NTT東日本ら3社、神奈川県内の公共下水道管路にてドローンの飛行検証を実施

株式会社NTT e-Drone Technology(代表取締役社長:滝澤 正宏)(以下、NTTイードローン社)、株式会社エヌ・ティ・ティ エムイー(代表取締役社長:池田 敬)(以下、NTT-ME社)、NTT東日本株式会社 神奈川事業部(執行役員 神奈川事業部長:相原 朋子)(以下、NTT東日本)の3社は、神奈川県内の自治体が管理する公共下水道管路において、点検に資するドローンの飛行検証を実施した。 老朽化が進む下水道管路では、作業員の安全確保や点検効率の向上が課題となっている。 今回の取り組みは、こうした課題解決に向けた新技術の検証を目的としたものとなっている。

神奈川県内の公共下水道管路でのドローンの飛行検証について

イメージ画像
Flyability社製「ELIOS 3」(非GNSS環境での飛行に強い屋内用ドローン)

イメージ画像
Skydio社製「SkydioX10」(点検・防災用途に活用しているオールラウンドドローン)

近年、日本各地で下水道管の老朽化を原因とする道路の陥没事故が発生している。
2025年1月には埼玉県八潮市で大規模事故が発生し、人的被害や長期復旧を伴う深刻な事態となった。
下水道管路の点検の重要性が高まっているなか、従来の人による目視点検は、有毒ガス(硫化水素)中毒や酸素欠乏症等の危険が懸念される箇所や、高所での作業負荷が課題となっている。

また、カメラロボット等による点検も構造上の制約や流下量等により十分な対応が難しいのが現状である。

そこで、安全性と効率性を両立する新たな点検方法として、ドローンによる点検が飛行安定性・安全性・効率性・通信環境といった観点から有効に機能するか、多角的な技術検討が行われた。
また、当日は実際に点検作業を実施している自治体職員が立ち会い、現場における技術の適用性や点検作業の効率化・有効性を確認した。
なお、下水道管でドローンを飛行させる取り組みはNTT東日本グループ初となる。

本実証では、Flyability社が開発した非GNSS環境下の屋内空間などの飛行特性に優れた屋内用ドローンである「ELIOS 3」、およびNTT東日本グループでも点検・防災用途に活用しているオールラウンドドローンである「Skydio X10」を使用。
ドローンを飛行させ取得したデータについては、より効率的に損傷箇所を判断するためのサポートツールとしてNTTイードローンが開発・販売中のAIサービス「eドローンAI」のアルゴリズムを下水道管にも適用、損傷箇所を自動判定する試行検証も実施された。

実証概要

実証日
2025年10月20日(月)、10月31日(金)

実証場所
神奈川県内の公共下水道施設 計3箇所

・雨水貯留管2箇所
・汚水幹線1箇所

実証内容
検証①:ELIOS 3を用いた汚水管渠の点検飛行(Φ3,000mm)
検証②:SkydioX10を用いた雨水貯留管の点検飛行(Φ10,000mm)
検証③:「eドローンAI」を用いた損傷箇所のAI解析

各社の役割

株式会社NTT e-Drone Technology:ドローンの選定、運用、操縦、AI解析を担当
株式会社エヌ・ティ・ティ エムイー:飛行支援、通信状況や取得情報の確認を通じた運用支援を担当
NTT東日本株式会社 神奈川事業部:全体統括として実証計画策定、体制構築、現場調整、技術連携を担当

実証結果

主な成果

狭隘・暗所でも安定飛行が可能:曲がり角を含む約150mの飛行に成功

高精細映像取得:ひび割れなどを鮮明に確認

高精度なAI解析の実現:人力点検と同等レベルで損傷箇所を検出

安全性・効率性の向上:作業員が管内に入らず短時間で広範囲を点検可能

検証①の結果

イメージ画像
マンホールから進入するELIOS 3

イメージ画像
施設建屋内 BOX部から投入するELIOS 3

イメージ画像
マンホールから降下するELIOS 3

イメージ画像
ELIOS3により取得した点群データ

狭隘かつ暗所である下水道管内においても安定飛行することを確認された。
また、高輝度LEDライトと高解像度カメラにより管内の状況を鮮明にとらえることができたとのことだ。

独自の電波増幅器である「Range Extender」を活用したことで、従来では難しかった下水道管内における直角に屈曲した構造の箇所を2箇所通過することに成功。
屈曲部2箇所を含め、直線距離で約150m飛行することに成功している。
また、マンホール上の地上から操縦者がELIOS 3を操縦した状態でも安全・安定に飛行し鮮明な映像を撮影することが可能なことを確認されている。

検証②の結果

イメージ画像
貯留管を飛行するSkydioX10

イメージ画像
飛行時の様子

ドローン自体がもつ独自の技術により、地下空間かつ暗所であってもSkydioX10が安定飛行することを確認。
特に前例がほとんど存在しなかった、下水道管(雨水管)内においてSkydioX10を適用した点検飛行及び鮮明な映像を撮影することが可能なことが確認された。

検証③の結果

イメージ画像
AI解析前

イメージ画像
AI解析後

イメージ画像
AI解析前

イメージ画像
AI解析後

「ELIOS 3」と「Skydio X10」で撮影した画像について「eドローンAI」を用いて解析を行った結果、「ひび割れ」を高い精度で検出or軸方向と円周方向に伸びるひび割れを検出することに成功した。
過年度点検調書との比較した場合でも、人の目で確認する場合と遜色ない結果が得られた。
これにより、人の目で損傷箇所を発見する労力が低減されるとしている。

今後の取り組み

NTT東日本グループは、本検証結果を踏まえ、神奈川県内および全国の自治体・下水道点検事業者に対し「ELIOS 3」や「Skydio X10」等をはじめとする最先端ドローンの導入支援を強化し、AI等を含めた新技術活用による下水道点検・地下設備点検における課題解決に取り組んでいくとしている。

ーーーーー

出典

関連記事

KDDIスマートドローン社、北海道新十津川町役場にドローンポートを常設。クマ出没時の遠隔監視運用を開始

KDDIスマートドローン株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:博野 雅文)(以下、KDDIスマートドローン社)は、北海道新十津川町(町長:谷口 秀樹)(以下、新十津川町)の新十津川町役場の屋上にドローンポート『Skydio Dock for X10』を常設し、運用を開始した。

  Fuji

JR西日本とTRIPLE7社、北陸新幹線区間における大型物流ドローンを活用した資機材搬送実証実験を実施

株式会社TRIPLE7(本社:東京都渋谷区)(以下、TRIPLE7社)と西日本旅客鉄道株式会社(本社:大阪府大阪市北区)、ジェイアール西日本商事株式会社(本社:大阪府吹田市)は、2025年12月19日、北陸新幹線(越前たけふ〜敦賀)区間において、大型物流ドローンを活用した資機材搬送の実証実験を連携して実施した。

  Fuji

テレビ朝日とKDDIスマートドローン社、災害報道への活用に向けてドローンポートを用いた実証を開始

株式会社テレビ朝日(本社:東京都港区、代表取締役社長:西 新)(以下、テレビ朝日)とDDIスマートドローン株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:博野 雅文)(以下、KDDIスマートドローン社)は、ドローンポートを活用した遠隔操作による災害報道の実現に向けた取り組みを開始することを発表した。 本取り組みを通じて得られた知見をもとに、今後は石川県能登半島全域、さらには全国へ配備が進むドローンポートを活用した広域的な災害報道ネットワークの構築を目指していくとしている。

  tera

「紙ドローン」を全国の教育現場へ。CAMPFIREで目標金額303%を達成し、「クラフトドローンコミュニティ」を正式スタート

韓国発の<紙>ドローン「COCODRONE(ココドローン)」の日本総代理店である株式会社Binarity Bridge(本社:大阪市北区 代表取締役:金陽信)(以下、Binarity Bridge社)は、日本全国における<紙>ドローンのワークショップの実施を目指し、ドローンスクール・プログラミング教室・美術教室などを対象としたパートナーおよびアンバサダーを募る「クラフトドローンコミュニティー」を開始した。

  tera

人が巡回する時代から「ドローン×AI」の時代へ。日本ドローンビジネスサポート協会、ドローン自動監視サービス開始

一般社団法人日本ドローンビジネスサポート協会(所在地:岡山県、代表理事:森本宏治)(以下、日本ドローンビジネスサポート協会)は、DJI Dock3およびDJI FlightHub 2を活用した「ドローン自動監視サービス」を開始した。 本サービスは、太陽光発電施設における窃盗被害対策や、自治体向けの不法投棄監視など、広範囲の監視業務を無人化・自動化し、安心・安全な地域社会の実現へ貢献していくとしている。

  tera