【Japan Drone2024出展企業レポート】ドローンでできるのは点検業務だけではない!ドローンにスプレー作業が任せられる『SABOT』<東洋製罐株式会社>
2024年6月5日から7日にかけて、幕張メッセで行われていたJapan Drone2024。 261社・団体が出展した中に「東洋製罐株式会社」もありました。 同社ブースでは、ドローン用スプレー缶噴射装置『SABOT』の紹介が行われていました。
目次
『見るだけ』から『作業する』へ
東洋製罐株式会社のブースに大きく書かれた「『見るだけ』から『作業する』へ」。
このメッセージは、正に同社が展開している『SABOT』を端的にあらわしていました。
『SABOT』は、同社が提供しているドローン用のスプレー缶噴射装置の名称です。
ドローンに装着する事で、高所などのスプレー作業をドローンに任せることができます。
カメラ機能などを利用した点検作業などが目に行きがちですが、アタッチメントを装着する事でドローンに「作業する力」が与えられるのです。
ドローン用スプレー缶噴射装置『SABOT』とは
『SABOT』は、世界初となるドローンに着脱可能な遠隔型スプレー缶噴射装置。
DJI社のSKYPORTを採用する事で、『SABOT』は工具レスかつンタッチでドローンに装着できるようになっています。
開発もDJI社のPAYLOAD SDKでされている事から、装着すれば『SABOT』が自動的に飛行制御アプリ「DJI Pilot」に認識されるので、ドローンの操作に影響を与えることも取り回しの汎用性を損なう事もなくなっています。
『SABOT』専用スプレー缶
『SABOT』がスプレー作業するうえで装着するスプレー缶は『SABOT』専用のものとなっています。
ドローンでの運用を前提とした設計で、二重構造となる「Bag-On-Valve(BOV)」が採用されています。
専用缶ということもあり、『SABOT』はスプレー缶を交換するだけで作業を継続できます。
その作業も錠を外してカバーを開閉するだけというシンプルなものになっています。
多様な効果のある専用缶
『SABOT』専用スプレー缶には、複数のバリエーションが用意されています。
・マーキング剤
ベースに顔料を加えることで調色が可能になっており、蛍光色のようなマーキングに最適な色合いも使用できます。
飛散や液垂れが抑えられている一方で、除去性にも優れています。
・黒サビ転換剤
サビの進行が速い赤サビを化学的に安定している黒サビに変換できる液剤です。
防サビやサビの進行を抑制するために用いますが、自然由来成分を使用する事で環境への影響に配慮しています。
・タッチアップ塗料
乾燥することでゴムのような柔軟性のある被膜に変化する水性塗料です。
タッチアップ塗装に利用できるほか、屋根の雨漏り個所の簡易補修に利用されています。
また、耐用期間等を実証実験で現在確認中となっています。
・鳥忌避剤
メントール臭や辛味成分、特殊香料などを調合した鳥が不快感を抱く忌避剤の散布ができます。
糞や鳴き声といった鳥害対策に利用できます。
ドローンを使用する『SABOT』ならではの、鳥が営巣する高所への吹き付けが可能です。
・コンクリート表面含浸材
鉄筋コンクリートの劣化を防ぐコンクリート表面含浸材です。
塗布する事で吸水防止層を形成し、浸水を防ぐだけでなく内部の水分を水蒸気として放散させ、内部の鉄筋の腐食を防止する機能を果たします。
コンクリート構造物の劣化要因である塩害や凍害被害からも守ります。
・はく落防止剤
『SABOT』の増槽オプションを用い、噴射ノズルの手前で2種の液剤を混合して噴射する薬剤です。
混合すると数時間で硬化するこの薬剤は、コンクリートのはく離箇所に対しての応急処置として利用可能です。
動画で見る『SABOT』
東洋製罐グループでは、公式YouTubeチャンネルで『SABOT』の紹介動画も公開されています。
こちらの動画では、『SABOT』のドローンへの装着やスプレーの取り付けがシンプルで分かりやすい事などもチェックできますよ!