5Gでドローンはどのように進化する?新たな産業誕生の可能性について解説
5Gはドローン進化の重要な鍵と言われています。4Gの次世代移動通信システムである5Gは、通信速度の向上や容量拡大などによって高い通信サービスが受けられるようになりました。本記事では、5Gの導入でドローンがどのように進化するのか解説します。
目次
そもそも5Gとは?
5G(ファイブジー)とは、「第5世代移動通信システム」のことで「5th Generation」の略です。これまで4Gが移動通信システムの基盤となっていましたが、2020年3月から5Gによる通信サービスが開始されました。
4Gと比較して5Gは遅延、汎用性、速度、容量などが大幅に向上されるため、より利便性の高い通信サービスが受けられやすくなります。
4G | 5G | |
最大通信速度 | 最大1Gbps程度 | 最大20Gbps程度 |
最大接続台数 | 1㎞あたり10万台 | 1㎞あたり100万台 |
通信遅延 | 1/100秒遅延 | 1/1,000秒程度 |
5Gの導入によってドローンで実現できること
5Gの導入によりドローン業界でも、今まで実現できなかったことが可能になります。もしかしたら、5Gによって新たなビジネスやサービスなどが誕生するかもしれません。
ドローンの完全自動運転
5Gは、通信速度の速さと1/1,000秒程度の通信遅延のスペックを持ち合わせています。これらのスペックをかけ合わせることで、完全自動運転の実現が可能です。
実現には至っていないものの、車での完全自動運転のスペックをドローンにも応用できれば手動で操作する必要がなくなります。さらに技術力が向上すれば、完全自立でのドローン飛行が可能になるかもしれません。
データのリアルタイム送信
5Gの導入によりドローンで実現できることは、データのリアルタイム送信です。5Gは通信機能のスペックが高いため、4Gよりもスピーディーにデータの送信が行えます。
高解像度の映像や大量のデータもリアルタイムで遅れるので、測定で得た情報や気象データなども速やかに得られるようになるでしょう。
人の手が届かないエリアでの飛行
5Gの導入によって、人の手が届かないエリアでの飛行が可能です。例えばかなりの面積を誇る畑で農薬を散布したり、危険が伴うインフラ点検で活用したりするなど、今まで人の手が届かなかった場所でもドローンを飛ばせます。
とくに災害の場合は建物の倒壊や土砂崩れなどによって救助が難航した場合、ドローンを活用すれば効率よく人命救助にあたりやすくなるでしょう。リアルタイムでの映像送信を活用すれば、効率よく救助活動がしやすくなるかもしれません。
人口密集エリアでの飛行
5Gの導入により、人口密集エリアでのドローン飛行は一部可能です。4Gの場合は「スマホでさえも都心部でなかなかネットにつながらない」といった課題がありましたが、5Gに対応できるようになれば、スマホのみならずドローンの通信も安定しやすくなります。
実際に2022年12月の航空法の改正に伴い、レベル4での飛行が認められるようになっているので、今後とも都心部でのドローン飛行が徐々に活発になってくるでしょう。
ただし、まだまだドローンの飛行可能エリアが限られているため、機体を飛ばす際は注意が必要です。今後飛行可能エリアが拡大されれば、物流や点検、スポーツ観戦などさまざまなシーンでドローンの活用が期待できます。
5Gでのドローン飛行に向けて準備を進めよう
5Gによる通信スペックによって、ドローンは農薬の散布や物流、救助活動などさまざまなシーンで活用できるようになります。もしかしたら5Gでのドローン飛行スペックの向上に伴い、新たな産業やビジネスが生まれるかもしれません。今後のドローンのさらなる進化に期待です。