ドローンの農薬散布って実際需要があるの?実際に農薬散布を行っているプロに聞いてみた

農薬散布も手掛けるドローンスクール「Bestドローンスクール」

今回お話をお伺いしたのは、愛媛県と香川県でドローンスクールを展開し、実際に農薬散布事業も行っている「BESTドローンスクール」代表の尾花さん。ドローンにおける農薬散布に関して詳しくお伺いしました。

ドローンの農薬散布とは?

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ドローンの農薬散布とは、ドローンの機体に農薬を積載し、畑などに散布する仕事です。
日本の農業が抱える問題として少子高齢化や人手不足、後継者不足があります。ドローンの農薬散布は、これらの問題を解決するための効率的な手段として注目されています。

 

 

ドローン農薬散布のメリット

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ドローンで農薬散布を行う蜷田ってどのようのメリットがあるのでしょうか?単純に考えるだけでも以下のようなメリットが挙げられます。

• 効率的な散布: ドローンを活用すれば、広い農地に対して効率的に農薬を散布できます。
• 肉体的負荷の軽減: 手作業での農薬散布は肉体的に大変ですが、ドローンを使えば負担が軽減されます。

メリットについて専門家に伺ってみました

Qドローンによる農薬散布の主なメリットとは?

A.一番は作業負担の軽減ですが作業時間の短縮や作業効率の向上などが上げられ、薬剤が斑なく散布できるなどさまざまなメリットがあります。

Q通常の農薬散布と比較した場合のメリットは?

A.”農薬や肥料の散布を人力で行う場合、液剤の入った重い噴霧器を背負って散布する必要があったり、薬剤の準備にも時間がかかります。夏場は特に暑く、日差しも厳しく、とてもきついですが、ドローンで農薬散布をすれば、作業負担は大幅に軽減されます。重い噴霧器を背負う必要もなく、1haあたり約10分で散布が完了し、準備も簡単で、圃場内の散布量が斑になりにくいところがメリットを感じていただけると思います。

肉体的な負担を減らすだけではなく、満遍なく効率的に散布が行えるという点もドローンによる散布は優れているんですね!
1ha=10000㎡なので時間的にも早いことがよくわかります。

 

ドローンでの農薬散布を始めるためには

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では、実際にドローンによる農薬散布を行いたいと考えた場合、どのような事が必要になるのでしょうか?この点もお伺いしてみました。

Q農薬散布をする場合に必要となる資格や技能はありますか?
A.機体によっては専用のライセンスが必要になる場合も多くありますし、訓練を行う必要があります。また、飛行申請は必要です。DIPSへの機体登録や飛行許可/承認申請、飛行計画の入力/飛行日誌、点検表の記入が必要となります。
※飛行申請に関して詳しくはこちらの記事をご覧ください。

Q農薬散布をする場合に必要な機材は?またその費用は?
A.農薬散布用のドローンは約200円~350万円ほどの費用がかかります。また、パイロットのライセンス取得に約0~30万円ほどの費用が必要になります。ライセンスに関しては費用をかけないという選択も可能ですが、初めて行うという場合には専門のスクールでライセンスの取得や操縦方法など費用をかけて身に付けることをお勧めします。

Q0から始めてどのくらいの期間で散布できるようになりますか?
A.きちんと訓練さえ行えば、1週間ほどで散布自体はできますが、実際に散布を行う場合2年は経験したほうがいいですね。1年ほど使わない期間が空いてしまうと忘れていることも多いので。

Qまずはどのように始めればいいですか?サポートを受けられる施設等はありますか?
A.まずは近隣で散布を行っている方に聞くのが1番です。あとはスクールや講習団体に聞くのもいいと思います。スクールの方がサポートは受けられます。BESTドローンスクールでも農薬散布に関してのご相談は受け付けておりますので、農薬散布を始めてみたい方や、実際に農薬散布を希望される方などお気軽にお問い合わせください。

ドローン農薬散布ビジネスの将来性

ドローンの農薬散布ビジネスの将来戦に関しては、一般的には以下のように考えられています。
• ドローン農薬散布は、今後さらに需要が高まることが予想されます。
• 農業の効率化を目指す現在において、ドローンを活用した農薬散布は優れたビジネスチャンスです。

では、実際にそのビジネスを行っている方の生の声はどうなのでしょうか?

Qビジネスとして儲かりますか?
A.儲かるかもしれませんが、需要があるかどうかですし、農作業の負担軽減や業務効率を考えた1つのツールだと思います。儲け先行でビジネスに取り組むべきではないかなと思います。

Q需要としてはどの程度あるのでしょうか?
A.実際需要はとてもありますが、ここは地域にもよるので難しいです。もし農薬散布をビジネスとして始めたいという場合には、始めようと思っている地域の調査は必ず行った方が良いと思います。実際に我々が散布を行っている地域でも1回の散布面積が4ha~300haと地域によってかなりの差があります。

Q農薬散布の費用相場は?
A.作物や地域/時期にもよりますが、大体1反(0.1ha)あたり2,000円前後が相場です。

Q今後ドローンでの農薬散布は増えていきそうでしょうか?
A.まだまだ需要は高まると思います。ヘリに比べてもコストが低く、操縦性が安定しているドローンがいろいろな分野で急速に拡がっているので、農業分野でもまだまだ需要は高まっていきそうです。

地域差はかなりあるようですが、潜在的な需要はまだまだ大きそうですね!今後も農業分野でのドローンの活躍には注目ですね。

ドローン農薬散布の事例

今回お話を伺った尾花さんたちが実際に行った農薬散布の事例をご紹介します。

case.1 愛媛県西条市(水稲)

使用機体:DJI T20
人員:操縦者・補助者各1名
散布面積:4ha
作業時間:2時間(準備・移動時間含む)
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case.2 愛媛県西条市(さといも)

使用機体:DJI T20
人員:操縦者・補助者各1名
散布面積:6ha
作業時間:6時間(準備・移動時間含む)
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case.3 徳島県(水稲)

使用機体:DJI T20
人員:操縦者・補助者各1名
散布面積:7ha
作業時間:5時間(準備・移動時間含む)
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case.4 兵庫県(水稲)

使用機体:DJI T20
人員:操縦者・補助者各1名
散布面積:7ha
作業時間:5時間(準備・移動時間含む)

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まとめ

ドローンによる農薬散布の需要は確実に存在しており、今後更なる拡大をすることは間違いなさそうですね。
ただ需要は地域によって差があるので、もし事業としてドローンでの農薬散布を始めたいと考えている場合は調査や技能も必要になるので、お近くのドローンスクール等に相談してみるといいかもしれません。

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