アンリツ社とEMCジャパン社、ACSL社のドローン第一種型式認証取得に向けた耐電磁干渉試験系の確立に協力。「高強度放射電界(HIRF)」環境を提供
アンリツ株式会社(社長 濱田 宏一)(以下、アンリツ社)は、株式会社イー・エム・シー・ジャパン(社長 村上 薫)(以下、EMCジャパン社)と共同して株式会社ACSL(代表取締役CEO 鷲谷 聡之、以下ACSL社)が取り組みを進めているドローンの第一種型式認証取得に必要な検査環境を提供し、耐電磁干渉環境評価試験系の確立に貢献したことを報告した。 本評価では、ドローンに影響を与える強力な電磁波を発生させる「高強度放射電界(HIRF)」環境の提供を行っている。
目次
ドローンの第一種型式認証とは
ドローンの第一種型式認証とは、立入禁止措置を講じることなく行う特定飛行[※1]をするために必要な、ドローンの第一種機体認証を国土交通省に申請する際に、検査の全てまたは一部を省略できる認証制度のこと。
この型式認証の取得に必要な検査要領は、国土交通省が発行するサーキュラーNo.8-001[※2]に規定されているが、型式ごとに運用方法と設計の特徴が異なることから、具体的な検査方法は申請者と審査者で協議の上決定されている。
[※1]
特定の条件下での飛行を指し、国土交通大臣の許可や承認が必要となる。
具体的には、空港周辺やイベント会場の上空、高度150m以上の飛行、緊急用務空域(災害現場など)、および人口集中地区(DID)の上空での飛行が含まれている。
また、夜間飛行、目視外飛行、人や建物から30m未満の飛行、そして危険物の輸送や投下(農薬散布など)も特定飛行に該当する。
[※2]
国土交通省のサーキュラーとは、航空機や装備品の安全基準や環境基準に関する指針を示す文書のこと。
サーキュラーNo.8-001は、無人航空機(ドローン)の型式認証のための検査要領を定めている。
ドローンの第一種型式認証を取得するために必要な条件
ドローンが第一種型式認証を取得するためには、実運用時に想定される環境下での評価が必要となる。
例えば、レーダー等の高出力機器付近での運用が想定される場合、高出力妨害波がドローンの機体動作に与える影響やその影響に対しての機体挙動を検証する必要がある。
この評価によって、ドローンが高出力機器にどれだけ近づけるかを明確にし、その結果を飛行規程(取扱説明書)に記載することが求められるのだ。
今回の評価対象となる機体では、機体状態や搭載カメラ映像のデータ送受信にLTE通信を採用している。
EMCジャパン社のテストサイトで、アンリツのシグナリングテスタ MD8475Bを使用することで、ドローンに高出力妨害波を印加した条件下で、LTEの通信状態を確認することが可能となった。
アンリツ社は、ドローンの第一種型式認証取得の推進に向けて、総合的な評価環境構築に貢献している。
アンリツ社のLTE基地局シミュレータ
シグナリングテスタ MD8475Bは、基地局と無線通信デバイスのさまざまな通信状況を再現する基地局シミュレータだ。
第2、第3世代およびLTEなどの多様な通信規格に対応し、作成が煩雑であったシナリオを必要としない、スマートなユーザインタフェースを装備している。
複雑化する無線通信デバイスの通信試験を短時間で効率的に行えるものになっている。
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出典