アイ・ロボティクス社、精密誘導IoT技術によるドローンやロボットの施設内自動運用をcm単位で制御に成功。リアルタイムでのデジタルツイン生成技術も開発

株式会社アイ・ロボティクス(本社:東京都渋谷区、代表取締役社長:安藤嘉康)(以下、アイ・ロボティクス社)は、GPSに依存せず、屋内外を問わずにドローンをセンチメートル単位で誘導・制御。 さらに、ドローンや周辺機器からリアルタイムに取得したデータを即座に3D点群およびデジタルツインに生成する新技術を開発したことを発表した。

精密誘導IoT技術、デジタルツイン生成技術の開発について

イメージ画像

施設管理を取り巻く環境は急速に変化しており、機械化・遠隔化・自動化・AIの活用によるDX(デジタルトランスフォーメーション)への対応が否応なく加速している。
BIMやCIMに代表されるように、効率的かつ高度な生産・運営・管理への対応があらゆる産業に求められる時代となっており、アイ・ロボティクス社では、こうした社会変革にいち早く対応すべく、2014年に共創パートナーとともにソリューションの開発に着手。
以後、社会実装を見据えたブラッシュアップと実証を重ねてきた。

ソリューションを実現する技術群

本技術は、ドローンに加え、施設内に設置されたカメラやセンサー、既存設備などを活用し、施設とドローンが相互に高精度で位置を把握し合い、誘導を行う仕組みに基づいている。
今後は、GPSなどの衛星信号が届かない屋内環境や、屋外から屋内へ移行するトンネルなどの複雑な空間においても、シームレスかつ精密にドローンを自動飛行させる技術へ発展させていく予定とのことだ。

また、複数のドローンを同時に一括制御することも容易で、これまで難しかった大規模施設内での複数機運用も実現する。
さらに、機体制御を一部外部化したことでドローン本体の小型・軽量化が可能となり、商業施設や倉庫といった屋内空間でも安全かつ実用的に運用できる。

このソリューション・サービスの大きな特徴として、高精度の位置測位と高速リアルタイム通信を両立しながら、飛行中に周辺環境の3次元点群データを取得し、その場で高解像度のデジタルツインを生成できる点があげられる。

これにより、施設内の空間変化を即座に把握し、飛行経路への即時反映や、設備点検・施設管理・記録業務の高度化・効率化を実現する。

精密な誘導制御で次世代のドローン運用を実現

イメージ画像

従来の自律飛行型ドローンは、自機に搭載したGPSや障害物センサーを用いて自らの位置を推定し飛行制御を行うのが一般的となっている。
しかし、この方法では、多様な機器を機体に搭載する必要からドローンの大型化につながるうえ、センサー誤差による位置ずれや誤作動のリスクも避けられない。

一方、当技術ではドローン側ではなく施設側に配置したシステムが機体の位置を高頻度・高精度で検出し、高速通信を介することでリアルタイムに機体を誘導・制御が行われる。
外部の制御コンピューターが常にドローンの現在位置を監視し、設定された飛行ルートとの差異を即時に補正することで、常に所定の位置・姿勢を保った精密な飛行や、複数機体の同時制御といった高度な運用も可能となる。

この外部誘導は極めて高速に行われるため、機体の挙動に遅れることなく追従できる。
ドローン側の処理負荷を大幅に軽減したことで、従来の方法では困難だったcm単位の高精度かつ安定した飛行を小型機体でも実現した。
また、機体に大型の計測機器を積む必要がないため、ドローン自体を小型・軽量化でき、狭い室内空間でも安全に運用することが可能となっている。

GPS不要のcm単位制御で屋内外シームレス飛行

イメージ画像

一般的な屋外用ドローンは、衛星からのGPS信号やそれを補正するRTK電波に頼って自動飛行する。
とはいえ、屋内ではGPSの受信は難しく、トンネルや工場・倉庫など広い屋内空間では数m単位の誤差が生じる事も多い。
そのため、これまでドローンによる屋内や複雑な構造物周辺での精密な自律飛行は困難だった。

しかし、アイ・ロボティクス社の技術なら、GPSに依存せず施設内に設置した測位システムによってドローンの位置を常時cm単位で把握・制御できる。

これにより、生産ラインが稼働する工場内部や、大型倉庫の棚の間、建設現場の狭小空間、長大なトンネル内部など、従来はドローンの自動飛行が難しかった環境でもcm単位の誤差で正確な飛行が可能になる。
障害物が多い空間でも安全かつ安定した飛行を実現し、人が立ち入れない危険区域での自律点検飛行などにも威力を発揮するとのことだ。

今後の展開

今後の開発目標としては、制御システムに一定の工夫を加え、屋外環境でも安定して稼働できるようにすることで、屋内と屋外の移動を連続して行えるようにしていく。
具体的には、必要に応じて制御モードを自動的にGPS利用へ切り替える機能を実装し、例えば倉庫の内部から屋外を経由して隣接する別棟内部へ移動するような、連続的かつ複雑なミッションにおいても、位置情報の断絶やオペレーターの介入なしにドローンが自律飛行を継続できるサービスの提供を目指している。

動画はこちら

リアルタイム・デジタルツインを紹介しているプロモーション動画はこちら。

ーーーーーー

出典

関連記事

SkyDrive社、台湾の「空飛ぶクルマ」を活用した医療輸送について現地企業・研究開発機関と業務提携。最初の航路の検討も開始

「空飛ぶクルマ」の開発およびドローン関連サービスを提供する株式会社SkyDrive(本社:愛知県豊田市、代表取締役CEO 福澤知浩)(以下、SkyDrive社)は、台湾の大型ドローンシステム会社、新楽飛無人機(英語名:7A Drones Co., Ltd.)(以下、7A Drones)と、台湾政府の研究開発機関、工業技術研究院(Industrial Technology Research Institute)(以下、ITRI)の2社と、台湾での空飛ぶクルマの事業化に向けた検討を行うことを目的に、業務提携契約を締結した。

  tera

JUIDAとブルーイノベーション社、大阪・関西万博で飛行する全てのドローンの安全運航管理を支援。ドローンと空飛ぶクルマとの運航調整も担当

一般社団法人日本UAS産業振興協議会(本社:東京都文京区、理事長:鈴木 真二)(以下、JUIDA)とブルーイノベーション株式会社(本社:東京都文京区、代表取締役社長:熊田 貴之)(以下、ブルーイノベーション社)は、2025年日本国際博覧会(以下 大阪・関西万博)において飛行する全てのドローンの安全運航管理を支援することを発表した。

  tera

三菱総合研究所ら4社、標準化に取り組んできた無人航空機の衝突回避システムのISO認定を発表。国際規格「ISO15964」が発行

NEDOの委託事業「ロボット・ドローンが活躍する省エネルギー社会の実現プロジェクト」(以下、NEDO DRESSプロジェクト)での成果をもとに、日本無線株式会社(以下、日本無線)、日本アビオニクス株式会社(以下、日本アビオニクス社)、株式会社ACSL(以下、ACSL社)、株式会社三菱総合研究所(以下、三菱総合研究所)の4社は、無人航空機の衝突回避システムの標準化に取り組み、そのシステムがISO認定されたことを公開した。

  tera

KDDIスマートドローン株式会社と大林組、『Skydio Dock for X10』を活用した遠隔自動ダム巡回の実証に成功

KDDIスマートドローン株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:博野 雅文)(以下、KDDIスマートドローン社)は、株式会社大林組(本社:東京都港区、代表取締役社長:蓮輪 賢治)(以下、大林組)とともに、Skydio, Inc.(以下、Skydio)の自動充電ポート付きドローン『Skydio Dock for X10』を活用した「建設現場における巡回業務の自動化および取得したデータの現場進捗管理への有効性」を検証する実証実験(以下、本実証)を実施した。

  tera

ハミングバード社と港区、『災害時における無人航空機による情報収集等に関する協定』を締結

ドローンスクール東京を運営する株式会社ハミングバード(東京都渋谷区 代表取締役:鈴木伸彦)(以下、ハミングバード社)と東京都港区(区長:清家 愛)は『災害時における無人航空機による情報収集等に関する協定』を締結。 本締結により災害時において東京都港区より指示を受けたハミングバード社のパイロットは、人が立ち入ることができない危険な場所での被災状況の調査を、ドローンを活用して行うことが可能になる。

  tera