自治体によるドローンの活用事例6選|実用化に向けた取り組みとは
災害時やアクセスが困難な山間部の過疎地域における問題解決にドローンが活用されていることをご存じでしょうか。本記事では自治体によるドローンの活用事例を紹介します。社会問題に対してドローンの機能がどのように役立てられているのか解説します。
目次
自治体によるドローンの活用事例6選
以下の自治体によるドローンの有効な活用事例を紹介します。
- 「福島県南相馬市」ドローンフィールドテストの整備
- 「千葉県君津市」橋梁点検への活用
- 「新潟県新潟市」配送サービスへの活用
- 「長野県伊那市」山間部の買い物サービスへの活用
- 「長野県小谷村」鳥獣害対策への活用
- 「徳島県那賀町」ドローンフライトスポット設置による町おこしへの活用
「福島県南相馬市」ドローンフィールドテストの整備
福島県南相馬市ではドローンの開発に役立つテストフィールドが整備され、市内のロボット産業の推進や来訪者の増加による地域の活性化を目指しています。
2020年3月31日に「福島ロボットテストフィールド」として開所され、無人航空機エリアでは、衝突回避・不時着・落下・物件投下等を含むドローンの飛行試験や操縦訓練が可能です(※)。
※”経済産業省公式HP”参照
「千葉県君津市」橋梁点検への活用
千葉県君津市では市内の河川やダムにかかる橋梁の定期点検にドローンを活用し、外注ではなく市の職員が点検を行うことによるコスト削減を目指しました。
国土交通省から2m以上の橋梁やトンネル等のインフラ施設について5年に一度の近接目視点検が義務付けられており、227橋もの橋梁を有する君津市では外注による橋梁点検の費用(5年間で1億円を)の削減を検討することになりました。
職員自らがドローンを操縦して橋梁を撮影し、取得した映像から職員が損傷状況を確認・診断する「君津モデル」を確立しコスト削減に成功しています(※)。
※”経済産業省公式HP”参照
「新潟県新潟市」配送サービスへの活用
新潟県新潟市では民間企業によるドローンによる配送サービスの実証実験を実施し、ドローンの社会実装へ向けた取り組みを行っています。
実験では市内の飲食店のデリバリーサービスをドローンで実施し、200m離れたビルの屋上まで配達することに成功しました(※)。
※”経済産業省公式HP”参照
「長野県伊那市」山間部の買い物サービスへの活用
長野県伊那市では山間部における買物困難者の問題に対応するために、ドローンによる輸送ルートを確保しドローンの物流サービスの構築を図りました。
ケーブルテレビの通信網を活用して、委託を受けた企業が商品のピックアップと配送を実施し、集落の公民館に荷下ろしする仕組みです。
決済はケーブルテレビの受信料と一緒に行われ、テレビのリモコンから操作できるようにすることで、高齢者でも買い物しやすいようにしている点もポイントのひとつです(※)。
※”経済産業省公式HP”参照
「長野県小谷村」鳥獣害対策への活用
長野県小谷村では農業被害を及ぼす鳥獣害の対策のためにドローンを活用し、鳥獣害対策費用削減と効率化を目指しています。
赤外線カメラ搭載のドローンと位置情報付き映像共有システムを併用した野生鳥獣調査を行い、有害鳥獣の発見率の向上につながりました(※)。
※”経済産業省公式HP”参照
「徳島県那賀町」ドローンフライトスポット設置による町おこしへの活用
徳島県那賀町では山地の多さや人口密度の低さを逆手にとり、ドローンを使った町おこしに挑戦し、観光資源として活用することを目指しています。
町内各所をドローンの飛行フィールドとして無料で提供し、2018年度には80名弱のドローンパイロットが利用している状況です(※)。
町おこし以外にも野生鳥獣による被害、林業や建設業の効率化にもドローンの活用を目指しています。
※”経済産業省公式HP”参照
ドローンの実用化に向けた今後の取り組みについて
行政における今後のドローンの主な取り組みについては、目視外の有人地帯の飛行を行うための制度である「飛行レベル4」の整備が進められています(※)。
民間と行政が協力し、飛行手続きの簡略化や飛行ルートの選定、サービスとしてのシステムづくりが着々と行われています。
※”内閣官房庁公式HP”参照
自治体による今後のドローン活用に期待
自治体ごとにある問題の解決や住民のニーズを満たすために、ドローンを活用したさまざまな取り組みが行われています。自治体だけではなく、政府としても社会全体に実装していくための整備が進んでいます。災害への対応や過疎地域の利便性を高めるために、ドローン活用の今後の発展に期待していきましょう。