登山でドローン飛行を楽しむための注意点|許可申請や飛行条件を紹介

イメージ画像

出典:pixta.jp

登山で美しい景色を空撮したいときに、ドローン飛行を思い浮かべる人は多いでしょう。付近の登山者や気流、飛行高度などドローン飛行を楽しむ上で注意しなければいけないポイントがあります。本記事では、登山でドローン飛行を楽しむための注意点や許可申請などを紹介するので、ぜひ目を通してみてください。

ドローン飛行の前に機体登録しよう

イメージ画像

出典:pixta.jp

日本国内でドローン飛行を楽しむ際は、使用する機体の重量によって機体登録を行う必要があります。重量100g以下のドローンは、航空法の範囲内であれば自由に飛行できますが、重量100g以上のドローンを飛行させる場合、事前に機体登録を済ませなければいけません。

機体登録をすることで「ドローンの所持者を明確にする」「事故や墜落の原因を探れる」などのメリットがあります。国土交通省のドローン情報基盤システム2.0から申請可能です。また、登録に必要な書類を郵送で提出することで登録できます。

機体登録をせずにドローンを飛行させた場合、1年以下の懲役又は150万円以下の罰金(※)が科されるので注意してください。

※“航空法 第百五十七条の四”参照

登山でドローン飛行するときの許可申請

イメージ画像

出典:pixta.jp

登山でドローン飛行を楽しむ際に、事前に許可申請が必要になる項目について紹介します。登山でのドローン飛行には、強風や天候の変化などさまざまなリスクが発生するので、必ず確認するようにしましょう。

高度150m以上の空域での飛行

ドローン飛行は、機体の重量を問わず地表から高度150m以上の空域で禁止されています。山頂でドローンを飛行させて、気付かないうちに規定以上の空域を超えているというケースは珍しくありません。

機体トラブルによる落下や鳥類との激突など、ドローンが地表に落ちることで甚大な被害が起きる可能性があります。そのため、登山でドローン飛行を楽しむ際は、飛行高度に十分に注意が必要です。

目視外・夜間飛行

ドローン機体を直接視認できない目視外飛行や、機体の位置や周囲の状況を把握しづらい夜間飛行も禁止されています。夜間飛行に関しては、監督下でドローン飛行に関する講習や訓練を経験した上で、国土交通省許可申請を提出しなければいけません。

また、国土交通省への申請が通過して夜間飛行させる際も、目視外飛行を行うと航空法違反となるため禁止されています。目視内飛行を遵守した上で、ドローンの周囲の状況を把握しながら飛行を楽しみましょう。

周囲の人や物から30m以上の距離をとる

登山でドローン飛行を楽しむ際には、不特定多数の登山者や建物から一定の距離を取らなければいけません。30m未満の距離でドローンを飛行させたい場合は、事前に国土交通省へ許可申請を提出することが義務付けられています。

ドローン操縦者及び補助者は、30m未満の距離でドローンを飛行させたとしても、航空法違反にはあたりません。操縦に関与しない人や建物の周辺で飛行することはできないので注意してください。

積載物の輸送

可燃性物質や火薬類など、危険物にあたる積載物をドローンで輸送することも禁止です。災害救助や人命救助の際に物資を輸送する際も、事前の許可申請が義務付けられています。

墜落時のパラシュートに使用する火薬類や、飛行に必要なバッテリーなどは危険物に該当しません。事前に航空法を確認し、輸送を行う際は十分に注意しましょう。

登山でドローン飛行するときの申請先

イメージ画像

出典:pixta.jp

登山でドローンを飛行させる場所によっては、国土交通省の他に飛行申請を行わなければいけない場合があります。山は場所ごとに所有者が異なる場合があるので、無断でドローンを飛行させることはできません。ここからは、登山でドローン飛行するときの申請先を紹介します。

国有林

国有林とは、国が所有している森林で、国民の共通財産を指します。国有林でドローン飛行を行う場合は、事前に管轄の森林管理局へ入林届を提出する必要があります。

ドローン操縦者が入林届を記入しなければいけないので注意してください。提出には1週間ほど余裕を持っておきましょう。また、入林する際にも入林届が必要となるので、ドローン飛行を楽しむときに必ず携帯してください。

民友林・私有林

民有林と私有林は、国が所有していない森林を指します。具体的に、民有林は都道府県や市町村、私有林や企業や個人が所有しているのが特徴です。許可を得るには、該当する都道府県や市町村に一度問い合わせて、その後手続きの段取りを確認しなければいけません。

国有林と比べて、民有林と私有林はドローン飛行許可が降りやすい場所もあるので、飛行の前に下調べを済ませておきましょう。

登山でドローン飛行を楽しむための注意点

イメージ画像

出典:pixta.jp

登山でドローン飛行する際は、地上での飛行よりも注意しなければいけない項目が多いです。トラブルが発生するリスクが高い上、航空法を遵守しながら飛行させるので、十分な飛行経験を積むことがおすすめ。ここからは、登山でドローン飛行を楽しむための注意点を紹介します。

気流の乱れ

山でのドローン飛行は、山風や谷風など気流の乱れに注意しましょう。風速や風向きを予測しづらく、場合によっては突風が発生してしまい操縦不可の状態まで陥るリスクがあります。

飛行当日までに綿密な飛行ルートを計画することで、被害が発生するリスクを抑えるようにしてください。

山の天候

天気予報の情報だけを信じて登山に訪れたけど、急に天候が変わってしまい登山できなくなった経験がある方は多いでしょう。山は突発的な自然現象が発生しやすいので、ドローン飛行には十分に注意しなければいけません。

少しでも飛行が困難になりそうだと思ったら、すぐドローンを手元に回収して飛行を中断するようにしてください。

野鳥への衝突

登山中にドローン飛行を楽しんでいる際に、野鳥が現れたらすぐにドローン飛行を中止するようにしてください。集団行動で飛んでいる野鳥も多く生息しているので、気付けば仲間を連れてドローンが野鳥に囲まれる恐れがあります。

そのため、野鳥の姿を見かけたら襲われる前に、手早くドローンを回収するようにしてください。

GPS受信数

登山中は、GPSが受信しづらい状況下で飛行させなければいけません。そのため、飛行途中にGPSが途絶えてしまい、風に流されて回収しづらくなるケースも考えられます。

目視内飛行を遵守しても、ドローン機体を見失ってしまうリスクが高いので、GPS受信数に気をつけながら飛行するようにしましょう。

登山でドローン飛行を楽しもう

イメージ画像

出典:pixta.jp

登山でのドローン飛行には、気流の乱れや野鳥の衝突、天候の変化などさまざまな注意点があります。また、ドローン飛行を楽しむ前に包括申請を行う必要があるか確認しておきましょう。法律違反にならないように、登山でドローン飛行を楽しむ際には本記事を参考に対策を練るようにしてください。

関連記事

ドローンセミナーを受けるメリットとは?スクールとの違いを解説

初めてドローンを操縦する方だと、セミナーに参加するべきなのか迷うところがあるかもしれません。本記事では、ドローンセミナーを受けるメリットについてご紹介!スクールとの違いを押さえつつも、具体的なプログラム内容についても解説します。

  ドローンガイド編集部

ドローン飛行は雨の日でも大丈夫?防水ドローンや悪天候時の注意点も紹介!

本記事では「ドローンは雨の日でも飛ばせるのか」という疑問や、雨の日に飛ばした際に起こりうるリスクについて解説。万が一、水に濡れてしまったときの対処法や防水ドローンについても紹介します。ドローンを雨の日でも使いたいと考えている方は、リスクや問題点をしっかり把握しておきましょう。

  ドローンガイド編集部

ドローンは鳥に襲われる?カラスやトンビなどへの注意点と対処法を解説

本記事では「ドローンは鳥に襲われるのか?」という疑問について徹底解説。ドローン飛行時にとくに注意したい鳥や、襲われた時の対処法についても紹介します。「ドローンを飛ばしたいけど、鳥に遭遇してしまわないか心配」と考えている方は、事前に危険性を確認しておきましょう。

  ドローンガイド編集部

ドローンの電波が届く距離は?干渉を防ぐ方法や電波法について解説

ドローンの電波が届く距離や特徴を理解して、適切にドローン飛行を行うことが大事です。電波干渉があると、電波が届く距離は通常より短くなってしまいます。本記事では、ドローンの電波の距離や電波干渉を防ぐ方法についてわかりやすく解説するので、参考にしてみてください。

  ドローンガイド編集部

アメリカでのドローン飛行は許可が必要?法律や機内持ち込みの注意点について解説

アメリカにおけるドローン飛行の法律について、レクリエーション目的と商業目的の2つに分けて解説します。ドローンを飛行機に持ち込む際の注意点も紹介するので、アメリカでのドローン飛行を目指す方は本記事を参考に準備を整えてみてください。

  ドローンガイド編集部