KDDIスマートドローンが描く未来:ドローンが変える私たちの生活

空飛ぶロボットが私たちの生活を劇的に変える!
皆さんは、空を自由に飛び回るドローンが、私たちの生活をどのように変えることができるか想像できますか?SF映画の世界でしか考えられなかったことが、今後、現実になるかもしれません。今回は、そんなドローンの可能性を最大限に引き出し、私たちの未来を革新しようとしている「KDDIスマートドローン株式会社」の取組みについて、同社事業企画部小川部長にインタビューを行いました。

KDDIスマートドローン株式会社とは?

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出典:KDDIスマートドローン

KDDIスマートドローン株式会社は、KDDIのスピンオフベンチャーとして誕生した会社です。「叶えるために、飛ぶ」というコンセプトを掲げ、通信技術とドローン技術を融合させ、より高度で安全なドローンソリューションを提供し、企業の様々な現場の課題解決を叶えるために事業を行う、ドローン業界のリーディングカンパニーです。
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小川部長は、「5GやStarlinkなどKDDIの通信の強みとドローンを組み合わせて、労働力不足やインフラの老朽化、激甚化する災害などの社会課題の解決に取り組むことが当社の存在意義だと考えています」と力強く語ります。

SkydioX10で夜間・暗所飛行も可能に!

KDDIスマートドローンは、米国ドローンメーカーSkydio,Incと提携し、AIドローンとして注目度の高いSkydio X10を日本国内で取り扱いしている。Skydio X10は、高性能カメラを搭載した自律飛行型ドローンとして注目されていますが、中でも特徴的なのが暗闇での飛行が可能という点です。

小川部長は、「 「Skydio X10」は、Skydio製ドローンの特徴である非GPS環境下での安定飛行に加え、カメラ性能を大幅に進化させ、NightSenseモードにより暗所飛行を実現するとともに、上空モバイル通信対応により飛行範囲の拡大が可能となります」と述べます。

▼Skydio X10を用いたトンネル内の暗所点検の実証実験の様子

上空電波でドローンの飛行範囲が広がる!

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出典:KDDIスマートドローン

KDDIスマートドローンが提供するサービスの最大の特徴一つに、上空電波を活用したサービスがあります。従来のドローンは、基本的に操縦者からのWi-Fi電波が届く範囲でしか飛行できませんでしたが、今後は、スマホと同じようにSIMカードをドローンに挿入することで、2.4GHzの信号が届かない、広域な場所や複雑な遮蔽構造物が多いエリアなどでもドローンとの通信操作ができるようになります。

KDDIスマートドローンでは、ドローン専用の「上空電波パッケージ」を提供することで、ドローンの長距離飛行や遠隔飛行の普及に力を入れています。

小川部長は、「ドローン×上空電波を活用することで、これまで難しかった広域飛行や遠隔飛行、遮蔽構造物が多いエリアでの飛行を実現できることで、ドローンによる点検や監視、物流の可能性が広がると考えています」と展望を語ります。

2024年は上空電波でドローンの潮目が変わる年に

先にお伝えした通り、上空電波によりドローンの可能性は大きく広がります。しかし、それには上空電波に対応した機体が必要になります。
各メーカーが対応機種をリリースしており、今後ますます対応機種が増えていくようです。
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小川部長は「今年は、米国のSkydio社のAIドローン「Skydio X10」をはじめ、様々な機体が上空電波に対応していき、「ドローン×上空電波」がより身近になる年になると考えています。」と語ります。

Starlinkで広がる可能性

また、KDDIスマートドローンではStarlinkによる衛星インターネットの活用も行っています。KDDIの電波網でカバーできない無人地域や山間部などでも、Starlinkとの連携により、ドローンの遠隔飛行(点検・巡視)が可能となります。

将来的には、機体とStarlinkとの直接通信を展望しており、これによりドローンの可能性はさらに広がっていきます。

▼下記動画はStarlinkを利用した砂防ダムの遠隔巡視の実証実験映像

自動充電ポート付ドローンによる自動飛行!

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出典:KDDIスマートドローン提供

KDDIスマートドローンは、自動充電ポート付ドローンの社会普及にも力を入れています。ドローンポートを設置することで、ドローンの格納・自動充電、飛行指示を遠隔地から行うことが出来るため、インフラ点検や災害発生時の状況把握や、避難の呼びかけなど、幅広い活躍が期待されています。
ドローンは自動飛行による点検・巡視を終えると自動でポートに帰還し、ドローン運用の省人化が可能になります。

実際にドローンポートを利用した離発着シーン

このように、無人で離発着が可能な為、遠隔地からでも点検などの業務や災害発生時の情報収集にも活躍が期待されます。

ドローンが描く未来

KDDIスマートドローンのソリューションは、企業の現場保守のみならず、私たちの生活を大きく変える可能性を秘めています。

インフラ点検: 橋梁、トンネル、送電線などの老朽化が進むインフラ点検
災害対応: 災害発生時の迅速な現場駆けつけ状況把握、救援活動
物流: 離島や山間部への物資輸送
小川部長は、「ドローン×上空電波、それによる遠隔自律飛行をはじめとする高度なドローン活用を通じて、労働力不足やインフラの老朽化、激甚化する災害などの社会問題の解決に、引き続き取り組んで参ります。」と力強く語りました。

まとめ

KDDIスマートドローンは、ドローン技術と通信技術を融合させ、社会課題解決に貢献するソリューションを提供しています。ドローンが私たちの生活をどのように変えていくのか、今後の動向に目が離せません。また、小川部長が仰ったように、2024年はドローンの上空電波対応が加速し、今後のドローン業界の変革に重要な年となりそうです。

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