
NTT東日本と長井市ら5者、デジタルツイン及びドローンを活用した地域防災強靭化の相互協力に関する連携協定の締結
山形県長井市(市長:内谷重治)(以下、長井市)、NTT東日本株式会社(東京都新宿区、社長:澁谷 直樹)(以下、NTT東日本)、株式会社NTT e-Drone Technology(埼玉県朝霞市、社長:滝澤正宏)(以下、NTTイードローン)、NAVER Cloud Corporation(代表:キム・ユウォン)(以下、NAVER Cloud)と韓国水資源公社(社長:ユン・ソクデ)(以下、K Water)は、強靭かつ持続可能な地域防災の実現に向けて、デジタルツインおよびドローンを活用した地域防災強靭化の相互協力に関する連携協定(以下、本協定)を締結することを発表した。
目次
デジタルツイン及びドローンを活用した地域防災強靭化の相互協力に関する連携協定について
図1. デジタルツインの構築イメージ
本協定では、ドローンの空撮画像から長井市の高精細なデジタルツインを構築。
最先端のデジタル技術を最大限に活用した<強靭かつ持続可能な地域防災>の実現に向けた検討を進めていく。
背景と目的
近年、地球温暖化等の影響により自然災害は激甚化・頻発化しており、同時に、人口減少や少子高齢化により、自治体職員の人員減や要配慮者の増加といった地域防災をめぐる課題が一層深刻化している。
長井市は、一級河川・最上川が市街地を南北に貫流し、そこから分岐する複数の支流が市内を横断する地形的特性を有しており、2022年の線状降水帯による豪雨災害では、複数の住宅が浸水、近隣自治体でも鉄道の橋が流されるなど、土砂災害を含む大規模な被害が発生し、防災体制の強化が喫緊の課題となっている。
一方で、災害が複雑化・多様化する中、限られた人員で迅速かつ的確に対応するためには、被害の発生を事前に予測。
現場の状況をリアルタイムに把握・共有できる仕組みを構築することで、自治体職員の意思決定を高度化・迅速化していく必要がある。
こうした背景のもと、本協定では、ドローンの空撮画像から長井市の高精細なデジタルツインを構築。
水害シミュレーションによる危険エリアの事前予測情報、リアルタイムに取得するカメラ・河川水位センサーによる現場情報と降水・降雪情報をデジタルツイン上に反映。
総合的に管理・分析することで、防災オペレーションの仕組みを最適化する等、最先端のデジタル技術を最大限に活用した<強靭かつ持続可能な地域防災>の実現に向けた検討を進めている。
実証実験としてまちを対象として広範囲にデジタルツインを構築し、リアルタイムな風水害の情報取得・活用を通じて、水害や降雪対応の防災オペレーションへ適用する本取り組みは全国でも先進的な事例である。
本協定の取り組み概要
(1)ドローンを活用した高精細なデジタルツインの構築
ドローンによる空撮した画像データを基に、高精細なデジタルツインを構築する。
(2)水害シミュレーションによる降雨・水害の事前予測・可視化
高精細なデジタルツイン上での水害シミュレーションにより、被害が予想されるエリアを事前に予測・可視化する。
図2. 水害危険エリアの予測・可視化 イメージ
(3)リアルタイムな現場状況の可視化・モニタリング
図3. 市街・河川状況の可視化・モニタリング状況 イメージ
(4)災害対策を担う関係者間の情報共有と意思決定支援
デジタルツインを活用して得られる情報を活用して、地域の情報を統合的に管理・分析し、自治体の意思決定を支援する機能(地域オペレーション機能)による最適な地域防災の仕組みを検討する。
各者の役割
長井市
本協定の取り組みを行う実証フィールドや関連するデータを提供
NTT東日本
全体統括、河川状況をモニタリングするための無線ネットワークソリューションや地域防災を実現するための防災ノウハウ・ソリューションを提供
NTTイードローン
長井市内の空撮データ等、ドローンソリューションを提供
NAVER Cloud
ドローンや衛星画像を基にした、デジタルツイン構築ソリューションを提供
K Water
デジタルツインベースの浸水予測および、洪水の精密モニタリングなど水資源最適管理ソリューションを提供
今後の展開
図4. デジタルツインを活用した“まちづくり”への適用イメージ
長井市、NTT東日本、NTTイードローン、NAVER CloudとK Waterは、本協定を通じて得られた知見や成果に基づき、長井市全域へ防災オペレーションも含めたデジタルツインの本格的な展開に向けて検討を進めている。
また、防災領域だけでなく、都市計画や人流解析による賑わい創出へも適用範囲を拡大することにより、平時利用から有事利用まで、さまざまなシチュエーションへ“フェーズフリー”に実装することで、地域の課題解決・さらなる活性化を推進しながら、誰もが安心して、住み慣れた地域でいつまでも暮らせるまちづくりへと貢献していく。
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出典