【危機管理産業展企業レポート】災害対策本部が受け取る情報をドローン活用で信頼できるものへ<株式会社コア>

2024年10月9日から11日までの3日間にわたり、東京ビッグサイトで催された展示会『危機管理産業展(RISCON TOKYO)2024』。あらゆるリスクに対処するため、多くの企業・団体が出展したブースのひとつに「株式会社コア(以下、コア社)」もあった。こちらのブースでは、コア社が提供する各サービスの説明や、実際に現場で用いられているドローンの展示が行われていた。

自治体向けサービス『BCP防災ソリューション』

イメージ画像

株式会社コアは、自治体向けの災害対策本部の意思決定支援システム『BCP防災ソリューション』についての展示・説明をブース内で行っていた。
また、株式会社ACSLとコア社が共同開発したドローン「ChronoSky PF2-AE」を活用することで、人の立ち入りが危険なエリア・早急に向かうのが難しいエリアの情報を迅速に取得できるようになる、といった説明が行われていた。

『BCP防災ソリューション』とは

『BCP防災ソリューション』は、災害発生時に情報収集・蓄積・可視化をすることで、災害対策本部が信頼できる情報を基に意思決定できるように支援するためのシステムだ。
コア社では、AIを活用することで発災時に有効な情報を抽出する仕組みを構築、迅速な意思決定を実現できるとしている。

災害対策本部に入る情報は多岐にわたる

災害発生時に災害対策本部が受け取る情報は、下記のように多岐にわたる。

・住民からの大量の電話対応
・住民からの画像・映像提供
・ライフライン情報
・ドローン映像
・車両情報(ドライブレコーダー連携)
・河川などのライブカメラ映像
・遠赤外線カメラ映像

従来は、大量の電話対応に災害対策本部のリソースが割かれてしまう、収集した情報の信頼性が分からない、職員間の情報共有ができていない、などの状況が発生することなどから、迅速な意思決定が難しいという課題があった。

情報登録の効率化にもつながる

『BCP防災ソリューション』を活用することにより、大量の情報を効率的に情報登録できるようになる。
コア社は、このサービスを現状発生しうる課題解消につながるものと位置付けている。

●発災時、窓口対応者の業務のサポート
生成AIを用いた通話記録、不足情報のサジェスト機能
『BCP防災ソリューション』は、通話記録データを読み込むと通話内容から情報登録を一括で行うことが可能となる。
必要項目がヒアリングできていない場合は、取得できていない旨も通知されるので、情報の抜けを防ぐことができる。

●被害状況の早期把握
ライブカメラ、車両の位置情報を一元的に管理できるため、正確な意思決定のための支援となる。

●職員間の情報共有
指示の確認や結果登録が、システム上で完結できる。
さらに、同じ『BCP防災ソリューション』を閲覧している職員同士ならば、最新情報に常にアクセスする事が可能となっている。

『BCP防災ソリューション』におけるドローン活用

『BCP防災ソリューション』では、人が立ち入るのが危険なエリアの情報を迅速に取得するため、ドローンとの連携も想定されている。

利用されるドローン「ChronoSky PF2-AE」

イメージ画像

コア社で採用しているのが、みちびき信号認証対応ドローン「ChronoSky PF2-AE」だ。
信号認証により、ドローンの安全な飛行を確立できるため、災害時でも高精度な操作が期待できる機体となっている。

〇信号認証機能
みちびきから配信される電子署名を用いた、信頼性の高い安全な信号認証技術を実装。
この信号認証機能とは、測位信号が本当に測位衛星から送信された信号であるかを確認する機能となっている。

〇対GNSSスプーフィング機能
GNSSスプーフィングは、GPS・GNSS信号を利用した攻撃方法。
悪意ある第三者が偽のGNSS信号を使うことで、受信機の位置を欺くという悪質な行為だ。

対GNSSスプーフィング機能は、この攻撃を防ぐための機能となっており、「ChronoSky PF2-AE」には下記のような機能が備わっている。

・CLASによるセンチメータ精度の位置情報をドローンで活用
・GNSSスプーフィングによるなりすましに惑わされることなく、正確な飛行をおこなう
・GNSSスプーフィングを受けた際、プロポへのメッセージ出力することでユーザーへ通知を行う

『BCP防災ソリューション』で「ChronoSky PF2-AE」が採用された理由

みちびき対応ドローンとなっている「ChronoSky PF2-AE」。
そのため、携帯圏外でも高精度測位が可能な機体となっている。
そして、信号認証機能によりドローン単独で偽のGNSS信号を検知できるので、乗っ取りが防止できる。

このように、高い安全性を保持している事から、発災時の情報収集に利用する『BCP防災ソリューション』に採用されているのだ。

関連記事

【Japan Drone2025出展企業レポート】ドローンショーは屋外だけではない!『FYLo EDU-JP』が屋内ドローンショーを変える!?<株式会社レッドクリフ>

2025年6月4日から3日にわたり、幕張メッセで開催された「Japan Drone2025」。 企業出展していた「株式会社レッドクリフ」は国内でもトップのドローンショーのプロモーションカンパニーだ。 ブースでは、屋外ショー用ドローンだけではなく、屋内ショー用ドローンや教育プログラミング用ドローンも展示されていた。

  yoshi

【Japan Drone2025出展企業レポート】ドローンが壁を這う!?『壁面接触作業ドローン』<西武建設株式会社>

2025年6月4日から3日にわたり、幕張メッセで開催された「Japan Drone2025」。 企業出展していた「西武建設株式会社」では、建築研究所・東京理科大学と共同で開発を進めている『壁面接触作業ドローン』の2024年度までの研究・開発内容について発表・公開が行われていた。

  yoshi

「HOVERAir X1」の最新機種、『PRO』『PROMAX』のメディアブリーフィングに参加。MQ Wang氏による商品説明・デモ飛行が行われた

2025年5月20日より予約が開始したAI飛行カメラ『HOVERAir X1 PRO』『HOVERAir X1 PROMAX』。 同日、同機体を開発したZERO ZERO ROBOTICSのCEO・MQ(Mengqiu) Wang氏による商品説明やデモ飛行といったメディアブリーフィングも行われた。 DroneGuideも、このメディアブリーフィングに参加したので、現地での説明を交えて『HOVERAir X1 PRO』『HOVERAir X1 PROMAX』の特徴について見ていきたいと思う。

  yoshi

夜空に描かれたホワイトタイガーにジェットコースター!『東武動物公園ドローンショー2025』現地レポート

2025年3月29・30日の2夜、東武動物公園初となるドローンショー『東武動物公園ドローンショー2025』が開催された。 DroneGuideでは、2日目となる30日に現地取材を行いました。

  yoshi

豊洲の夜空に再びミャクミャクが現れた!『いよいよ開幕!大阪・関西万博スペシャルドローンショー』の現地レポート

3月27・28日と2夜連続で開催を予定されていた『いよいよ開幕!大阪・関西万博スペシャルドローンショー』。 会場となった豊洲公園周辺の天候の都合上、27日こそ中止となったが、28日は時間通りにドローンショーが開催! DroneGuideでは、現地の様子を取材してきました。

  yoshi