沖縄県立本部高校で無人航空機に関する教育プログラムを開始。文部科学省による「高等学校DX加速化推進事業」の一環として

株式会社先端技術無人航空機トレーニングセンター(AUTC)は、沖縄県立本部高校と連携し、無人航空機に関する教育プログラムを開始することを発表した。 本プログラムは、文部科学省の高等学校DXハイスクール事業により実現した。

普通高校で行われる無人航空機教育

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近年、生徒数の減少による廃校の危機に直面している沖縄県立本部高校。
この危機を乗り越えるため、学校側は風紀に関する校則を毎年生徒と一緒に考える場を設ける取り組みを行ったり、本部高校の事を広く知ってもらうためにSNSを利用した広報活動を行うなど、様々な改革を試みてきた。
しかし、根本的な解決には至らず、新たな魅力ある教育プログラムの導入が求められていた。

そんな中、同校の教職員の熱意とAUTCの協力により、無人航空機の国家技能資格取得支援という画期的なプロジェクトが文部科学省の「高等学校DX加速化推進事業」を利用してスタートすることとなった。
なお、高等学校DX加速化推進事業制度については、こちらを参照のこと。

無人航空機の操縦ライセンスは自動車免許と異なり16歳から取得可能。
同校のおかれている環境もドローンを利活用するのにはマッチしていることからも、生徒たちの興味関心を引きつけ学習意欲を高めることが期待される。

本プロジェクトがもたらすインパクトについて

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機体の飛行前安全確認
  

国家技能資格取得の裾野拡大

従来、専門学校や大学が中心だった無人航空機の国家技能資格取得。
今回のように、普通高校でも取得が可能になることで、より多くの人々がこの資格を取得できるようになる。

つまり、ドローン操縦免許の取得はこれまで以上に身近なものとなる事が見込まれる。

地域活性化への貢献

本部高校の生徒たちが取得した資格は、地元自治体である本部町の観光振興や都市計画に活かされる可能性がある。
無人航空機を活用した観光PRや地域産業の活性化など様々な展開が期待され、そうなれば本部町をはじめとする地元自治体と連携しドローンを活用した地域活性化を推進していくことになるだろう。

DX人材育成への貢献

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実地教習(飛行訓練)
  
無人航空機の操縦では、プログラミングやデータ解析などのデジタルスキルが求められる。
このプロジェクトを通じて、生徒たちはこれらのスキルを習得し、将来のDX社会を担う人材へと成長することが期待される。

新たな教育モデルの創出

ドローン教育を通じ、生徒たちの主体性や問題解決能力を育成する新たな教育モデルを創出する。

今後の展望や関係者コメント

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飛行後安全点検
  
AUTCと本部高校は、プロジェクト成功のため、以下の取り組みを進めていくとしている。

・充実したカリキュラムの開発
無人航空機の操縦に必要な知識や技術を体系的に学べるカリキュラムの開発。

・地元企業との連携
地元の企業と連携することで、インターンシップや職場体験の機会を提供。

・観光振興への貢献
本部町の観光協会などと連携して、無人航空機を活用した観光PRやイベントを企画。

・他の教育機関との連携
地元公立大学である名桜大学や同じくAUTC支部として登録された沖縄高専との教育機関同士の連携の可能性についても期待が持たれている。

関係各所のコメント

株式会社先端技術無人航空機トレーニングセンター 代表取締役 伊藤婦三子氏
普通高校での無人航空機教育は、間違いなく日本の教育界における新たな一歩となるでしょう。
このプロジェクトを通じて、生徒たちの可能性を広げ、地域社会の発展に貢献したいと考えています。

本部町役場住民生活統括監 仲宗根章氏
行政によるドローンの活用は、今後必要不可欠なものになると捉えています。
災害時の迅速な情報収集、観光地の魅力を最大限に引き出す空撮映像、橋や急傾斜地の点検などさまざまな分野において効率性や安全性の向上、コスト削減を実現させてくれます。

このプロジェクトにおいて社会に貢献することができる人材が育つことを期待します。

沖縄県立本部高校 仲地 範禮校長先生
本校は1学年2クラス(全校生徒数120名程度)と小さな学校ですが、地元本部町と連携し、校訓「自治・対話・創造」をもとに地元の子を人財へと育てる教育を進めています。
このプロジェクトが生徒の視野を広げ、その未来を切り開く大きな力となることを望みます。

沖縄県立本部高校 津嘉山翔先生
沖縄県立本部高校は、豊かな自然に囲まれた学校です。
合わせて観光や都市計画などドローンが活躍できる場面は数多くあります。

生徒たちは、この美しい環境の中で、この動きをきっかけにドローンを通して様々な学びを深めていくでしょう。
地元で育った子どもたちが、地元で学び地元の地域社会を牽引する人材へと成長することを期待しています。

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出典

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