RTK搭載のドローンは精度が高い?メリットやデメリットを詳しく紹介

撮影や計測など、さまざまなシーンで使用されているドローン。 中でもRTKを搭載したドローンは高精度であることから重宝されています。 本記事では、RTK搭載型ドローンのメリットやデメリット、おすすめの利用シーンを紹介します。 ドローンの導入を検討している方は、ぜひチェックしてみてください。

『RTK』とは

イメージ画像
出典:pixta.jp

ドローンを使用する際、正確な位置情報が非常に重要となります。
安全性を重視するなら、RTK搭載のドローンが正確な位置が把握できるためおすすめです。

であ、ここではRTK搭載しているドローンがどのような機体なのか紹介していきます。

相対測位と呼ばれる測定方法のこと

イメージ画像
出典:pixta.jp

RTKとは、Real-time kinematic(リアルタイムキネマティック)の略称。
既存の衛星測位システムから得た情報と地上に設置した基準局から得た情報を同時に送受信することで、測位の精度を高めている点が魅力です。

この測定方法は相対測位とも呼ばれており、2m程度の誤差が出てしまうGPSなどと比べ、正確さが求められる作業などで重宝されています。

単独測位との違いは?

イメージ画像
出典:pixta.jp

RTK搭載のドローンは相対測位を行いますが、一般的なドローンは単独測位という測定方法を採用しています。
単独測位とは、1つのGNSS受信機によって複数の衛星からの信号を受信し、測位する仕組みのこと。

スマートフォンやカーナビなどにも採用されている測定方法ですが、精度があまり良くないため2m程度の誤差が生まれてしまうことがあります。

ドローンでRTKを使う方法

イメージ画像
出典:pixta.jp

作業や撮影などで精度の高いドローンを使用したい場合は、RTK搭載のドローンを選ぶのがおすすめです。
ドローンでRTKを使うためには、RTKに対応しているドローンを用意するほか「RTK-GNSS」と「ネットワーク型RTK-GNSS」「高精度位置情報配信サービス」などを利用する必要があります。

ここではそれぞれの特徴を紹介します。

  • RTK-GNSS
  • ネットワーク型RTK-GNSS
  • 高精度位置情報配信サービス

RTK-GNSS

イメージ画像
出典:pixta.jp

RTK-GNSSは「Global Navigation Satellite System(グローバルナビゲーションサテライトシステム)」のこと。
この手法では、基地局と移動局の2点を同時に観測し、それぞれの位置情報を比較し測位します。

専用のデバイスがあれば簡単に使用できる一方、基地局がなければ使用できないという欠点があります。

ネットワーク型RTK-GNSS

イメージ画像
出典:pixta.jp

ネットワーク型RTK-GNSSは、全国1,300カ所に設置された電子基準点から仮想基準局を算出。
移動局とリアルタイムで通信して位置のズレを補正する測位方法。
広範囲の測定が可能で、基地局が近くになくても使用できるのです。

導入のコストはそれほどかかりませんが、VRS配信会社等と契約する必要があるので、月額料金がかかります。。

高精度位置情報配信サービス

イメージ画像
出典:pixta.jp

高精度位置情報配信サービスは大手携帯会社などが運営しているサービスで、電子基準点の固定局の位置情報や、ネットワーク型RTK-GNSSの補正情報などが確認できます。
インターネット環境があり、契約をすれば誰でも使えます。
ドローンのほか、ロボットの操縦やバスの料金システムなど幅広い分野で活用されています。

RTKドローンのメリット・デメリット

イメージ画像
出典:pixta.jp

RTKドローンのメリット

RTKドローンのメリットとして、高い精度で測量ができる点正確な自動航行が可能な点が挙げられます。

RTKドローンを使用することで、従来2m程度あった誤差が数cm程度まで無くせるのは大きなメリットです。
また、正確に測量や航行ができることで、作業時間も大幅に短縮できるでしょう。

さらに、RTKドローンにはアンテナが2本付いているため、高電圧線などの近くでも電波の影響を受けにくく正確な飛行が可能です。

RTKドローンのデメリット

RTKドローンのデメリットとして、コストがかかる点が挙げられます。
RTKドローンを使用するためには、RTK搭載のドローンが必要になります。

また「ネットワーク型RTK-GNSS」「高精度位置情報配信サービス」などを利用する場合は、VRS配信会社との契約料やインターネットの通信料を支払わなくてはいけません。

さらに、「RTK-GNSS」を使用する場合は、近くに基地局がないと使用できない点に注意しましょう。

RTKドローンに関するFAQ

ここでは、RTKドローンに関するよくある質問とその答えを紹介します。
RTKドローンについて悩んでいる方は、ぜひチェックしてみてください。

RTKドローンはどのようなシーンに向いている?

RTKドローンは、高精度での測量・航行を行いたいシーンで重宝されています。
また、誤差がほとんどないため、災害時や高所の点検など安全面が重視されるシーンにも適しているといえるでしょう。

RTKドローンの自作はできる?

RTKドローンの導入には、一般的に数百万円程度のコストがかかります。
しかし、GNSSアンテナやタブレット、モバイルバッテリーなどを組み合わせることで自作も可能。
RTKドローンを自作する際に必要なものは以下の通りです。

  • Ardusimple simpleRTK2B 
  • GNSS アンテナ
  • RN-42 Bluetooth 2mm 変換モジュール
  • Android タブレット
  • モバイルバッテリー

RTK搭載のドローンの活用で、より正確な情報を把握できる

イメージ画像
出典:pixta.jp

本記事ではRTK搭載のドローンの特徴やメリット、デメリットを紹介しました。
RTK搭載のドローンを活用することで、より正確な情報が把握できます。

測量や点検など、高精度なドローンが必要な方は、ぜひRTK搭載のドローンを検討してみてください。

関連記事

Insta360 Japan社の『Antigravity A1』、世界初の8K 360度全景ドローンとして「2025年度グッドデザイン賞」を受賞

飛行体験の再定義を目指すコンシューマー向けドローンブランドであるAntigravity(アンチグラビティ)は、初の製品となる世界初の8K 360度全景ドローン『Antigravity A1』が「2025年度グッドデザイン賞」を受賞したことを発表した。

  tera

紙でつくるドローン『COCODRONE』、クラウドファンディングがファーストゴール達成!プロジェクト支援者募集継続中

株式会社Binarity Bridge(本社:大阪市北区、代表取締役:金 陽信)(以下、Binarity Bridge社)は、韓国発の紙製ドローン『COCODRONE』を活用したクラフトドローンコミュニティ立ち上げのためのクラウドファンディングが、開始から1週間でファーストゴール50万円を達成したことを発表。 現在は次の目標として100万円を目指し、プロジェクト支援者を募集継続中となっている。

  tera

ツバサ・フロンティア社、4時間飛行可能な災害対応ドローン『Derd』と『小型大気観測ドローン』をCEATEC 2025にて公開を決定

株式会社ツバサ・フロンティア(本社:千葉県千葉市中央区新宿2丁目1番20号、代表取締役:田上 敏也)(以下、ツバサ・フロンティア社)は、2025年10月14日から17日の期間で幕張メッセにて開催される「CEATEC 2025」に出展。 災害対応向けハイブリッドドローン『Derd』と、環境測定用『小型大気観測ドローン』の2機種を実機展示することを発表した。 長時間飛行と低コストな環境測定により、地方自治体の防災業務や研究機関の大気観測における課題解決を目指す。

  tera

エアロネクスト社、4D GRAVITY®搭載の新型物流専用ドローン『PD4B-M-AN』を発表

株式会社エアロネクスト(本社:東京都渋谷区、代表取締役社長 グループCEO:田路 圭輔)(以下、エアロネクスト社)は、自社独自の機体構造設計技術4D GRAVITY®*1を搭載した新開発の物流専用ドローン『PD4B-M-AN』(以下、本機体)を愛知県名古屋市で2025年9月24日から開催された第4回ドローンサミットで発表した。

  tera

Zero Zero Robotics社、『HOVERAir AQUA』を発表!HOVERAir初となる100%防水セルフフライングカメラ登場

2025年8月22日、ドローン及びAI飛行カメラ分野のリーディングカンパニーZERO ZERO ROBOTICS(以下、Zero Zero Robotics社)は、100%防水セルフフライングカメラ『HOVERAir AQUA』を発表した。

  tera