エアロネクスト社とNewcom Group、モンゴル・ウランバートルでドローンによる緊急対応。輸血用血液輸送で2名を救命

株式会社エアロネクスト(東京都渋谷区、代表取締役CEO:田路圭輔)(以下、エアロネクスト社)とNewcom Group(モンゴル国ウランバートル市、CEO:B.Baatarmunkh)は、Newcom GroupのMSDD(Mongolia Smart Drone Delivery) 運航チームにより、2024年9月16日に実施された国立輸血センターとモンゴル国立医科大学付属モンゴル日本病院(以下、モンゴル日本病院)間のドローンによる緊急対応の血液輸送により、2名の命が救命されたことを発表した。

ドローン血液輸送が実施された背景

イメージ画像
 
今回の血液輸送は、日本モンゴル病院から手術用の血液が足りないとの緊急連絡を受け、エアロネクスト社がACSLと共同開発した日本発の量産型物流専用ドローン『AirTruck』により、片道4.75kmの距離を約13分で輸血用血液を配送したもの。

モンゴルでは、慢性的な渋滞や脆弱な道路インフラが重大な社会問題となっており、医療分野の物資輸送の面でも重大な課題となっている。
その課題解決のため、エアロネクスト社とNewcom Groupは、昨年11月に今回緊急輸送が行われた国立輸血センターとモンゴル国立医科大学付属モンゴル日本病院間で自動航行による飛行を実施。
モンゴル国民間航空庁から正式な許可承認を得た輸配送用途の飛行としては、モンゴル国で初の飛行であり、日本でいうところの「レベル4(有人地帯における補助者なし目視外飛行)」に該当する第三者上空における自動航行による飛行となった。

イメージ画像
 
さらに2社は、モンゴルにおけるドローン物流サービスの事業化に向けた連携について基本合意したことを同日中に発表。
その後、ドローンによる医療定期配送網構築に向けて活動してきた。

エアロネクスト社の戦略子会社である株式会社NEXT DELIVERYの運航チームが、MSDDの運航スタッフを日本で数か月に渡り実地トレーニングを行うことで遠隔パイロットとして育成。
また、NEXT DELIVERYの運航スタッフが複数回に渡り現地においてのトレーニングとスキルチェックを重ねることで、MSDD単独での運航体制の構築を共に進めてきた。

MSDDは本年6月にモンゴル国民間航空庁(MCAA)からモンゴル国内で初となるドローンの商用飛行ライセンスを取得。
8月から国立輸血センターから市内の3つの病院(日本モンゴル病院、アムガラン病院、第一母子センター)への血液のドローン配送の実運用がスタートしている。

今後の展望

今回のような緊急対応だけでなく、今まで救急車両などを利用して行われていた輸血用の血液の配送の一部をドローンで配送する定期的な運用がすでに実施されている。
これまでに、8月から9月末までで50フライトが実施されている。
2社は、今後もモンゴルの社会課題やニーズに沿った新スマート物流の構築による社会インフラの整備を推進し、モンゴルの社会課題解決に貢献していく予定となっている。

———————–

出典

関連記事

エバーブルーテクノロジーズ社、新モデル『除雪ドローン®Fシリーズ』を発表。除雪以外にもオフシーズンの活躍も

エバーブルーテクノロジーズ株式会社(本社:東京都調布市、代表取締役CEO:野間 恒毅)(以下、エバーブルー社)は六花重工株式会社と共同開発した小型・無人除雪機「除雪ドローン®Fシリーズ」を発表した。

  tera

レッドクリフ社、ドローンショースタッフの育成プログラム『ドローン大学校 Drone Show Staff Essentials』の開始を発表

「ドローンのビジネススクール」をタグラインとするドローン大学校(以下、ドローン大学)では、株式会社レッドクリフ(以下、レッドクリフ社)との協業してドローンショーで活躍するスタッフを育成するカリキュラム『ドローン大学校 Drone Show Staff Essentials(ドローン ショー スタッフ エッセンシャルズ)』を、同校修了生に向けて2024年11月から開講することを発表した。

  tera

FPVドローンによる空撮映像も!鹿島市制施行70周年記念としてシティプロモーション動画が公開

佐賀県鹿島市は、市制施行70周年記念事業の目的『鹿島を盛り上げ、発信する』の一環として、シティプロモーション動画を制作。 鹿島市の魅力を詰め込んだ映像には、FPVドローン空撮やプローブレンズを用いた接写撮影といった特殊な撮影技法が使用されている。

  tera

IDA、全国初となるドローンの完全自動飛行「レベル3.5」による中学生下校見守り実証実験

一般社団法人 国際ドローン協会( 本社:東京都江東区、代表理事:榎本幸太郎)(以下、IDA)は、東庄中学校(千葉県香取郡東庄町)において、2023年12月に新設された「レベル3.5」の飛行形態を活用したドローンによる下校生徒の見守り実証実験を2024年9月30日に行ったことを発表。 DJI製MATRICE300を2機使用し、複数ある下校ルートのうち2つのルートを完全自動飛行でカバー。 ドローンは下校生徒の動きを上空から見守り、映像および写真を記録することで不測の事態に備えた。 飛行中のドローンの位置情報やカメラのリアルタイム映像は、東庄中学校の職員室で常に監視され、異常が発生した場合には迅速に対応できる体制が整えられてる。 また、地図上でリアルタイムに表示されることから、撮影方向も確認可能となっている。

  tera

アイ・ロボティクス社、東京ソラマチにて施設維持管理の次世代ソリューションの実証に成功

株式会社アイ・ロボティクス(代表取締役:安藤嘉康)(以下、アイ・ロボティクス社)は、東京ソラマチの協力のもと同施設における商業施設の施設維持管理業務において、ドローンやロボットを用いた点検調査が効果的であることを実証した。 これにより、施設維持管理のデジタルトランスフォーメーション(DX)を推進し、効率的かつ安全な点検ソリューションを提供する新たなステップが進んだ。

  tera