キンシュウ社、日本ドローンビジネスサポート協会と共同開発したドローンの安全な自動飛行を実現する『上空電波測定サービス』を提供開始。上空LTE電波強度の3次元可視化により、最適な飛行ルート設計を支援
株式会社キンシュウ(山口県岩国市、代表取締役:有國秀賴)(以下、キンシュウ社)は、一般社団法人日本ドローンビジネスサポート協会(岡山県岡山市)との共同開発により、ドローンの自動飛行に必要な通信環境を事前検証する『上空電波測定サービス』の提供を2025年11月1日より開始した。 また、本技術を活用し、2025年中に山口県内において4ルートの飛行航路開発を実施している。
目次
『上空電波測定サービス』について

サービス誕生の経緯
ドローン業界では、レベル3および3.5の目視外飛行が本格化し、物流や点検業務での活用が加速している。
これらの運用では、従来の無線操縦に代わってLTE通信による制御が主流となりつつある。
ところが、地上利用を前提に設計されたモバイル通信網は、上空においては複雑な電波特性を示し、飛行中の通信断絶という重大なリスクを抱えている。
この問題に対し、2016年から蓄積してきたドローン運用ノウハウを基に、実用的な解決策を提供するサービスを実現した。
サービスの概要と技術仕様
本サービスでは、実機飛行による上空電波環境の実測データを収集・分析し、安全かつ効率的な飛行計画の立案を支援する。
計測可能な通信事業者
・NTTドコモ
・KDDI(au)
・ソフトバンク
測定データ項目
標準測定として電波強度(RSSI)を計測。
追加オプションとして、基地局情報(TAC、Cell ID)、周波数情報(EARFCN、周波数帯、帯域幅)、通信品質指標(RSRP、RSRQ、SINR)の詳細データも取得可能。
【基本計測】
RSSI
【オプション計測】
・TAC
・Cell ID
・EARFCN
・周波数帯
・帯域幅
・RSRP
・RSRQ
・SINR
可視化技術と成果物
収集データは独自の可視化技術により、以下の形式で提供される。
【2次元電波マップ】

地理情報と電波強度を色彩で表現し、エリア全体の通信環境を俯瞰。
地図上に電波強度を色分け表示し、平面的な電波環境を一目で把握。
【3次元立体表示】

高度別の電波分布を立体的に可視化し、垂直方向の電波変化を把握。
【統合ビュー】

平面図と断面図を組み合わせ、飛行経路上の電波状況を多角的に分析。
【詳細分析レポート】

測定データの統計分析と飛行ルート設計への提言を記載。
価格・提供開始時期
【サービス開始】
2025年11月1日
【サービス料金】
測定範囲、高度、オプション項目により個別見積
【対象エリア】
日本全国
導入メリット
リスク低減
通信不良による機体喪失や事故の予防
運用効率化
データに基づく飛行計画により、テスト飛行の回数を大幅削減
経済性向上
最適ルート選定による飛行時間とバッテリー消費の最小化
法規制対応
飛行申請に必要な通信環境エビデンスの提供
今後の展開
今後は5Gネットワークへの対応拡大、機械学習を活用した飛行経路の自動最適化システムの実装、リアルタイム電波予測機能の追加など、技術革新を継続的に進めていく計画である。
物流革命、社会インフラ維持、防災・減災など、社会課題解決に向けたドローン活用の基盤技術として、サービスの高度化を推進していく。
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出典
