の商用サービス実現に向けた実証実験を実施。 この実証は、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(以下、NEDO)の事業の一環として行われたものとなっている。

ドローン航路の商用サービス実現に向けた実証実験について

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ドローン航路イメージ(「ドローン航路ConOps(運用概念)案」から抜粋)

経済産業省は、関係省庁とともに物流クライシスや人流クライシス、災害激甚化への対応として約10年の「デジタルライフライン全国総合整備計画」を掲げており、その一環としてドローン航路の社会実装を進めている。

このドローン航路とは、ドローン運航のための社会的理解の醸成が進んだ範囲であり、地上及び上空の制約要因に基づいて立体的に最外縁が画定された運航環境において、航路運航支援及び航路リソース共有を実現するものとなっている。(「デジタルライフライン全国総合整備計画」p.29 より抜粋 参照URL:経済産業省>第2期デジタルライフライン全国総合整備実現会議

従来、ドローン運航者がドローンを運航する際には、地域の関係者との調整・周知や飛行経路のリスク評価など煩雑な手続きを個別に行う必要となる。
そこで、ドローン運航者に代わって航路運営者にリスクアセスメントや地域関係者との調整・周知等が協調領域として集約されることで、運航会社の時間とコストを大幅に削減できるという効果が期待されている。
今回行われた実証における航路運営者としては、道の駅の運営会社など地域に根ざした事業者を想定、離着陸場や航路の安全性を管理して複数のドローン運航者にサービスを提供することを目指している。

本事業において、ドローン航路を実現するために必要となる航路運営者のための航路設計機能や、ドローン運航者のための予約機能などから構成されるドローン航路システムが開発された。

実証内容

航路運営者の事業モデルを検証するため、2025年2月に秩父市にて実証実験を実施。
ちちぶ結いまちが地域に根ざした事業者として、道の駅に設置した離着陸場とドローン航路を管理。
物流や点検といった複数のドローン運航者のためにサービス提供することを想定して、下記の役割で検証が行われた。

●ちちぶ結いまち – ドローン航路の航路運営者
●NEC – ドローン航路に設置するシステム(立ち入り監視システム等)の提供者
●Intent Exchange – ドローン航路システムの運用者
●秩父市 – 地方自治体としてのドローン航路推進者

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作成されたドローン航路の開発中画面 ※「国土地理院地図(タイル)淡色地図」から抜粋。一部追記

上記画面は、ドローン航路システムにより作成したドローン航路をUI上に表示したもので、太いグレーのラインがドローン航路を示している。
ドローン航路システムの特長のひとつとして、航路運営者が地域関係者と調整した最大落下分散範囲を入力することで、利用する機体の落下分散の考慮、落下許容範囲外には落下しないような航路の画定、これらをドローン運航者が共同で利用することが出来る、という仕組みがある。

従来は、ドローン運航者自身が、飛行前に飛行経路ごとに落下分散を考慮した設計を行う必要があった。
本実証では、航路運営者による運用検証の他にも、「道の駅大滝温泉」から「秩父市大滝総合支所」までのドローン航路に沿ってドローンを飛行させ、LTE電波不感地帯対策などの様々な検証が行われた。

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実証実験の様子(物流用途での利用を想定した荷物を積載)

今回の実証地となった道の駅は、施設の老朽化や周辺地域の人口減少に伴い地域拠点としての役割の再検討が必要な状況にある。
ちちぶ結いまちは、ドローン航路運営の拠点として新たなビジネスモデルを構築し、物流や災害時の緊急物資輸送や河川点検などドローンを活用した地域サービスの社会実装を進めることで、中山間地に暮らす地域住民の拠り所となるよう検討を進めていくとしている。

今後について

本実証をはじめとしたドローン航路に係る実証や検証を踏まえて、2025年3月25日に秩父エリア・浜松市同時開催で、ドローン航路の正式な開通及び航路を活用した商用運航の開始が予定されている。

なお、本実証に参加した4者は今回検証した地域に根ざした事業者を中心とする航路運営の事業モデルの確立を秩父市で進めるとともに、NECおよびIntent Exchangeでは本事業モデルを全国に展開すべく、航路事業者への航路運営サービスの提供を2025年度中に目指すとしている。

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出典

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