ドローンのセンサーの種類と機能|機体の姿勢制御の技術について解説

ドローンが空中で安定した姿勢を維持できるのは、センサーのおかげであることをご存じでしょうか。センサーといっても1つではなく、さまざまな種類のセンサーによりドローンの飛行は実現されています。本記事ではドローンのセンサーの種類や機能、どのように機体の姿勢制御が行われているのかを解説します。ドローンのメカニズムに興味がある方にも役立つ内容なので、ぜひ参考にしてみてください。

ドローンの姿勢制御はセンサーによるもの

イメージ画像

出典:https://pixta.jp/photo

 

ドローンが空中で安定した姿勢を維持できるのは各種センサーのおかげです。ドローンに搭載されたセンサーの情報を演算処理して機体を制御しています。

 

ドローンのセンサーの種類

イメージ画像

出典:https://pixta.jp/photo

 

ドローンのセンサーの種類は以下のようなものがあります。

 

  • 角速度(ジャイロ)センサー
  • 加速度センサー
  • 気圧センサー
  • ビジョンセンサー
  • 超音波センサー
  • 磁気方位センサー
  • GPS

 

それぞれについて解説していきます。

角速度(ジャイロ)センサー

角速度(ジャイロ)センサーとは物体の回転や角度の動きを感知して電気信号で発信するセンサーのことで、カメラの手振れ補正やカーナビに利用されています。ドローンの機体の傾きや動きを感知するために搭載されています。

加速度センサー

加速度センサーは物体が一定時間内にどれだけ移動したのか、移動スピードを感知するセンサーです。角速度センサーによるドローン本体の傾きの情報と合わせて、水平を保つために利用されており、2つのセンサーを組み合わせた装置のことを「慣性計測装置(IMU)」と呼びます。

気圧センサー

気圧センサーは高度の違いによる気圧の変化を感知するセンサーで、ドローンの高度を感知するために利用されています。

ビジョンセンサー

ビジョンセンサーとは人間のように物を目で認識して、形状や位置を演算処理して動作に活かすことができるセンサーです。ドローンでは機体と地面の距離をつかんで動作を修正するために利用されています。

超音波センサー

超音波センサーは発した超音波の跳ね返りを感知して、物の位置を把握するセンサーです。ビジョンセンサーに近い役割がありますが、暗い場所や水上といったカメラの視認性が悪い場所でも、性能を発揮してくれる利点があります。

磁気方位センサー

磁気方位センサーはいわゆる「コンパス」の役割を持ったセンサーで、方角を知るために利用されています。

GPS

GPSは衛星を利用して、機体の位置情報を確認するシステムのことです。ドローンが定位置をキープするために利用されています。

 

センサーの信号をフライトコントローラーが処理する

イメージ画像

出典:https://pixta.jp/photo

 

ドローンを制御するためにさまざまなセンサーが活用されていることをお伝えしましたが、演算処理を行っているのは「フライトコントローラー」です。フライトコントローラーは各センサーから送られた情報をもとに機体を制御するパーツです。

 

名前から誤解されやすいですが、フライトコントローラーはドローンを手元で操縦する「コントローラー」ではありません。フライトコントローラーは人間の脳のような働きを行うパーツであり、手元でドローンを操作するための装置は「送信機」と呼ばれています。

 

ドローンはさまざまなセンサーの信号により制御されている

イメージ画像

出典:https://pixta.jp/photo

 

安定した飛行が可能なドローンは、さまざまなセンサーが発する信号をフライトコントローラーが処理して機体を制御しています。手元の送信機のレバー操作だけではなく、周囲の物との位置関係や機体の傾きをセンサーで感知することにより、高度な操作を可能としています。テクノロジーが詰まったドローンに興味を持った方は、ぜひこの記事を参考にドローンの操作にチャレンジしてみてください。

関連記事

DJI社、『DJI FlyCart 100』を発表。最大80kgの積載量の実現と飛行距離・電力効率の向上にも成功し、空中配送を再定義

民生用ドローンとクリエイティブカメラの製造開発を手掛けるDJI(以下、DJI社)は、『DJI FlyCart 100(FC100)』をグローバル市場に向けて2025年12月4日に発表した。 エベレスト山での空中配送を実現し、業界のスタンダードを確立した「FlyCart 30」を基盤とし、DJIの次世代物流ドローンは、最大80kgまでの高い積載能力、より高速な充電、LiDARやパラシュート、マルチセンサー障害物回避を備えたインテリジェントな安全システムを特徴としている。 より高度な飛行運用管理のために、DJI社はDJI Delivery AppおよびDJI DeliveryHubも導入する。

  tera

再生二期作にも対応!省力化稲作のための『収穫ロボット』などをテムザック社が発表

株式会社テムザック(本店:京都府京都市、代表取締役社長:川久保 勇次)(以下、テムザック社)は、中山間農地における稲作を省力化するためのロボットとして、新たに『収穫ロボット』『多用途ロボット』を開発。 このロボットは、令和7年度『地域社会DX推進パッケージ事業』等の総務省事業の中でも活用されている。

  Fuji

全身で楽しめる新感覚オモチャ『マジック フライングボール Pro』登場!手も足も使ってリズムよくプレイできる空飛ぶボール

全身で楽しめる新感覚おもちゃ『マジック フライングボール Pro』が発売された。 従来の<浮かせて投げ合う>遊びに加え、新しくスプリング構造を搭載。 底部を手や足で軽くタッチするだけで、ボールがピョンッとジャンプして宙に舞う仕様となっている。 発売を記念して、11月20日までは期間限定セールが開催されており、通常価格6,399円のところ、特別価格3,999円+10%OFFクーポン+1%ポイント還元で購入できる。

  tera

テラドローン社、日本初となるクマよけスプレー搭載ドローンを開発・発売開始

Terra Drone株式会社(本社:東京都渋谷区、代表:徳重 徹)(以下、テラドローン社)は、クマよけスプレー搭載ドローンの開発が完了したことを発表した。 現在、クマの人身被害および出没が増加し、夜間・藪地での視認性低下、現場要員の安全確保等が課題となる中、本製品は上空から唐辛子スプレーを遠隔操作で噴射する仕組みにより、クマに接近することなく背後・側面からの全方位噴射に対応することが可能。 テラドローン社は今後、自治体を中心に本製品を展開し、住民の安全確保や現場のリスク低減のため、持続的なクマ対策の仕組みづくりに貢献していく。

  tera

Insta360 Japan社の『Antigravity A1』、世界初の8K 360度全景ドローンとして「2025年度グッドデザイン賞」を受賞

飛行体験の再定義を目指すコンシューマー向けドローンブランドであるAntigravity(アンチグラビティ)は、初の製品となる世界初の8K 360度全景ドローン『Antigravity A1』が「2025年度グッドデザイン賞」を受賞したことを発表した。

  tera