全国新スマート物流推進協議会、ドローンなどの先端技術と地域の共助を組み合わせて地域物流の未来を拓く『コミュニティ配送』提言書を策定

全国新スマート物流推進協議会(東京都渋谷区、会長:竹中貢 北海道上士幌町長)(以下、本協議会)は、過疎化やドライバー不足により地域のラストワンマイル配送が困難となっている現状を踏まえ、ドローンなどの先端技術と地域の共助を組み合わせた新しい配送モデル『コミュニティ配送』の実現に向けた提言書を策定。 平将明デジタル行財政改革担当大臣に手交し、具体的にコミュニティ配送の実現に向けた制度的課題を提示。 全課題地域に適用可能にするために、規制改革要望を提出した。

『コミュニティ配送』の実現に向けた提言書の策定・提出について

イメージ画像
平将明デジタル行財政改革担当大臣に提言書を手交(写真向かって左より本協議会 理事 エアロネクスト社代表取締役CEO 田路圭輔氏、副会長 舩木直美小菅村長、平将明デジタル行財政改革担当大臣、会長 竹中貢上士幌町長、理事セイノーラストワンマイル社代表取締役社長 河合秀治氏)

コミュニティ配送を通じた持続可能な地域物流インフラの構築を目指し、『コミュニティ配送』提言書は策定された。

提言のポイント

『コミュニティ配送』とは
一定地域内において荷物を集約拠点(デポ)に集め、その先のラストワンマイルの配送をドローンや自動運転車両、自動配送ロボットといった先端技術、または地域住民の協力による「共助」の仕組みで行うことで、持続可能で効率的な地域配送を実現するモデル。
物流事業者は拠点までの配送をもって業務完了とするため、効率性が向上し、同時に地域住民の生活インフラとしての物流が確保される新たな仕組みとなる。

『コミュニティ配送』の必要性
過疎地域においては、人口減少とドライバー不足により、従来の物流網の維持が極めて困難になりつつある。
例えば北海道上士幌町では、配送量の2割を占める農村部への配送に、全体の配送時間の8割を要するという極めて非効率な状況が確認されており、地域住民の生活を支える物流インフラの崩壊が現実味を帯びている。

こうした状況を打開するため、本提言では、先端技術と地域住民の共助を融合した『コミュニティ配送』モデルの導入を提案。
新技術を活用しながら、地域の住民や事業者が協力してラストワンマイル配送を担うことで、効率化と持続可能性の両立を実現する新たな地域物流の姿を描く。

地域に根付いた提案

さらに、このような仕組みを各地に展開するためには、地域ごとの事情を踏まえた制度設計と合意形成の枠組みが不可欠となる。
今回の提言では、地域住民、物流事業者、自治体が一体となって協議し、地域物流計画を策定する「地域物流協議会」の設置を提案。

この枠組みは、公共交通分野において導入されている「地域公共交通会議」の制度設計を参考としたものであり、地域に根差した物流の在り方を実現するための基盤となるものとなっている。

コミュニティ配送は一定の公共性を有するがゆえに、初期投資や運営費を地域内の関係者がどのように分担するかという財政面での制度設計も不可欠である。
これらの課題に対応するためには、政府による制度的・財政的な後押しが強く求められており、政策形成や制度改革が今まさに問われている局面にある。

『コミュニティ配送』の実現に向けた提言書はこちらを参照。

今後の展望

本協議会では、今後も全国の自治体・物流事業者と連携し、実証実験の実施を通じたベストプラクティスの構築、及び事例収集を通じたガイドライン作成などに取り組み、民間側から政府・自治体の政策形成への貢献を進めていくとのことだ。
また、本取り組みは政府が推進する「地方創生2.0」基本構想で示された①安心して働き、暮らせる地方の生活環境の創生、④デジタル・新技術の徹底活用、に合致する取組であり、地域主導による新たなインフラモデルの確立を目指す上で大きな一歩となる内容となっているとしている。

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出典

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