テラドローン社、三井海洋開発とFPSOの原油貯蔵タンク検査に関する共同研究開発契約を更新

Terra Drone株式会社(本社:東京都渋谷区、代表:徳重 徹)(以下、テラドローン社)は、三井海洋開発株式会社(本社:東京都中央区、代表取締役社長:宮田 裕彦)(以下、三井海洋開発)と、FPSO(浮体式海洋石油・ガス生産貯蔵積出設備:Floating Production, Storage & Offloading system)における原油貯蔵タンク内部の非破壊検査を目的とした自社開発のTerra UTドローンに関する共同研究開発契約の更新に合意したことを報告した。

FPSOの原油貯蔵タンク検査に関する共同研究開発契約更新について

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本契約は、2024年にテラドローン社、三井海洋開発の両社が締結した共同研究開発契約に基づき、測定精度向上・安全性強化・作業時間短縮等で成果が上がったことを受け、さらなる技術の実用化及び運用拡大を目指すものである。
FPSOでは、定められた乗船人数の中で生産作業と並行して検査作業を行う必要があり、新たに作業員を乗船させることなく点検・検査を安全に実施できることは、大きな利点となる。
今後も両社は、ドローン技術を活用し、FPSOをはじめとする海洋プラットフォームの操業において、検査作業の労働安全性向上、省人化及び効率化に貢献していくとしている。

経緯

FPSOでは、20年を超える長期間にわたり安定した原油・ガス生産を継続するために、日常的な保守点検・検査を欠かすことができない。
構造物の高所や閉鎖空間における人力での検査作業は、労働安全環境上の懸念事項であり、業界全体の共通課題となっている。
そのため原油貯蔵タンク内における検査作業を完全にドローンに代替することを目標とし、共同研究開発が進められてきた。

ブラジル沖合のFPSOにおける、Terra UTドローンを用いた検査技術の開発では、原油貯蔵タンクの板厚計測の作業時間短縮及び安全性向上を達成している。

【テラドローン社と三井海洋開発:技術連携と共同研究開発の歩み】
2023年度:技術連携に向けた覚書(MOU)を締結

2024年度:覚書に基づき、共同研究開発契約を締結

2025年度:共同研究開発の成果が評価され、本契約を更新

これまでの技術成果(2024年度)

●超音波センサーの改良による測定精度の向上

●ガス検知器の搭載による点検作業の安全性強化

●ケレンブラシの高性能化により、不純物や油分(ワックス)の除去効率が向上し、最大で従来の10倍以上の検査作業を同じ時間内に実現

●有線ケーブルによる常時給電の実現により、バッテリー交換が不要となり、検査中のドローンの着陸回数を従来の10分1に削減

開発テーマ(2025年度)

これまでの技術成果を踏まえ、本契約の更新に伴い、新たに以下の開発項目を加えられた。

①機体構造・設計の最適化
世界各地での展開を見据えた堅牢性・運用安定性を向上

【具体的な施策】
〇高解像度カメラの搭載による目視点検機能の強化 
〇メンテナンス性を考慮した機体設計の見直し 
〇有線ケーブルの高耐久化による堅牢性向上、及びケーブル延長による更なる巨大なタンクへの適応拡大
〇有線ケーブルシステムの防爆対応推進による安全性の更なる強化 
〇航空輸送に対応した機体設計によるグローバル展開の促進 

②新たな計測技術の開発
検査用ジェルを必要としない計測方式の導入を通じて、作業効率のさらなる向上

Terra UTドローンによる超音波点検

Terra UTドローンは、鋼製のタンク内壁の板厚を非破壊で測定するためにテラドローン社が開発した産業用ドローンである。
搭載された超音波センサーからの超音波の反射波を解析することで、腐食状況や減肉を定量的に評価。

原油貯蔵タンクの内壁の固着した砂等の不純物や油分(ワックス)などを測定前にケレンブラシで表面を清掃し、測定面を平滑に整え、超音波の伝播を助ける検査用ジェルを塗布し、センサーをタンク内壁に接触させて測定を行える。
複数箇所で同じ作業を繰り返し、広範囲にわたる内壁の状態を把握することが可能である。

今後の展望

テラドローン社は、三井海洋開発と共に、本契約を通じて開発するドローン検査技術を広く業界に浸透させるとともに、Terra UTドローンのさらなる改良と運用効率の向上を目指していく。
今後も両社は、ドローン技術を活用し、現場における労働安全性向上や人手不足の解消、作業効率化に貢献していく。

なお、本件に関するテラドローン社の2026年1月期業績への影響は軽微と考えられるが、今後、公表すべき事象が生じた場合には、同社から速やかに報告される。

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出典

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