ワイヤーを利用するドローンの係留とは|目的やメリットについて解説
ワイヤーを利用して行うドローンの係留の目的や実施方法について解説します。ドローン飛行の安全性に役立ち、手間のかかる飛行申請を免除できるメリットがあるため、ドローンを事業やイベントに利用したいと思っている方は本記事を参考に係留の方法を学んでみてください。
目次
ワイヤーによるドローンの係留とは
ドローンの係留とは固定地点とドローンを結び、ワイヤーの長さの範囲でのみ飛行できるように制限することです。
係留に使用するワイヤーの長さにのみ規定があり「最大30m以内」とされ、長さ以外は十分な強度があれば紐や釣り糸でも代用可能です。
ドローンを係留する目的
ドローンを係留する以下の目的について解説します。
- 制御不能時に安全を確保するため
- 飛行制限の範囲内に留めるため
制御不能時に安全を確保するため
係留する理由の一つとして、ドローンが何らかのトラブルや故障によって制御不能になった際に、周辺にいる人や建物に接触して被害が及ばないようにするためです。
ドローンを利用した高層マンションや橋の点検の際に、下に落下することが防げます。
飛行制限の範囲内に留めるため
ドローンを係留する理由の二つ目は手間のかかる飛行許可申請が免除されるためです。
国土交通省によると、十分な強度を有する紐等(30m以内)で係留した飛行で、飛行可能な範囲内への第三者の立入管理等の措置を行えば一部の許可・承認が不要になるとされています。(※)
安全面の確保だけではなく申請の手間も省けるメリットがあります。
※”国土交通省公式HP”参照
ドローン係留の方法
一般的なドローンの係留方法を以下にまとめました。
- ドローン係留装置を用意する
- 飛行範囲内の立入制限を行う
- 係留装置とドローンを結んで飛行させる
それぞれについて解説していきます。
1. ドローン係留装置を用意する
ドローンの係留を安全に行うために係留装置を用意するのがおすすめです。係留装置はワイヤーのテンションを調整してくれるため、ドローンが引っ張られたり、ワイヤーがプロペラに巻き込まれたりすることを防いでくれます。
係留装置を用意する方法は購入かレンタルの2つがあり、購入は高額なためスポット的に行うならレンタルの方がおすすめです。
以下のサイトなら二泊三日のレンタルで6,900円(税抜) からレンタル可能です。(※)
2. 飛行範囲内の立入制限を行う
ドローン係留による飛行申請の免除をするために立入制限を行います。制限範囲にコーンや人を配置する方法が一般的です。
3. 係留装置とドローンを結んで飛行させる
ここまでくれば飛行の準備は完了です。係留装置のワイヤーをドローンの下部に結んで飛行させましょう。
ドローン係留の注意点
ドローン係留における注意点は以下の通りです。(※)
- 自動車、航空機など、移動する物に固定して飛行させる方法は行わない
- 自動操縦の際に操縦場所から離れる際には、責任者の連絡先を付近に明示する
- 係留に使用する紐を使用前に点検する
※”国土交通省公式HP”参照
ドローン係留の活用シーン
ドローンの係留の代表的な活用シーンは以下の通りです。
- 建設現場の点検
- 目視外飛行・夜間飛行など
- イベント
ドローン係留はドローン飛行の申請を簡略化し、安全性を高めるために事業や目視外の飛行で利用されています。
ドローンの係留を活用して飛行を安全に行おう
ドローンの飛行は係留を行えば、制限区域外に飛行することもなく、制御不能になった場合でも安全を確保しやすくなります。係留を行えば手間のかかる飛行申請も簡略化できるメリットがあるため、ドローン飛行を手軽に実施できます。係留に使用するワイヤーに長さ以外の制限はないですが、安全に制御するために係留装置を利用して飛行させましょう。