DGDV、蚊を物理的に駆除する自律型マイクロドローン「Tornyol」に投資。同社によるYCombinator発スタートアップへの投資は37件目に
株式会社DG Daiwa Ventures(本社:東京都渋谷区、以下、DGDV)が、公衆衛生における長年の課題である蚊の問題を解決するマイクロドローンシステムを提供するTornyol, Inc.(本社:米国カリフォルニア州、CEO:Clovis Piedallu)(以下、Tornyol社)へ、YCombinatorにて出資した。
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これまで人類の歴史において、蚊はマラリア、デング熱、ジカ熱などを媒介し、公衆衛生上の脅威であり続けてきた。
世界人口の約半数にあたる40億人がデング熱のリスクに晒されている中、従来の殺虫剤散布などは環境負荷が高く、費用対効果も低いという課題が存在した。
Tornyolの特徴

Tornyol(https://tornyol.com/)は、家庭や特定のエリアを24時間体制でパトロールし、蚊を物理的に迎撃・粉砕する自律型マイクロドローンシステム。
Tornyol社は、スマートフォンに使われるマイクや駐車支援に使われるセンサーといった安価かつ生産ラインの安定した既製部品と、高度なDSP(デジタル信号処理)を組み合わせることで、わずか40グラムのドローンを、高性能な蚊の駆除装置へと変貌させた。
Tornyolのシステムは『Set it and forget it』をコンセプトとしており、ユーザーが手動でバッテリーを交換したり充電したりする必要がないのが特徴。
ドローンは自律的に蚊の駆除を行った後、自らベースステーションに戻り、再充電されるため、人が介入することなく蚊のいない快適な空間を確保することが可能となる。
独自の技術により、安価かつ軽量な設計に成功
Tornyolは蚊の翼の拍動から生じるマイクロドップラー署名をリアルタイムで解析することで、蚊の種類や位置を正確に特定。
ターゲットを認識すると、独自の制御アルゴリズムに従って高速で接近し、プロペラで蚊を粉砕する。
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創業者は、以前は欧州のミサイルシステム企業MBDAで誘導・制御技術の研究に従事したバックグラウンドを持ち、高度なハードウェア制御の知見も活かして、Tornyolはわずか10機のドローンで1平方㎞の蚊を根絶し、駆除コストを従来の100分の1に削減可能な技術を開発しているとのことだ。
今後の展望
Tornyolは現在、米国のアーリーアダプター向けのプレオーダーを開始しており、今後は政府機関やNGOとも連携し、マラリア流行地域などへの応用も計画しているという。
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出典
