エアロネクスト社、和歌山市でDID(人口集中地区)を含むルートでのレベル3.5飛行を日本初実施。都市部からのドローン定常配送モデルへ
株式会社エアロネクスト(本社:東京都渋谷区、代表取締役社長グループCEO:田路 圭輔)(以下、エアロネクスト社)、株式会社NEXT DELIVERY(本社:山梨県小菅村、代表取締役:田路 圭輔)(以下、NEXT DELIVERY社)は、2025年11月4日(火)に、和歌山市でDIDを含むルートでのレベル3.5飛行の運航体制の構築と医療機関を拠点としたドローンを活用した買い物支援や地域経済の活性化に向けた実証実験を実施した。
目次
和歌山市でのDID(人口集中地区)を含むルートでのレベル3.5飛行実施について

写真向かって左より宇都宮病院 副理事長 宇都宮越子 氏、宇都宮病院 理事長 院長 宇都宮宗久 氏、和歌山市長 尾花正啓 氏、参議院議員 ドローン議連会長代理 鶴保庸介 氏、国土交通省航空局 安全部無人航空機安全課長 江口真 氏、経済産業省製造産業局 次世代空モビリティ政策室長 古市茂 氏、エアロネクスト株式会社 代表取締役社長グループCEO/NEXT DELIVERY 代表取締役 田路圭輔 氏
今回の実証実験はDIDを含むルートでのレベル3.5飛行の日本初実施である。
レベル3.5は、2023年12月に規制緩和の方針のもと国交省により新設されたドローンの飛行レベルで、NEXT DELIVERY社が同年12月11日に新設後の日本での初飛行を上士幌町で実施した。
このレベル3.5初飛行から約2年の時を経て、今回DIDでの飛行が実現。
都市部からのドローンによる定常配送モデルの確立に向けた、ドローン配送の社会実装を後押しする歴史的な飛行となった。
経緯
これまでは、航空局標準マニュアル(機上カメラ装置により立入管理措置をとる目視外飛行-「レベル3.5飛行」等)(以下、本マニュアル)で「人又は家屋が密集している地域の上空では飛行させない」ことが要件とされていたため、本マニュアルを使用してのDID地区でのレベル3.5飛行ができなかった。
しかしながら、本マニュアルが10月29日に改正(詳細は国交省サイト内の航空局標準マニュアル(機上カメラ装置により立入管理措置をとる目視外飛行-「レベル3.5飛行」等を参照。)され、上述の記載の削除とともに、徹底した安全対策を講じることにより、日本初のDID地区におけるレベル3.5飛行が可能となった。
実証実験の意義

DID地区を飛行し宇都宮病院で調理された薬膳弁当を配送する物流専用ドローン<AirTruck>(宇都宮病院付近)

離陸前の物流専用ドローン<AirTruck>(写真手前)と監視カメラや警報機能を持つ安全措置のためのドローンスタンド®(写真右端)

物流専用ドローン<AirTruck>の機上搭載カメラ(FPV)からのDID地区上空を飛行する映像(宇都宮病院付近)

今回の取り組みは、都市近郊におけるドローン物流の現実的な社会実装モデルを全国に先駆けて構築し、全国の他自治体が抱える共通課題(買い物弱者問題、物流停滞)の解決につながる標準モデルとなりえるものである。
また、将来的な宇都宮病院を起点としたドローン配送網の構築は、食料支援から、往診時の医薬品や検体・血液・処方薬の迅速輸送へと展開し、高齢化社会における地域医療のラストワンマイル問題を解決するフェーズフリーな社会基盤ともなりえるものである。
エアロネクスト社とNEXT DELIVERY社は、これらの取り組みを通じて、都市部における安全で効率的なドローン物流の社会実装を推進し、物流革新による地域課題の解決に貢献していくとしている。
実証実験の背景と目的
現在、和歌山市郊外ではスーパーの撤退により高齢者を中心に買い物弱者が増加している。
山間部にある道の駅「四季の郷公園FOOD HUNTER PARK」では、宇都宮病院の調理施設で作られた地元食材を使ったお弁当が販売され、高齢者にも人気商品となっている。
しかし、人手不足で道の駅への配送が滞り、販売機会の損失と地域経済の不活性化が生じている。
この問題を解決するためには、単に人手を増やすだけではなく、ドローンなどのスマート物流技術を活用して配送の仕組みを効率化・自動化する必要がある。
ドローンによる定期配送が実現すれば、道の駅で地元のお弁当を安定供給できるようになり、買い物弱者への支援と地域経済の活性化が同時に実現可能となる。
このような背景を踏まえ、今回、DID地区と山間地域を結ぶドローン飛行ルートの構築とそれを活用した配送の仕組み作りで、省人化・配送の効率化を実現し、宇都宮病院の調理施設で作られる地元食材を使った薬膳弁当を配送することで、人手不足の解消、販売機会の損失の防止、そして買い物弱者支援と地域経済の活性化を同時に図ることを目指している。
また、DID内の病院を拠点とすることで、食品配送で確立されたモデルは、将来的に医療分野への応用が期待される。
実施内容

今回DIDレベル3.5で飛行したルート(Google Earthをもとに株式会社NEXT DELIVERYが作成)

カメラによる遠隔監視とドローンの離陸、着陸を知らせるアナウンス機能をもつ株式会社エアロネクスト開発のドローンスタンド®(宇都宮病院駐車場内設置)
DIDからの離発着を含むレベル3.5の運航(日本初)を実施し、実用段階に近い形でドローン物流の導入と検証を目指す。
飛行ルートと配送の流れ
和歌山市内の宇都宮病院(DID内)から「道の駅 四季の郷公園FOOD HUNTER PARK」へ宇都宮病院が作る地元食材を使った薬膳弁当を飛行距離片道約4.3㎞を約10分かけて配送。
DIDの今回のルート上における距離は250m。
機体はエアロネクストが開発した物流専用ドローンAirTruck*4を使用し、宇都宮病院調理施設内に位置するリモートパイロットによる自動遠隔運航により、「道の駅 四季の郷公園FOOD HUNTER PARK」の駐車場に置き配し、その後ドローンは離陸側の宇都宮病院へ帰還。
*本実証実験はNEXT DELIVERY社が令和7年度 和歌山市スマートシティ実証実験サポート事業に採択されたことを受け、実施するものである
*エアロネクスト社およびエアロネクスト社のロゴ、NEXT DELIVERY社、並びに「4D GRAVITY(R)」「ドローンスタンド(R)は、株式会社エアロネクストの商標である
*その他、このプレスリリースに記載されている会社名および製品・サービス名は、各社の登録商標または商標である。
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出典
