国際ドローン協会、約1,000Haの農地をドローンによる空中散布の実施成功を発表(千葉県東庄町)

一般社団法人国際ドローン協会(本社:東京都江東区、代表理事:榎本幸太郎)(以下、IDA)は、千葉県東庄町において、約1,000ヘクタールの農地で日本初の試みとして、有人ヘリコプターからドローンの空中散布への全面切り替えを実施した事を発表した。

空中散布作業の詳細

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IDAの発表によると、今回の千葉県東庄町での取り組みの実施期間は、7月13日から7月23日まで。
従来、延べ152名以上の人員を要していた大規模散布の準備と運営がわずか延べ58名で可能となった他、約1,000ヘクタールの農地を4機のドローン(12人)でカバーすることができ、省力化を達成できたとのこと。
この取り組みは、少子高齢化による農業人口の減少を食い止めるため、農業の機械化と高効率化を目指した重要なステップになるとしている。

有人ヘリコプターからドローンへの全面切り替えは全国初の事例となる。(IDA調べ)
IDAでは、「超精密散布」を長年行っており、散布する圃場だけにピンポイントで必要な薬剤量を散布することで、薬剤のドリフトを極力減少させ、環境負荷を低減させる取り組みをしている。

ドローンを導入することにより、散布費も全体で大きなコストダウンが見込める。
東庄町の散布料金は、一反部(10a)あたり薬剤と工賃込みで周辺地域よりも1,000円以上安価に提供できるようになった。
農業に関わるあらゆる物価が高騰する中、技術を活用することでコストダウンを実現するこの試みは、農業の未来を大きく変える可能性を示しているとしている。

国際ドローン協会の代表理事でありドローンパイロットでもある榎本幸太郎 氏は、1機のドローンで1日で103ヘクタールの散布を実現することで、従来の無人ヘリコプター以上の性能を示した。
ドローンは広範囲の作業性能が無人ヘリコプターに劣るとされていましたが、その説を覆し、103ヘクタールのエリアを1機のドローンと3名のスタッフで散布作業を終える事に成功した。
今回の大きな転換期となるドローンの社会実装は、有人機や無人ヘリをドローンが凌ぐポイントがあるということを示すことができました。

榎本氏のコメント

東庄町はドローンを本気で活用しようとしている全国でも前例のない自治体です。
ドローンでは散布能力が低いと未だにドローンによる散布をしない地域も多い中、東庄町は真剣に私のドローン導入を後押ししてくれました。

私は実証実験だけでなく社会実装にこだわってドローンの仕事をしてきました。
東庄町はそれを惜しみなく後押ししてくれ、住民の方も理解を示してくれています。

特に全面協力して頂いた東庄町の岩田町長はじめ、東庄町まちづくり課農政係の協力には本当に感謝しています。

空中散布作業を支えた周辺機器

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今回の大規模散布を実施するにあたり、ドローン業務に特化した車両が必要になったという。
新明工業株式会社(本社:愛知県豊田市衣ヶ原3-20、取締役社長:近藤恭弘)とIDAが共同開発を行ったドローン業務専用車両(ドローンポーター™︎)を使い、大規模散布を実施された。

IDAは、ドローン業務に特化した車両の必要性は業界内でもあまり論じらてこなかったが、これからのドローン業務では新明工業株式会社が製造と設計を行うドローン業務専用車両(ドローンポーター™︎)が必要になるだろうとしている。

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出典

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  ドローンガイド編集部