三井不動産とKDDIスマートドローン社、日本初となる高層ビル屋上でのAIドローンの遠隔飛行実証実験を実施

三井不動産株式会社(本社:東京都中央区、代表取締役社長:植田俊)(以下、三井不動産)とKDDIスマートドローン株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:博野雅文)(以下、KDDIスマートドローン社)は、2025年11月13日に実施された避難訓練に合わせ、日本橋三井タワー屋上において、大規模災害時における上空からの情報収集を目的とした、AIドローンの遠隔飛行実証実験(以下、本実証)を実施した。
都心エリアにおいて、高層ビル屋上でのAIドローンの遠隔飛行実証実験は日本初の取り組みとなっている。

高層ビル屋上でのAIドローンの遠隔飛行実証実験について

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屋上に設置した「Skydio Dock for X10」

本実証では、首都直下型地震などの大規模災害発生時を想定し、自動充電ポート付きドローン「Skydio Dock for X10」および衛星通信「Starlink Business」を屋上に設置。
屋上からの自動離陸・着陸や広域映像の撮影を行い、有事における日本橋周辺エリアでの情報収集の有効性が検証された。

三井不動産は、2019年に発表した「日本橋再生計画 第3ステージ」の「新たな産業の創造」において、「モビリティ」を戦略領域として位置づけている。
ドローンは次世代のモビリティとして、迅速な被災状況把握や救援物資の配送・避難誘導などの役割が期待されており、日本橋エリアの防災機能強化のためドローンの実装を検討されてきた。

また、KDDIスマートドローン社は、ドローンポートを日本中に1,000カ所設置することで、日常と災害などの非常時を問わず、どこでも10分でドローンが遠隔操縦で駆付け可能となるドローンの社会基盤化を目指しているという。
両社は、本実証を通したドローンの有効性検証を元に、安心・安全な街づくりを推進し、社会全体のレジリエンス向上に貢献していくとのことだ。

本件のポイント

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飛行の様子

・日本橋三井タワー屋上にドローンポートを設置し、災害時を想定したドローンの遠隔自動飛行の実証を実施
・ドローンの自動撮影により、日本橋周辺エリアにおける被災情報を広範囲かつ高精度で取得可能か検証
・高層ビル屋上でのAIドローンを用いた遠隔飛行実証実験は日本初の試み
・将来的に他エリアにも展開することで、都内上空からのドローン飛行による街の防災機能向上を目指す

本実証の概要

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実証実験イメージ

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飛行制御画面

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ドローン視点の撮影画像

日本橋三井タワー屋上に、自動充電ポート付きドローン「Skydio Dock for X10」、「Starlink Business」を設置。
2025年11月13日に実施された避難訓練に合わせ、災害時を想定した遠隔自動飛行の実証実験が行われた。

実証日
2025年11月13日

実証場所
日本橋三井タワー 屋上
中央区日本橋室町2丁目1−1

実施内容
災害時を想定し、自動充電ポート付きドローン「Skydio Dock for X10」および「Starlink Business」を日本橋三井タワー屋上に設置、遠隔自動飛行による周辺状況の撮影を実施。
※ドローンは日本橋三井タワー屋上範囲内にて、垂直方向の飛行に限る

成果
・迅速な被災状況把握
屋上に設置されたSkydio Dock for X10を利用することで、遠隔からの飛行指示・自動撮影により、建物・道路・人流の状況を上空から広範囲に把握可能であることを確認。

・通信環境の確保
地上通信網の途絶が想定される状況下でも、衛星通信「Starlink Business」により、安定した映像伝送が可能であることを確認。

今後
首都直下型地震などの大規模災害発生時において、三井不動産では収集したデータを自社関連施設および周辺の状況把握に生かし、さらに関係機関に共有・連携することで、迅速かつ的確な救助活動や復旧活動に繋げることを目指すとしている。

今後の展望

三井不動産とKDDIスマートドローン社は、今後も連携を強化し、首都圏をはじめとする都市エリアでのドローン常設運用の有効性を検証するとともに、先端技術を活用した都市防災力の向上と、日本橋エリアのさらなる魅力向上に取り組んでいくとのことだ。

取得映像の取り扱いについて

本実証実験にて取得した映像の取扱いに関しては、次のとおり厳重に運用管理するものとする。

・特定の建物や人物にフォーカスしないよう十分に留意の上撮影している
・映像についてはアクセスを制限し、目的以外では使用しない

利用機器について

1.Skydio Dock for X10
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「Skydio Dock for X10」は、「Skydio X10」の自律飛行性能を最大限に引き出し、自動離着陸・自動充電による24時間365日の遠隔運用を可能にするドローンポート。
現場に作業員を配置することなく、遠隔から安全かつ継続的にフライトを行えるため、平時のインフラ点検や巡視などの定期業務の効率化・省人化に加え、災害発生時には人が立ち入れない環境でも迅速な状況把握を実現する。

KDDIスマートドローン社は、その運用を包括的に委託できるサービスとして遠隔運航サービスを提供し、ドローンポートの社会基盤化を推進している。

スペック詳細
【総重量】
109kg(240ポンド)

【サイズ】
86.6cm(L)×95.7cm(W)×140.9cm(H)(with base)

【入力電圧】
100〜240V(AC)50/60 Hz

【動作温度】
-20℃ ~ 50℃

【防塵防水性能】
ルーフオープン時 – IP54
ルーフクローズ時 – IP56

【離陸までの所要時間】
20秒

2.Starlink Business
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Starlink Business

Starlink Businessは、光回線の敷設が困難な地域や海上などの通信不感地帯において高速通信を可能とする衛星通信ブロードバンド。
Skydio Dock for X10とセットで利用することにより、山間部など通信確保が難しいエリアでもドローンポートの運用(遠隔飛行制御、データ送受信等)を実現する。

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出典

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