
ブルーイノベーション社、奈良市にて『ELIOS 3』を活用した下水道管渠内調査を実施
ブルーイノベーション株式会社(本社:東京都文京区、代表取締役社長 熊田貴之)(以下、ブルーイノベーション社)は、奈良市大宮町2丁目において実施された公共下水道改築工事における下水道管渠の施工前調査において、屋内点検用球体ドローン『ELIOS 3(Flyability 社製)』を活用した調査を行った。 本調査は、販売パートナーである株式会社トライアブル(奈良県五條市)、施工会社である株式会社森岡組(奈良県五條市)との連携により実施したものとなっている。
目次
『ELIOS 3』を活用した奈良市での下水道管渠内調査について
【左】調査実施時の様子(左)、【右】下水道への進入口となるマンホール
本調査は、奈良県内で初めて『ELIOS 3』を用いて実施された下水道点検事例である。
当日は奈良市および奈良県の行政関係者約15名が現地に参加し、ドローンによる安全かつ効率的な下水道点検の有効性が確認された。
背景
下水道管内は、常時流水があることに加え、硫化水素の発生や下水汚泥の堆積により作業員の立ち入りが困難なケースも多く、点検作業の安全性や効率性に大きな課題を抱えている。
今回の取り組みは、2025年1月に埼玉県八潮市で発生した道路陥没事故を受け、国土交通省が全国の自治体に対して要請した下水道施設の緊急調査を背景とするものであり、調査におけるデジタル技術の活用が求められる中、将来の活用に向けた検証の一環として実施された。
本調査の概要
本調査では、幅約2m・高さ約1mの四角形断面を持つ、全長約40mの下水道管渠内部において、屋内点検用球体ドローン『ELIOS 3』が活用された。
管渠内の下部には実際に下水が流れており、かつGPS信号の届かない閉鎖空間という厳しい環境下においても、ELIOS 3は独自のSLAM技術により、安定的な飛行を実現。
取得された可視画像と空間情報はリアルタイムで3D化され、その様子は現地のモニター上で行政関係者にも確認された。
飛行および撮影に要した時間は約15分で、従来の人力による点検と比較して大幅な時間短縮が可能であることが明らかとなった。
また、取得データは位置情報と連動して記録され、専用解析ソフト「Inspector」によって処理される。
Inspectorを通じて点検経路や異常箇所は3Dマップ上で可視化され、作業後の報告書作成やデータ整理の効率化にも大きく貢献する。
こうした成果から、ELIOS 3は、下水道をはじめとした閉鎖空間点検において、作業員が危険箇所に立ち入ることなく、安全かつ効率的に調査を完了できる技術として高く評価された。
【左】奈良市大宮町2丁目公共下水道内の実際の3Dデータ【右】内部画像
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出典