【国際ドローン展企業レポート】ドローンによる点検・測量から空撮に農林業サポートまで<九電ドローンサービス>

2024年7月24日から26日にかけて、東京ビッグサイトで催された展示会『国際ドローン展』。 40の企業・団体が出展したブースのひとつに「九電ドローンサービス株式会社(以下、九電ドローンサービス社)」もあった。こちらのブースでは、九電ドローンサービス社が提供する各サービスの説明や実際に現場で用いられているドローンの展示が行われていた。

九電ドローンサービス社の主なサービス

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九州電力株式会社の出資で、2024年4月に設立した九電ドローンサービス株式会社。
ここでは、九電ドローンサービス社が展開している事業として「点検サービス」「測量サービス」「空撮サービス」「農業・林業サービス」について見ていこう。

点検サービス

九電ドローンサービス社では、ドローンを使った点検サービスで「点検作業の効率化」と「低コスト化の実現」に向けたサポートをおこなっている。
特に注力している事業であり、このサービスは全国展開も行われている。

ドローンを活用した点検作業を行うメリットは、足場設置作業などを削ることによる工期の短縮だけでない。
危険な狭所や高所での作業を減らすことが可能であり安全確保ができる。

さらに、足場設置や安全対策費などのコスト削減にもつながっていく。

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同社では、社内検証を実施した非GPS環境下も飛行可能な点検用のドローンを活用している。
特に、球体ドローンの『ELIOS3』、超狭小空間点検ドローン『IBIS 2』、ビジュアルSLAMを搭載した『Skydio 2+』に注力しており、複数台所有しているという。
これらの機種は九電ドローンサービス社で機体販売を逐次行っていく予定とのことだ。

今回のブース展示にはなかったが、他にも自動走行ロボット『AVG』や産業用『水中ドローン』も所有しており、AIとの組み合わせたサービスも展開されている。

九電ドローンサービス社では、煙突・ボイラー内点検や配管内部・天井裏点検、橋梁点検に自動巡回点検といった点検作業それぞれに最適なドローンを選ぶことで、顧客の求めているサービスを提供していく。

また、撮影データから3Dモデルやオルソ画像を作成し、様々な環境の現場での点検作業に対応できるよう操縦者も配備されている。

ドローン点検実績

●煙突・ボイラー内点検
●配管内部・天井裏点検
●橋梁点検
●自動巡回点検
●洞道点検
●水中点検

測量サービス

ドローンを活用すれば、高所から超高解像度カメラ(PhaseOne)による写真測量やレーザー機材を用いたレーザー測量を行える。
九電ドローンサービス社では、高密度点群をもとに1~50㎝メッシュで算出できるため、ドローンでボリュームを測る場合は地上測量と同等以上の精度を担保できるとしている。

さらに、精度を担保するため、対地高度を一定に保って飛行する自動飛行プログラムのソフト(特許取得済)を開発し、作業時には同ソフトを使用しているとのことだ。

ドローン測量実績

●造成地区盛土・切土 土量算定
●森林作業道新設 地形計測
●災害時の最新地形調査

空撮サービス

近年、観光資源や各種イベントのPRなどにドローン空撮が使用される頻度も高くなっている。
九電ドローンサービス社でも空撮サービスを展開しており、4K/12Kの超高画質な静止画や動画の撮影や映像制作、よりリアルに近い体験ができるVRコンテンツとなる360度パノラマVRの制作、空撮LIVE配信への対応などが行われている。

農業・林業サービス

九電ドローンサービス社では、農林業サービスとして「農薬散布」「農地・作付調査」「農林資源の見える化」などを提供している。
ドローンを活用することで、農地や森林資源の管理を低コスト化、農林業の人手不足を解消するサポート、ドローンに搭載された高精細カメラにより整備状況や作付け状況の確認の短縮と効率化が図れるとしている。

九電ドローンサービス社の強み

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九電ドローンサービス社には、50名以上のオペレーターが在籍。しており、現場までスピーディーにオペレーターを派遣する事ができる。

九電グループのプラントや設備を利用した実証とこれまでの点検実績などから、インフラ点検で培った確かな技術力を有している同社。
顧客ニーズを捉えながらのサービス開発と現場経験豊富なオペレーターによる提供体制、最先端のドローンを含む充実したドローンの準備など多くの強みがある。

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最後に、現在注力している自律四足歩行ロボット『Spot』の運用についても、ダム堤体内部の点検を行う監査廊や地下トンネル内の洞道内部点検など、様々な条件下で現在実証実験を行っている最中とのこと。
今後の活躍とサービスの拡充についても期待が募る。

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