オーガイホールディングス社、世界初、災害時に義歯をドローンで運ぶ実証実験を11月26日に、鎌倉ドローンフィールドにて実施予定

オーガイホールディングス株式会社(以下、オーガイホールディングス社)は、2025年11月26日に、鎌倉ドローンフィールド(小泉園)にて、義歯をドローンで輸送する世界初の実証実験を行う。 この取り組みは、ドローン・アイティー株式会社、オーガイホールディングス社、および日本遠隔医療学会 歯科遠隔医療分科会(会長:長縄拓哉)の共同プロジェクトとして行われるもので、災害時の歯科医療支援を目的とした新しい医療物流モデルの構築を目指している。

災害時に義歯をドローンで運ぶ実証実験について

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試験会場の設営状況

・上下総義歯(デジタルデンチャー、総重量約50g)をドローンで輸送
・A地点からB地点までの自動航行・手動航行を比較
・目視範囲内および目視外飛行(BVLOS)を検証
・災害時を想定したラストワンマイル配送のシナリオ評価

背景と目的

大規模災害の発生時には、避難生活を送る高齢者のうち約5人に1人が義歯を紛失するといわれている。
義歯を失うことは、咀嚼機能の低下のみならず、誤嚥性肺炎のリスク上昇や栄養障害、さらには認知機能の低下にも直結する深刻な問題である。
デジタルデンチャー技術や医療MaaS(移動型歯科医療)の発展により、現地で迅速に義歯を再製作できる体制が整いつつあるが、「どうやって川の向こう側に届けるか」といった輸送面での課題は依然として残されている。

本実証では、ドローンを活用した医療物資(義歯)の配送を通じて、その有効性が検証される。
これにより、災害時や医療過疎地における新たな医療支援インフラの可能性を探ることを目的としている。

義歯をドローンで運ぶ意義

義歯は「命を支える生活医療機器」である。
たとえ小さな義歯であっても、それを必要とする人にとっては<食べる・話す・笑う>という人間の尊厳に深く関わる大切な存在である。

ドローンによる義歯輸送は、単なる物流の実証実験ではなく、医療とテクノロジーが連携し、人々の暮らしを守るための新たな挑戦である。
歯科医療が地域防災や在宅医療と結びつくことで、あらゆる状況下においても「食べる力」を支える体制の構築を目指すとしている。

実証概要

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義歯輸送に使用するドローンの飛行試験の様子

実施日
2025年11月26日(水)

実施時間
13:00開始

実施場所
大船飛行場(鎌倉ドローンフィールド)
神奈川県鎌倉市城廻130

主な関係者

主催・運営
オーガイホールディングス社

運営支援
ドローン・アイティー株式会社
https://www.drone-it.jp/company/profile/

共同実施
日本遠隔医療学会 歯科遠隔医療分科会

実験監修
長縄 拓哉氏(歯科医師・医学博士・二等無人航空機操縦士、JUIDA認定)

日本遠隔医療学会 歯科遠隔医療分科会会長 長縄拓哉氏のコメント

義歯を運ぶというと小さな試みに見えますが、その背後には<命をどうつなぐか>という大きな問いがあります。
災害時や離島など、医療が届きにくい場所でも、歯科医療にできることがあるはずです。
医療者がドローンを扱う意義を、この小さな一歩をきっかけに皆で考えられたらと思います。

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出典

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