JR東海とエアロセンス社、トンネル内で長距離自動飛行が可能なドローンの制御方法を共同開発

東海旅客鉄道株式会社(以下、JR東海)とエアロセンス株式会社(所在地:東京都北区、代表取締役社長:佐部浩太郎)(以下、エアロセンス社)は、トンネル内で長距離自動飛行が可能なドローンの制御方法を開発。 この制御方法は、10kmを超える長大なトンネルでの設備点検や異常時対応への活用が期待される。

トンネル内で長距離自動飛行が可能なドローンの制御方法を共同開発

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JR東海では、将来の労働力人口減少に対応するためにICT等の最新技術を活用し、効率的な業務遂行体制の構築に取り組んでいる。
日々の設備点検や異常時の情報収集は、これまでは主に係員の目視で行ってきたというが、ドローンで取得したデータなどを活用した省力化にも取り組んでいるという。

一般的にドローンは、全地球航法衛星システム(GNSS)を活用して機体の位置を認識しながら飛行させることができるが、トンネル内ではGNSSが使用できないため、センサ等を活用して自らの上下・左右位置と向きを認識し、周囲の構造物と一定の距離をとりながら飛行させる必要がある。

トンネル内での制御方法の一つに、3D-LiDARセンサを活用する方法があるが、三次元空間での複雑な情報処理を伴うため、その多くは時速約10km以下の低速飛行となる。
その結果、長距離の自動飛行が難しく、長大なトンネルの設備点検には向かないという課題があった。

そこで、GNSSが使用できない環境下でも長距離の自動飛行を可能とする新しい制御方法が開発された。

新しい制御方法と長距離飛行試験の結果

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ドローンに搭載した2個の2D-LiDARセンサで、予め指定した飛行位置と実際の飛行位置とのずれを把握し、自動で補正しながら飛行する。(特許出願済)
今回、この制御方法を搭載したプロトタイプ機で、山梨リニア実験線のトンネル内で飛行試験を行い、時速約30kmで10km程度の距離を安定して自動飛行できることが確認された。

今後の予定

今後は、新幹線のように架線等の様々な設備・構造物があるトンネル内においても、安定した自動飛行ができるか検証を続けていくという。本技術の実用化により、長大なトンネルでの点検等の省力化を目指しているとのことだ。

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出典

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