鳥取の海を学ぶワークショップ『海からのSOS!~鳥取の海とプラスチックごみ問題~』が鳥取砂丘にて、11月10日に開催
一般社団法人 海と日本プロジェクト in とっとりは、鳥取市立福部未来学園の子どもたちを対象に『海からのSOS!~鳥取の海とプラスチックごみ問題~』を開催した。 本イベントは、日本海に面した自然の象徴であり、海と陸のつながりを実感できる鳥取砂丘で、『鳥取の海とプラスチックごみ問題』を学ぶイベント。 子どもたちは海洋ごみがどこから来て、どんな影響を与えているのかを実際に見ながら理解し、地域の自然を守ることの大切さを学んだ。 なお本イベントは、次世代へ豊かで美しい海を引き継ぐために海を介して人と人とがつながる『日本財団「海と日本プロジェクト」』の一環として開催された。
目次
ドローンで挑む!子どもたちが学ぶ『海洋ごみ回収の新しい形』

子どもたちは本イベントで、最大25㎏までの荷物を運べる大型ドローンを使った「漂着海洋ごみ回収」について学習。
当日は、実際にドローンを飛行させてごみを運搬する予定だったが、強風のため映像で学習を実施することとなった。
イベントでは、実際の回収映像を見ながら、ドローンがどのように海洋ごみを運び出しているのかを体験的に学習。
このドローンは、人が近づきにくい入り組んだ磯場など、これまで回収が難しかった場所でも活躍しており、環境保全の新しい力として注目されているという。

子どもたちは、最先端の技術を通して身近な海の環境問題を真剣なまなざしで学び、海を守る大切さを実感していたという。
鳥取砂丘で海洋ごみを学ぶ!――子どもたちが体験した“ごみ運びの現実”

さらに、鳥取砂丘で子どもたちが実際に漂着ごみを拾いながら『海洋ごみ問題』について学習。
拾い集めたのは、ペットボトルや発泡スチロール片、古い漁具など、日常生活や海の活動から出たさまざまなごみ。
見た目には美しい砂丘にも、よく探すと多くのごみが落ちていることに子どもたちは驚いた様子だった。
さらに、回収したごみを人の手で運ぶ体験も実施。
砂地を歩いて運ぶのは想像以上に大変で、回収地点から運搬場所まで片道およそ20分もかかったという。
一方で、同じ距離を大型ドローンが運ぶと、わずか3分で完了。
人力とドローンの違いを体感した子どもたちは、「こんなに早いなんてすごい!」と驚きの声を上げていたとのことだ。
この体験を通じて、子どもたちはごみ問題の深刻さと、テクノロジーが環境保全に果たす可能性を実感したようだ。
マイクロプラスチックから外来種まで――ごみが生態系に与える影響を学ぶ

子どもたちは、生物多様性アドバイザーの小宮先生から、実際に回収されたごみを使って環境問題について学習した。
授業では、プラスチックごみが時間の経過とともにどんどん細かくなり、最終的には『マイクロプラスチック』となって海の生き物の体内に残ってしまうことを教わった。
また、海に漂うビニール袋をウミガメがクラゲと間違えて食べてしまうこと、ごみに付着した生物が外国へ運ばれ、外来種として生態系に影響を与えてしまうことなど、身近なごみが引き起こすさまざまな環境問題について理解を深めた。
参加した子ども・講師からの声
子どもたち
・プラスチックが小さくなって魚のおなかに入って、いずれ人間に帰ってくる事を知って絶対にプラスチックのごみを捨ててはいけないと思いました。
・ウミガメがビニール袋をクラゲとまちがえて食べちゃう話を聞いて、ちゃんとごみを分けようと思いました。
・ポイ捨てをされたごみが外国まで運ばれて、外来種として他の国の植物や動物がいなくなってしまう可能性がある事を初めて知りました。
・ドローンまで使ってごみを回収しようとすることを知り、これからは色んな最新技術を使ってごみを集めて行く必要があると思いました。
生物多様性アドバイザー 小宮氏
子どもたちが身近な環境問題に対してしっかりと考え、自分ごととして受け止めている姿にとても感動しました。
プラスチックごみが魚の体内に入り、最終的には私たち人間にも影響が及ぶことを理解し、「絶対に捨ててはいけない」と強く感じてくれたことは、大変心強いです。
また、ウミガメがビニール袋をクラゲと間違えて食べてしまう話に胸を痛め、正しいごみの分別を意識するようになったことは、未来の環境保全にとって大きな一歩です。
さらに、ポイ捨てされたごみが国境を越えて外来種を広げてしまうことを初めて知り、環境問題が世界的な課題であることを実感した様子も印象的でした。
ドローンなどの最新技術を活用してごみ回収に取り組む姿勢にも触れ、これからの社会に必要な知識と技術の融合を理解してくれたことを嬉しく思います。
子どもたちがこれからも主体的に環境問題に向き合い、行動してくれることを期待しています。
イベント概要
日程
2025年10月10日(月)
開催場所
鳥取砂丘
参加人数
21名(鳥取市立福部未来学園4年生)
協力団体
一般社団法人日本ドローン海岸漂着ごみ回収事業推進協会
鳥取砂丘ビジターセンター
生物多様性アドバイザー(小宮先生)
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出典
