
箱庭ラボ社、ドローンシミュレーションプラットフォーム『箱庭ドローンPRO』のライセンスと支援サービス提供開始
合同会社箱庭ラボ(本社:福井県福井市、CTO:森 崇)(以下、箱庭ラボ社)は、ドローンの教育・研究・操縦訓練・実証実験・産業応用まで幅広く対応するドローンシミュレーションプラットフォーム『箱庭ドローンPRO』のライセンスと支援サービス提供を2025年8月1日より正式に開始した。
目次
ドローンシミュレーションプラットフォーム『箱庭ドローンPRO』について
箱庭ドローンPROは、長年オープンソースとして開発・提供されてきた「箱庭」の技術を基盤とし、商用ライセンスおよび技術サポートを含むPRO版パッケージとして展開する。
教育機関、スタートアップ、研究開発部門など、実践的なフィールドでの活用を後押しすることで、安全・柔軟・再現性の高いドローン実験環境を提供する。
ドローン社会実装の現場ニーズに応える
近年、空のインフラや災害対応、物流、農業など、ドローンの活用が多様化する中で、「仮想空間での事前検証」「教育現場での導入容易性」「制御アルゴリズムのテスト環境」「飛行航路の設計・検証」といったニーズが急速に高まっている。
こうした現場ニーズに応えるため、箱庭ラボ社が長年にわたりオープンソースとして開発・運用してきた「箱庭ドローンシミュレータ」に、商用ライセンス・技術支援・拡張モジュールを加えた「PRO版」を新たにリリースした。
教育・展示・実証現場での多数の導入事例
箱庭ドローンシミュレータは、2025年大阪・関西万博、Japan Drone、量子コンピューティングEXPOなどの展示での活用に加え、高専・大学での教育教材、物流・インフラ検証シナリオ、行政・自治体での実証プロジェクトなど、多岐にわたる現場で活用されている。
また、複数の学会発表やオープンソース表彰を通じて、技術面での評価も獲得している。
箱庭ドローンPROの特徴
拡張して、社会へつなげるドローンシミュレータ
箱庭ドローンPROは、拡張性と再現性を兼ね備えた、社会実装志向のドローンシミュレーション環境である。
オープンソースを基盤に、以下の機能群により、教育・研究・実証から商用開発まで幅広いニーズに応える。
実機互換のフライト制御:PX4 / Ardupilot対応
主要オープンソース制御系との連携により、実際の制御アルゴリズムの評価・移植が可能。
高精度な物理挙動:MuJoCo物理エンジンとの連携
姿勢制御・衝突挙動・外乱応答など、高精度な物理シミュレーションを通じて信頼性のあるテストを実現する。
環境パラメータの模擬:風・温度・気象条件
飛行条件を仮想空間内で自在に設定でき、極端な条件下での挙動検証にも対応可能。
多様な可視化・体験手段:Web/VR/AR
XR表示や遠隔可視化が可能で、展示・教育・体験用途にも適応。
リモート操作訓練にも有効である。
リアルとつながる:Digital Twin機能
仮想空間と現実空間をリアルタイムで連携。
ドローンの状態監視や運行管理システムとの接続に活用できる。
AI連携・自律飛行の研究基盤:MCP統合
経路最適化や自然言語による操縦制御など、次世代AIとの統合によって先進的な実験にも対応。
<現場に強い>ドローンシミュレータ、その理由
箱庭ドローンPROは、GazeboやAirSimなどの他OSSと比べて、柔軟なモジュール設計・他システムとの連携性・日本語サポート体制に強みがある。
特に、XRやAI連携を視野に入れた「開かれた設計思想」により、教育・研究・商用利用の現場で導入のしやすさが際立っている。
特に、教育機関やPoCフェーズの企業において、迅速な立ち上げと柔軟なカスタマイズ性が求められるケースで真価を発揮する。
提供内容 安心して使える、導入から拡張までのサポート
箱庭ドローンPROは、ライセンス契約に加え、実装・拡張・教育支援を含むサポート体制を備えている。
研究・実証・商用開発まで、それぞれの現場に応じた柔軟な支援を提供する。
・PROライセンスパッケージ
無償版では制限のあるソースコードの改変・商用利用・技術支援を可能にするライセンス契約。
ドローン開発・制御連携・PoC構築など、目的に応じた活用が可能である。
・導入・運用サポートサービス
初期導入支援、ドローンシミュレータの拡張相談、コードリーディングや実証支援など、プロジェクトの段階に応じて伴走型でサポート。
技術ブートキャンプやPoC支援も提供可能である。
教育サービスと無料デモ配信の実施
箱庭ラボ社では、「箱庭」および「箱庭ドローンシミュレータ」の利活用をより広く支援するために、オンライン/オンサイトでの教育サービスを2025年9月より開始予定である。
講座は、オンサイトとオンラインが用意されている。
【オンサイト講座】※東京開催予定
対面形式での体験型講座。
基礎から応用まで、実践的な内容をカリキュラムに沿って提供される。
【オンライン講座】※全国から参加可能
オンライン配信形式で、気軽に参加できる講座。
初学者から開発者まで幅広く対応予定。
本サービスは、「箱庭スキルマップ」をベースにした段階的な教育プラン(無償/有償)を展開し、教育機関・研究者・開発者が、自律的に箱庭を活用・発展できるスキル習得の場を提供していくとしている。
また、教育講座の詳細については、近日中に教育サービス特設ページ(準備中) にて公開予定となっている。
コミュニティ・業界関係者からのコメント
名古屋大学 未来社会創造機構 モビリティ社会研究所 所長・教授 大学院情報学研究科 附属組込みシステム研究センター センター長・教授 TOPPERSプロジェクト 会長 高田広章 氏
箱庭およびドローンシミュレーションの開発を中心に進めてこられた箱庭ラボが、オープンソース箱庭のビジネス展開を本格化されることを、TOPPERSプロジェクトのリーダーとして歓迎します。
組込み、Web、AIなど異分野の技術者が協調する活動として、ビジネスの成功をTOPPERSとしても支援してまいります。
TOPPERSプロジェクト 運営委員 高瀬英希 氏
オープンソースの発展は、コミュニティ推進に加えてビジネス展開を両輪で回すことが必須の戦略なのは間違いありません。
これまで培ってきたオープンソース技術を礎として、箱庭ラボ様が今回の箱庭ドローンPRO版パッケージの展開を開始されること、コミュニティのメンバーとしてたいへんうれしく思います。
箱庭技術は、「でっかく語って、少しずつ育てております!」の旗印から始めて、本当に大きく成長してきました。
今回また新たなフェーズが始まった足音が確実に聞こえています。
これからの展開が非常に楽しみです!そしてコミュニティと刺激し合って、これからもどんどん箱庭技術を成長させていきましょう!
デジタル・インフォメーション・テクノロジー株式会社 プロダクトソリューション本部 担当部長 二等無人航空機操縦士 岡田大和 氏
このシミュレータはすごい!!
世の中には数多くドローンシミュレータが存在していますが、ここまで実機に近い操作体験ができるのは箱庭の技術の賜物だと思います。
ドローン事業の社会実装へ向けて世の中が進んでいっている今、箱庭の需要はますます増加していくのではと思っています。
箱庭のビジネス化へ向けて微力ながら普及活動を支援していきたいと思います。
すごいぞ箱庭!!
組込みシステム技術協会 シミュレーション活用PF WG主査 牧野進二 氏
「箱庭」のアセットとして、箱庭ドローンシミュレータは、実機テストに伴う「高コスト」「高リスク」「非再現性」といった従来のドローン開発・運用・教育における根本的な問題の解決を目指すコンセプトで開発してきました。
ドローン限らず、今後、モビリティの活用においては仮想環境でのマルチモーダル/マルチパーパスの利用を検証することが重要になります。
「箱庭」は様々なユースケースに柔軟に対応可能であり、今後のモビリティ活用において仮想検証環境として発展・成長することを期待しています!
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出典