千葉エコ・エネルギー社、「農業×ドローン」で持続可能な農業に挑戦するつなぐファームに挑む。千葉県内2か所で農業用ドローンによる農薬散布業務を受託
千葉エコ・エネルギー株式会社(本社:千葉県千葉市、代表取締役:馬上丈司)(以下、千葉エコ・エネルギー社)のグループ会社であり、営農型太陽光発電やスマート農業など持続可能な農業を実践する株式会社つなぐファーム(本社:千葉県千葉市、代表取締役:蘒𠩤領)(以下、つなぐファーム社)は、2024年8・9月に千葉県内2か所の他農業経営体の農地において、農業用ドローンによる農薬散布業務を実施した。
目次
「農業×ドローン」実施の背景
2000年には240万人いたとされる基幹的農業従事者数も、2023年現在では116万4千人と半分以下に減少しているとされている。
このうち49歳以下の基幹的農業従事者数は13万3千人と全体の約1割であるのに対し、65歳以上の基幹的農業従事者数は82万3千人と全体の約7割を占めているという数字も出ている。
さらに、50歳以上の数値も含めると全体の9割を占めているという。
2023年現在の基幹的農業従事者の平均年齢は68.7歳。
高齢化が進行していることが数値から見て取れる。
そして、20年後の基幹的農業従事者の中心となることが想定される60歳未満層は、全体の約2割の24万人程度にとどまっている。
このように今後、農業者の減少・高齢化が著しく進展していくことが予想される中で、今日よりも少ない農業経営体によって国内の食料供給を担う必要が生じてくると予想される。
これらの経営体への農地の集積・集約化に加え、安定的な経営を行うための経営基盤の強化や限られた資本と労働力で最大限の生産を行うための生産性の向上が求められている中で、生産性の高い農業を確立するためには、「ロボット」「AI(人工知能)」「IoT」等の先端技術やデータを活用したスマート農業を一層推進していくことが重要となっていると千葉エコ・エネルギー社はしている。
千葉エコ・エネルギー社の取り組みについて
千葉大学発のベンチャー企業である千葉エコ・エネルギー社からスピンオフする形で創業したつなぐファーム社。
2018年2月より千葉市緑区大木戸町にて、再生可能エネルギーと食料を同時に生み出す営農型太陽光発電を取り入れた持続可能な農業を実践している。
メンバーは子育て世代が中心で、「自分の子供たちそして次世代のために食とエネルギーを安定して供給できるようにバトンをつなぎたい」という想いから、営農型太陽光発電やIoT等を活用したスマート農業を通じて、「農地・ひと・地域を次の世代へつなぐ」ことを目指している。
ベンチャー企業である強みを活かし、ファーストペンギンとして実証実験を行い、そこで得られた知見をもとにモデルとなるような事例を作り、営農型太陽光発電の普及・推進に努めてきている。
営農型太陽光発電の設備下にてイチジクを栽培。架台設備を活用し、自動灌水システムを導入
農業の省力化・効率化および人材不足解消を目指す
「ソーラーシェアリングを活用した自立型脱炭素スマート農地の確立と展開」プロジェクト概念図
2024年8から9月に実施した営農型太陽光発電インターンシッププログラムの様子
近年では、千葉大学大学院社会科学研究院倉阪秀史教授を代表者とする研究プロジェクト「ソーラーシェアリングを活用した自立型脱炭素スマート農地の確立と展開」に、研究メンバーとして参画し、下記の実証実験を行っている千葉エコ・エネルギー社。
営農型太陽光発電(ソーラーシェアリング)の技術と、センサーによる自動モニタリング・自動追尾型搬送機などのスマート農機を組み合わせることで農業生産に必要なエネルギーを太陽光発電によって確保するモデル農地を設置。
モデル農地では、スマート農機に組み込まれる蓄電池等を活用して必要なエネルギーを安定的・自立的に供給できる可能性を見出す。
大学生の実習生を含む若者中心の従事者による営農型太陽光発電(ソーラーシェアリング)農地において、十分な農業生産が確保できることを示す、などの成果を出している。
また、農業者の減少・高齢化が進展していくことが予想される中で、農業者の人材不足そして身体的・精神的負担は大きな課題となり、今後はさらに国内の食料供給にも影響が出ると予想している同社。
これらの課題を解決すべく、つなぐファーム社は、農業用ドローンを使用した農薬散布受託を開始。
農業の省力化・効率化および人材不足解消を目指すための第一歩として実証実験を行っていくとしている。
農薬散布の実施内容
・千葉県内2ヶ所の他農業経営体の農地において、農業用ドローンによる農薬散布
(1)サツマイモ畑(千葉市緑区)の農薬散布
2024年8月、千葉市緑区の他農業経営体サツマイモ畑、約1haに農薬散布を受託、作業実施。
(2)飼料用とうもろこし畑(いすみ市)の農薬散布
2024年9月、いすみ市にある他農業経営体飼料用とうもろこし畑の約11.7haに農薬散布を受託、作業実施。
試験実施中の様子を収めた動画動画はこちら。
千葉エコ・エネルギー社代表、馬上丈司氏のYouTubeチャンネルでは、今回の農薬散布の様子を公開している。
今後、つなぐファーム社では営農型太陽光発電を軸とした、農業用ドローンをはじめとした「ロボット」「AI」「IoT」等の先端技術やデータを活用したスマート農業を取り入れた、実証実験を続けていくとしている。
また、将来的には農業分野における他産業パイロットによる運航支援や遠隔制御によるドローン活用の実現を目指すべく計画を進めている。
農業の省力化・効率化を実現することで、次世代の農業者の負担軽減あるいは人材不足解消を目指し、日本の農業における課題解決に貢献を目指すとしている。
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出典