ドローンの飛行申請の方法と覚えておくべき法律について解説
ドローンの飛行申請の方法を解説。飛行申請を行う前に覚えておくべき法律についても解説します。一般の生活では関わることが少ない航空法や小型無人機飛行禁止法について概要を紹介。これからドローンの飛行を行おうと考えている方に役立つ内容です。
目次
ドローン飛行規制と申請方法
ドローンをはじめとする無人航空機の不適切な事案が発生したことを受けて、無人航空機を屋外で飛行させる際に必要な飛行許可や承認手続きが必要になりました。安全に飛行させるために、覚えておくべき法律や申請方法を覚えておきましょう。
申請において理解しておくべき航空法
航空法とは航空機が安全に飛行できるように定められた法律です。2015年に航空法の一部が改正され、無人航空機の飛行ルールが施行されました。100g以上のドローンは無人航空機に該当するため航空法を順守する必要があります。(※)
(※)“航空局PDF”参照
飛行許可の申請方法
ドローン飛行許可の申請方法は以下のようなパターンがあります。
- オンライン申請
- 郵送による申請
- 持参による窓口での申請
申請先は東京航空局または大阪航空局です。空港等の周辺の上空の空域や150m以上の高さの空域を飛行させる場合は東京空港事務所又は関西空港事務所に申請しましょう。(※)
(※)“国土交通省 公式HP”参照
申請方法の種類
申請方法の種類には以下の2つがあります。
- 包括申請
- 個別申請
包括申請は年間通して飛行を行う場合に行う申請です。業務のために飛行を行う際に、飛行させる日時や場所が決まっていなくても、都度申請する必要ないのでスムーズに実施できます。個別申請は包括申請に該当しないイベントや特定の区域を飛行させたい場合に行う申請です。
飛行申請の書類
飛行申請には以下のような書類が必要です。(※)
- 無人航空機の飛行に関する許可・承認申請書
- 無人航空機の機能・性能に関する基準適合確認書
- 無人航空機を飛行させる者に関する飛行経歴・知識・能力確認書
- 飛行の経路の地図
- 飛行マニュアル
- 無人航空機及び操縦装置の仕様が分かる設計図又は写真(航空局が認める無人航空機は不要)
- 無人航空機の運用限界(航空局が認める無人航空機は不要)
- 無人航空機の追加基準への適合性
- 無人航空機を飛行させる者一覧
- 許可等が必要な内容に応じた追加基準への適合性を示した資料
(※)“国土交通省 公式HP”参照
小型無人機等飛行禁止法について
小型無人機等飛行禁止法は航空法では対象とならない、100g未満のドローンに対して定められている法律です。先ほど紹介した航空法は国土交通省の管轄で、小型無人機等飛行禁止法は警察庁の管轄とされています。(※)
(※)“国土交通省 公式HP”参照
申請方法
申請方法は以下の通りです。(※)
- 48時間前までに、小型無人機等の飛行にかかわる対象施設周辺地域を管轄する警察署に所定の通報書を提出する
- 対象施設の管理者等から同意を得て飛行を行う場合、交付された同意を証明する書面の写しを提出する
- 警察署において実際に飛行させる小型無人機を提示する
(※)“国土交通省 公式HP”参照
機体の提示
一時的に借り受けて飛行させる場合は、借りた者は使用者には該当しないため、変更届は必要ないとされています。貸すだけではなく管理をゆだねる場合は変更届を提出しましょう。
その他の注意点
ドローンを飛行させる上で、避けるべき場所や注意が必要な場所を以下にまとめました。
- 国家的行事やイベントの関連施設の周辺
- 航空機の発着場付近
- 高速道路や新幹線等の上空
- 鉄道車両や自動車等の上空
- 高圧線、変電所、無線施設の付近
飛行申請の流れ
100g以上のドローンの飛行申請の流れを以下にまとめました。(※)
- ドローン情報基盤システムにログイン
- 飛行許可・承認申請書を作成して提出
- 許可書が発行される
- 飛行を実施する際に必要な対応を行う
飛行申請は原則、オンラインのドローン情報基盤システム(DIPS2.0)での申請となっています。DIPSを利用した申請方法について紹介していきます。
(※)“国土交通省 公式HP”参照
ドローン情報基盤システムにログイン
機体登録の際に取得したログインIDとパスワードを用いてログインできます。はじめてDIPS2.0を利用する場合は、アカウントの作成が必要です。
飛行許可・承認申請書を作成して提出
以下のマニュアルおよび申請の手引きに従って、申請書を作成し該当する申請先へ提出します。
ドローン情報基盤システム操作マニュアル(飛行許可・承認申請編)|国土交通省
許可書が発行される
申請書が承認されたら許可書が発行されるので、DIPS2.0内より確認します。紙面での許可書発行を希望した場合は、自身の申請に該当する申請先の住所に返信用の封筒を送付しましょう。
飛行を実施する際に必要な対応を行う
飛行許可・承認を受けた飛行(特定飛行)を実施するにあたっては、飛行計画の通報、飛行日誌の作成が必要です。また特定飛行かどうかに関わらず無人航空機に関する事故等が発生した場合、救護義務及び当該事故の詳細を航空局へ報告する必要があります。くわしくは以下の国土交通省のHPを確認してください。
ドローンの飛行申請は法律を理解してから実施しよう
ドローンの飛行にはさまざまな法律が関係しており、特に航空法や小型無人機等飛行禁止法について理解しておくことが重要です。飛行申請の手続きを踏んだ後も飛行時に実施すべき対応についても知っておく必要があります。これからドローンの飛行を行う方は、この記事を参考に飛行申請を進めてみてください。