NTT Com社、福島県昭和村にてドローンポートを活用した遠隔監視下における完全無人でのレベル3.5飛行に成功

福島県昭和村(役場所在地:福島県大沼郡、村長:舟木幸一)(以下、昭和村)とNTTコミュニケーションズ株式会社(本社所在地:東京都千代田区、代表取締役社長:小島克重)(以下、NTT Com社)は、2025年4月に実施した自動飛行ドローンの運用(以下、当実証)において、ドローンポート「Skydio Dock for X10」を活用したレベル3.5飛行に成功した。

昭和村とNTT Com社による実証の詳細

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ドローンポートから離陸する様子

ドローンに搭載されたカメラ映像などを用いることで完全無人での国道横断を含む村内・山間部の自動巡回に成功し、村内での無人でのドローン運用の有効性を確認された。

この実証は、2024年11月に両者で行った自律飛行型ドローンを活用した夜間人物探索の実証に続くもので、山間部や中山間地域での災害時などにおける状況把握を遠隔から即応的に実施する手段としてのドローンの有効性をさらに検証したものだという。
また、緊急時だけでなく日常的な有害鳥獣対策などをドローンで効率的に行うことの検証も目的として行われた。

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遠隔から飛行状況を監視している様子

本実証の背景

飛行経路下に歩行者などがいない無人地帯であることをデジタル技術の活用(機上カメラ)によって確認することで、補助者の配置などの立入管理措置を講じず飛行することができる飛行形態となる「レベル3.5飛行」。

昭和村は、歩行者などが存在する可能性が比較的少ない森林や農用地などが多いため、この「レベル3.5飛行」に相当する飛行を実現することにより、ドローンを活用した無人での効率的な巡回などの実用化に近づくことができると思案。
「レベル3.5飛行」の実施とドローンの自動離着陸および自動給電を行うことができるドローンポートを活用して実証を行うことで、昭和村における本格的な無人でのドローン活用をめざした。

実証の概要

本実証では高解像度カメラ搭載の自律飛行型ドローン『Skydio X10』を活用し、飛行経路下に歩行者などがいないことを遠隔から確認することで、補助者なしで村内を巡回することに成功した。
また、『Skydio X10』はLTE上空利用プランに対応したセルラードローンであり、Wi-FiとLTEの両方を利用した飛行・撮影を実施することができる。

今回の実証では、ドローンポート「Skydio Dock for X10」と組み合わせて活用することで、より広い範囲での飛行と無人での離発着が可能となり、昭和村内を無人巡回させることに成功した。

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本実証の構成イメージ

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本実証を捉えた映像

ドコモビジネス | NTTコミュニケーションズのYouTubeチャンネルでは、今回昭和村にて行われた実証にまつわる動画を公開中。

 
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村内撮影画像から生成した3Dモデルの比較

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有害鳥獣の調査を目的とした夜間飛行の様子
  

今後の取り組み

NTT Com社および昭和村は、今回の成果をもとに、災害対策・インフラ点検・山間地域の見回りなど多様な用途に応用できる自動飛行ドローンの社会実装をさらに進めるとしている。
また、飛行申請や制度運用の実証知見を積み上げることで、全国の自治体でのドローン利活用のハードルを下げる一助となることをめざしていくという。

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出典

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