KDDIスマートドローン株式会社と大林組、『Skydio Dock for X10』を活用した遠隔自動ダム巡回の実証に成功

KDDIスマートドローン株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:博野 雅文)(以下、KDDIスマートドローン社)は、株式会社大林組(本社:東京都港区、代表取締役社長:蓮輪 賢治)(以下、大林組)とともに、Skydio, Inc.(以下、Skydio)の自動充電ポート付きドローン『Skydio Dock for X10』を活用した「建設現場における巡回業務の自動化および取得したデータの現場進捗管理への有効性」を検証する実証実験(以下、本実証)を実施した。

『Skydio Dock for X10』を活用した実証実験について

イメージ画像
現場に設置された『Skydio Dock for X10』

今回の実証では、遠隔から『Skydio Dock for X10』に指示を送り、Skydio X10の自動離発着から自律飛行、映像伝送(可視カメラ/サーマルカメラ)、データアップロード、撮影した写真からの3次元モデルの生成までの一連の検証が実施された。
これにより、建設現場の状況を遠隔からリアルタイムに把握することが可能となり、現場管理の効率化と安全性向上に寄与できることが確認された。

背景

就労人口の減少や高齢化が進む建設業界では、生産性の向上と安全性の確保が喫緊の課題となっている。
特に広大な建設現場における日々の進捗確認や安全点検は、多くの時間と労力を要される。
このような背景から、KDDIスマートドローン社と大林組はドローンやBIM/CIM等の技術を活用した建設現場のDX推進を目指して、この実証を実施した。

本実証の概要

イメージ画像
生成した3次元モデル

この実証は、2025年3月に大林組が管理する建設現場(工事名:相模ダムリニューアル工事(第1期)下流施設工事)に『Skydio Dock for X10』を設置して実施された。
実施内容は、以下の5点となっている。

遠隔からの自動離発着
遠隔から『Skydio Dock for X10』に指示を送り、Skydio X10の自動離発着、および自動充電が開始することを確認。

自律飛行による定点観測
事前に設定された飛行ルートに基づき、Skydio X10が建設現場内の指定されたポイントを自律飛行させて、高精細な写真と映像の撮影。

リアルタイム映像伝送
上空電波(4G LTE)を用いてリアルタイムに映像(可視カメラ/サーマルカメラ)を伝送、遠隔から現場の状況を確認。

取得したデータの進捗管理への活用
ドローンが取得し自動でアップロードしたデータ(写真、映像)から3次元モデルを生成。
この三次元モデルを活用することで、遠隔から正確な進捗状況を把握できるかを確認。

・障害物回避性能の検証
高性能AIを搭載したSkydio X10による障害物回避を行い、建設現場特有の複雑な環境下でも安全に自律飛行できることを確認。

今回行われた実証の成果

イメージ画像
サーマルカメラによる撮像写真

生産性向上(巡回業務の完全自動化)
遠隔から『Skydio Dock for X10』に指示の送信。
Skydio X10の自動離発着・自律飛行・撮影・自動充電・データアップロードを行う一連の運用を、安定して実施できることが確認された。

また、リアルタイム映像伝送(可視カメラ、サーマルカメラ)により、昼夜問わず遠隔にいる複数の関係者が同時に現場状況の把握、迅速な意思決定や安全管理の効率化を実現できることについても確認された。

安全性向上
高所作業など、危険な場所での確認作業をSkydio X10が代替することで、作業員の安全リスクの低減が可能であることを確認した。

データ活用の促進
定期的に取得される高精細な空撮データおよび生成した3次元モデルを活用することで、進捗管理の精度向上や正確な施工記録としての活用が可能であることが確認された。

今後の取り組み

KDDIスマートドローン社と大林組は、夜間飛行や悪天候下での安定運用に向けた検証や、既存の施工管理システムやBIM/CIMとの連携を強化し、建設プロセス全体の最適化を図ることで、他の建設現場へ『Skydio Dock for X10』をはじめとした自動充電ポート付きドローンシステムの適用範囲の拡大を推進するとしている。

今後も、ドローンの社会インフラ化に寄与する取り組みを通じて、建設業界の課題解決に貢献し、豊かでサステナブルな社会の創造を目指していくという所信を述べている。

ーーーーーー

出典

関連記事

AutoCover社、業界初となる茶園の被覆作業をドローンで自動化へ。「スマート農業技術活用促進法」に基づく開発供給実施計画の認定を取得

スマート農業のスタートアップであるAutoCover株式会社(本社:愛知県名古屋市)(以下、AutoCover社)は、日本で初めて、茶園の被覆作業をドローンで自動化する技術が、2025年10月31日に農林水産省の「スマート農業技術活用促進法 開発供給実施計画」に採択されたことを発表した。 AutoCover社は、深刻な人手不足に直面する茶業界と、中山間地の農業が抱える構造的課題を、ドローンとデジタル技術で解決し、持続可能で豊かな農業の未来を創ることを目指している。

  tera

ビーモーション社、空撮・点検・測量などを一括対応する「ドローンサービス」を開始

企業の販売・営業部門のアウトソーシング事業を展開するビーモーション株式会社(本社:東京都豊島区、代表取締役:伊藤 空)(以下、ビーモーション社)は、空撮・建物点検・測量・農薬散布など、幅広い用途に対応した「ドローンサービス」の提供を開始した。

  tera

双葉電子工業、長生郡市広域市町村圏組合消防本部に「災害対応ドローン」を納入

ドローンの開発・運用を通じて点検、防災、防衛分野の社会課題解決に取り組む双葉電子工業株式会社(本社:千葉県茂原市)(以下、双葉電子工業)は、災害時の孤立地域における状況把握、情報伝達、救命用具の運搬などの人命救助支援を目的とした「災害対応ドローン」を、長生郡市広域市町村圏組合消防本部(千葉県)(以下、長生消防)に納入したと公表。 11月20日には、長生消防より長生郡市広域市町村圏組合の各首長および議員に向けて、納入機体のお披露目会が行われたとのことだ。

  tera

豊橋市消防本部、『水難救助対応型ドローン』を導入。上空から命をつなぐ救助のあらたなカタチとなる「浮き輪投下ドローン」を 東海3県で初の運用へ

水難救助体制の更なる強化を図るため、愛知県豊橋市消防本部は『水難救助対応型ドローン』1基を導入したことを報告した。 運用するドローンは、搭載した浮き輪の投下と無線スピーカーによる声掛け機能を備え、この二つの機能を同時に使用できるドローンの導入は、愛知、岐阜、三重の東海3県の消防本部で初めてである。 「ドローンの日」の12月10日から運用が開始される。

  tera

カンツール社、Liberaware社のGold Partnerとして契約締結。全国のグループネットワークにより下水道業界への『IBIS2』普及を加速へ

株式会社Liberaware(本社:千葉県千葉市、代表取締役:閔 弘圭)(以下、Liberaware社)は、株式会社カンツール(本社:東京都中央区、代表取締役:小川 尚)(以下、カンツール社)と販売店契約を締結し、同社がLiberaware社製品の「Gold Partner」として活動を開始したことを公表した。

  tera