ドローンの測定で必要な標定点とは?役割や設置方法も解説
今回は、ドローンの測定で必要な標定点について解説します。ドローンの測定で得られる情報や、なぜ標定点が必要なのかを細かく紹介するのでぜひ参考にしてみてください。
目次
ドローンの測定で必要な標定点とは?
標定点とは、ドローン測量の精度を向上させるために、空中写真に写す標高と水平基準が明らかな基準点のことです。この標定点をドローンのカメラに写りこませて精密な3Dモデルを作ります。
標定点が必要な理由
ドローンの測量に標定点が必要な理由は、より正確かつ精密度を保つためです。標定点を使用しないGPS情報だけでは、数メートルといった誤差が生じてしまうため補正をしなければなりません。GPSと標定点をともに使用すると、誤差を数センチにすることができます。
ドローンの測定で得られる情報
続いて、ドローンの測量で得られる情報を解説します。
3次元点群データ
3次元点群データとは、「点」の集合体でそれを3Dモデルに変換したデータのことをいいます。物体や地形を立体的に見ることができ、平面図や断面図など色々な設計に役立ちます。
オルソ画像
上から見た写真上の物体は、凹凸により立体かつ位置のズレが生じます。これをオルソ画像にすると、物体の面積や距離を正確にでき、位置のズレをなくせます。
標定点の設置方法
それでは、標定点の設置方法やポイントを解説します。
標定点・検証点を設置する場所を決める
https://www.gsi.go.jp/common/000186712.pdf
まず、標定点・検証点の設置場所を定めます。カメラの角度は真下の90℃で設定し、設置場所を決めて目印となる対空標識を置きます。
(※)“国土交通省 公式HP”参照
標定点・検証点の位置に対空標識を置く
https://www.gsi.go.jp/common/000186712.pdf
続いて、標定点・検証点の位置に対空標識を置きます。
対空標識の辺長又は円形の直径は、撮影する空中写真に15画素以上で写る大きさを標準とする。対空標識の色は白黒を標準とし、状況により黄色や黒色とする。
(※)“国土交通省 公式HP”参照
標定点・検証点の位置を計測する
標定点と検証点の座標を計測します。座標を計測する方法は、トータルステーションやGNSS測量を使用します。
標定点を設置する際の注意点
最後に、標定点を設置する際の注意点を紹介します。
天候を考慮する
近年、防水のドローンの開発も進んでおり、雨や水中でも飛行できるものもあります。しかし、機械であるためショートしてしまったり、錆びたりしてしまうと故障する原因となるので無理に飛ばさないことをおすすめします。
また、ドローンは強風だと操縦しにくくなるため、正確な測定が難しくなります。落下や衝突する可能性もあるので強風時も飛行を取りやめましょう。
周囲に障害物がないか確認する
ドローンを飛ばす周囲に木や建物、人がいないことを確認してから飛行させましょう。障害物が邪魔をして測定できなかったり、周囲に被害が及ぶケースも考えらえます。十分な距離を保てない場合は、場所を移動したり様子を見て飛ばすと良いです。
標定点とは正確な座標がわかっているポイントのこと!
今回はドローン測量に必要な標定点について解説しました。標定点とは、ドローン測量の精度を向上させるために、空中写真に写す標高と水平基準が明らかな基準点のことです。3次元点群データにより立体的に見えたり、オルソ画像により位置のズレをなくせます。