九電ドローンサービス社とオプティム社、ドローンとAI解析技術を活用した「枯れ木検知AIサービス」を開発。枯れ木調査業務の高度化・効率化を目指す

九電ドローンサービス株式会社(所在地:福岡県福岡市、代表取締役社長:本田 健一)(以下、九電ドローンサービス社)と株式会社オプティム(所在地:東京都港区、代表取締役社長:菅谷 俊二)(以下、オプティム社)が、従来九電ドローンサービス社が提供していた「枯れ木検知サービス」に、オプティム社のAI解析技術を組み合わせた「枯れ木検知AIサービス」を新たに開発した。 同サービスにより、枯れ木をAIで自動検出することで、枯れ木調査業務の更なる高度化・効率化を目指すとしている。 (※1)ドローンに搭載したマルチスペクトラムカメラの撮影データの解析により枯れ木を検知する手法

開発の背景

近年、豪雨や台風などの自然災害が頻発かつ激甚化している傾向にあり、これまで想像されていなかったような土砂流入や倒木事故による災害が相次いで発生している。
このような中で、九電ドローンサービス社は立ち枯れ樹木を早期に発見し、倒木事故の未然防止に貢献できる従来サービスを開発していたが、対象エリアが広範囲に及ぶ場合は枯れ木の検出に多くの時間と労力を要することが課題となっていた。

こうした課題に対応するため、オプティム社のAI解析技術を組み合わせることで管理ソフト上で枯れ木の自動検出が可能な同サービスが新たに開発された。

同サービスの機能概要

【機能(1)】可視画像とNDVI画像を活用した枯れ木AI検知
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可視画像とNDVI画像を活用した枯れ木AI検知

ドローン空撮により取得した可視画像とNDVI画像に基づき、管理ソフト上で画像解析による枯れ木箇所の自動検知及び地図上での可視化を実現する。
可視画像とNDVI画像の切り替えも可能となっている。

【機能(2)】2点間距離測定、国土地理院地図による断面図自動生成
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2点間距離測定、国土地理院地図による断面図自動生成

管理ソフト上において、2点間を指定することで、オルソ画像の高さ情報と国土地理院の高さを比較し、傾斜角や枯れ木の高さを算出することが可能。

【機能(3)】国土地理院地図の標高図データ反映

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国土地理院地図の標高図データ反映

オルソ自動生成のタイミングで、AI解析結果と合わせて標高図データを反映する。

実フィールドを用いた検証

西日本旅客鉄道株式会社(以下、JR西日本)は、基幹事業である鉄道の安全を最重要課題として取り組んでいる。その中の一つの倒木対策は、これまで人力により枯れ木調査を実施し、計画的に伐採作業を実施していたが、2022年度から実フィールドで従来サービスによる枯れ木調査業務の効率化の検証を開始し、2024年度から同サービスにて引続き検証について取り組んでいるという。

現地検証の概要(2025年度)

実施日
2025年6月12日(木) ~ 13日(金)

実施場所
JR西日本エリアにおける鉄道沿線

使用機材
〇垂直離発着固定翼ドローン「Trinty Pro(QuantumSystems社製:ドイツ)」
〇VTOLマルチスペクトラルカメラ「MicaSense Altum-PT(MicaSense社製:アメリカ)」
〇回転翼ドローン「Phantom4 Multispectral(DJI社製:中国)」
〇枯れ木検知AIサービス「AI Inspection for Infra(オプティム社製:日本)」

実施内容
●ドローンによる沿線樹木撮影、枯れ木検知AIサービスによる解析

<枯れ木検知AIサービス>
●可視画像とNDVI画像の自動生成、可視画像による枯れ木判定、NDVI画像による樹木活性度判定、枯れ木対象のリスク判定(断面図を用いた距離計算)

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出典

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