ドローンの機体認証とは?やり方・種類・型式認証との違いも解説

ドローンの機体認証について、やり方や種類、型式認証との違いについて解説します。機体認証にかかる費用やよくある質問についてもまとめているので、ドローンの機体認証を検討している方はぜひ参考にしてみてください。

ドローンの機体認証制度とは

イメージ画像https://pixta.jp

ドローンを飛行させる際、機体認証が必要なのかどうか気になる方は多いでしょう。ここでは、ドローンの機体認証の概要について解説します。

 

ドローンの機体の適合を承認する制度

機体認証制度とは、ドローンの機体の強度や構造、性能について、設計や製造過程、現状が安全基準に適合しているかどうかを確認するための認証制度(※1)です。ドローンの飛行の中でも危険度が高いとされる、特定飛行(国土交通大臣の許可や承認が必要となる空域や方法での飛行)に用いられる機体に対して設けられました。

※1:“国土交通省 公式HP” 参照 

※2:“国土交通省 公式HP” 参照 

 

義務ではない

「認証」というと取得必須のイメージがあるかもしれませんが、実際には機体認証の取得は義務ではありません。認証されていない機体であっても、飛行許可・承認手続きが完了していれば特定飛行を行うことが可能です。

しかし、カテゴリーⅢ飛行を行いたい場合をはじめ、技能証明と併せて取得することで後述するいくつかのメリットを得られます。

 

機体認証と型式認証の違い

機体認証制度には、「機体認証」と「型式認証」の2種類があります。機体認証が一機ごとの機体を対象としているのに対して、型式認証ではメーカー等の量産機を対象としている点が大きな違いです。型式認証が認められた型式の無人航空機は、機体認証の検査の一部または全部を省略することが可能となります。

※:“国土交通省 公式HP” 参照 

 

機体登録との違い

機体認証と混同しやすいのが「機体登録」です。本記事で紹介する機体認証は義務ではありませんが、100g以上のドローンを飛行させる場合、機体登録は法的義務となっています。言葉は似ていますが、両者は大きく異なるため注意しましょう。

 

ドローンの機体認証・型式認証の種類

イメージ画像https://pixta.jp

ドローンの機体認証制度は、大きく分けて2種類あります。ドローンの機体認証・型式認証の種類を以下の表にまとめたので、参考にしてください。

認証の種類 内容 有効期間
第一種機体認証 一等資格と併せることで、特定飛行(カテゴリーⅢ飛行)が立入管理措置なしで可能となる。 1年
第一種型式認証 3年
第二種機体認証 二等資格以上と併せることで、立入管理措置有りの一部の特定飛行(カテゴリーⅡB飛行)の許可申請が不要となる。 3年
第二種型式認証 3年

※:“国土交通省 公式HP” 参照 

ドローンの機体認証を取得するメリット

イメージ画像https://pixta.jp

機体認証の取得は義務ではありませんが、ドローンの用途によってはメリットを得られる場合も。ここでは、ドローンの機体認証を取得するメリットを紹介します。

 

技能証明と併せることでカテゴリーⅢ飛行が可能になる

「第一種機体認証」を取得することで、「カテゴリーⅢ飛行」が可能となります。カテゴリーⅢ飛行とは、ドローンの飛行経路で関係者以外の人の立入管理措置を講じずに行う飛行のこと。第三者が行き来するエリアでの特定飛行を行う場合には取得を検討するとよいでしょう。カテゴリーⅢ飛行を行うためには、第一種機体認証だけでなく技能証明(一等資格)も必要となります。

 

技能証明と併せることで一部の特定飛行が許可申請不要になる

「第二種機体認証」を取得することで、以下の条件を全て満たした場合に、立入管理措置を講じた上で行う特定飛行を目的とした機体(カテゴリーⅡ飛行)の許可申請が不要となります。

 

・飛行させるドローンが25kg未満であること

・立入管理措置を講じること

・飛行マニュアルを作成して遵守すること

 

ドローンの機体認証・型式認証にかかる費用

イメージ画像https://pixta.jp

ドローンの機体認証・型式認証にかかる費用は、取得する認証の種類のほか、登録から1ヶ月以内かどうかなどによって詳細が異なります。認証にかかる手数料については、国土交通省による「無人航空機の第一種機体認証の手数料額」または「各登録検査機関」の最新情報をご確認ください。

 

ドローンの機体認証を受ける方法

イメージ画像https://pixta.jp

ドローンの機体認証を受ける場合、大きく分けて以下2つのケースが考えられます。

 

  1. すでに型式認証されている機体で機体認証を受ける
  2. 「設計」「製造過程」の検査を経て一から機体認証を受ける

 

しかし、大手メーカー企業以外の場合、後者の方法で機体認証を受けることは現実的に困難でしょう。つまり、個人利用の場合、ほとんどのユーザーがすでに型式認証されている機体で機体認証を受けることになります。そのため、機体認証を検討している場合は型式認証を受けている機体を購入する必要がある点に注意しましょう。

 

ドローンの機体認証に関するQ&A

イメージ画像https://pixta.jp

最後に、ドローンの機体認証に関するよくあるQ&Aを紹介します。不明点や疑問の払拭に役立ててください。

Q. 機体認証は必要?取得するべき?

A. 義務ではありません。

 

先述の通り、すべてのドローン操縦者が機体認証を必要とするわけではありません。一方で、技能証明と併せることでカテゴリーⅢ飛行が可能となったり、一部の特定飛行が許可申請不要となったりするメリットがあります。

 

Q. DJIの機体は認証されている?

A. 2023年6月時点では認証されていません。

 

ドローンメーカー『DJI』のドローンは広く普及していますが、2023年の6月時点では認証されていません(※)。また、今後の動きも不明です。

 

※:“DJI公式HP参照 

 

ドローンの機体認証は技能証明と併せて取得するのがおすすめ

イメージ画像https://pixta.jp

ドローンの機体認証について解説しました。自分で一から用意したドローンで審査に通ることは難しいため、機体認証を受けるためには機体認証済みの機体を購入する必要があります。ドローンの機体認証は義務ではありませんが、技能証明と併せて取得することでメリットを得られるため、これからドローンの購入を検討している方は取得を検討してみてもよいかもしれません。

関連記事

『除雪ドローン®SRD-F11RC』雪国の未来を変える機体のクラウドファンディングが11月15日開始

エバーブルーテクノロジーズ(本社:東京都調布市、代表取締役CEO:野間 恒毅)(以下、エバーブルー社)は、北海道で生まれた次世代の除雪ソリューション『除雪ドローン®SRD-F11RC』を開発。 この機体のクラウドファンディングプロジェクトを11月15日(金)15時より、CCCグループのクラウドファンディングサイト「GREEN FUNDING」にて実施すると発表した。

  yoshi

DJI社の新製品は、FPV操縦をコスパよく楽しめる!3万円台の新ドローン操縦用ゴーグル『DJI Goggles N3』

DJIは、パイロットの視点から没入感あふれる新たな飛行体験を提供する『DJI Goggles N3』を発売を2024年11月6日に発表した。

  tera

マプリィ社、ドローン専用のLiDAR『mapry M1』を専用のデータ処理アプリ込みで発売。2024年10月31日より

地理空間情報アプリプラットフォームサービス「mapry」を提供する株式会社マプリィ(本社:兵庫県丹波市、代表取締役:山口圭司)(以下、マプリィ社)は、2024年10月31日にドローン専用LiDAR『mapry M1』を発売する事を発表。同製品は、PC用データ解析ソフト「mapry」とセットとなっており、販売価格は税抜812,000円。 Matrice350に取り付け可能となっており、同ドローン機体を既に所有している場合、低コストでレーザードローンの飛行を行えるようになる。 背負式LiDAR「mapry LA03」との併用することで、森林カーボンクレジット創出や活用において、登録から認証までの省力化だけでなくデータの信頼性・透明性の向上についても活用できる。

  yoshi

ドローンショー・ジャパン社、ドローンショー専用機体を大幅アップデートした『DSJ MODEL-X』をリリース!10月31日より予約受付開始

株式会社ドローンショー・ジャパン(本社:石川県金沢市、代表取締役:山本雄貴)(以下、ドローンショー・ジャパン社)は、自社で開発しているドローンショー専用機体を大幅刷新すると共に、機体名を『DSJ MODEL-X(ディーエスジェイ・モデル・エックス)』へリニューアル。 また、同機体の2025年分の予約受付を2024年10月31日より開始することを発表した。

  yoshi

ドローンの飛行に免許はいらない?免許なしでも扱いやすいドローン5選!

「ドローンを飛ばすためには免許が必要なの?」と不安に思う方もいるかもしれません。一般的なドローン飛行に免許は必要ありませんが、条件や飛行場所によっては免許が必要となる場合もあります。本記事では免許が必要となるケースや、免許なしでも扱いやすいおすすめの小型ドローンを紹介。ドローン初心者の方は、ぜひチェックしてみてください。

  ドローンガイド編集部