【2025最新】ドローンの包括申請とは?更新の概要と手続きの流れを徹底解説

ドローンの包括申請について解説します。包括申請の更新手続きやタイミングだけでなく、メリットたよくある疑問点についてもわかりやすくまとめました。ドローンの包括申請の更新を検討している方は、ぜひ参考にしてみてください。

ドローンの「包括申請(全国包括許可承認申請)」とは?

航空法では、特定の条件下でのドローン飛行には国土交通省の許可・承認が必要とされています。これには、人口集中地区(DID)での飛行や夜間飛行、目視外飛行、人や建物から30メートル以内での飛行などが含まれます。「包括申請」は、一定期間にわたって繰り返し飛行を行う場合に、一括して許可を得る方法です。業務でのドローン運用や頻繁に飛行させる場合に便利な制度です。

包括申請と個別申請の違い

個別申請は、特定の日程・飛行経路ごとに許可を取得する方式で、飛行のたびに申請が必要です。そのため、申請内容に変更がある場合、再申請しなければなりません。スケジュールが確定している場合に向いており、比較的承認が得やすいのが特徴です。

一方、包括申請は、一定期間内で複数の飛行をまとめて申請できる方式です。1回の申請で1年間(最長)の飛行許可を取得でき、飛行経路が特定されていなくても許可が下ります。そのため、業務や調査目的で頻繁にドローンを飛ばす場合に適しています。

申請方法 包括申請 個別申請
許可期間 最長1年間 指定された日程のみ
飛行経路 複数の場所で飛行可能 特定の飛行経路
申請頻度 1回の申請で期間内は不要 飛行のたびに申請
柔軟性 高い(スケジュール変更可) 低い(変更不可)

ドローンの包括申請の更新とは?

イメージ画像出典:pixta.jp

ドローンの包括申請とは、国内で最大1年間、一定の要件のもとで日時・場所を指定せずにドローンの飛行許可を申請する方法です。

ドローンの包括申請を更新すると、飛行許可の期限を更新できます。

飛行許可の期限を更新できる

包括申請を更新することで、ドローンの飛行許可の有効期限を延長できます。飛行許可の有効期限が切れてしまう前に、更新の手続きを済ませましょう。

同一内容での更新のみ可能

注意が必要なのは、更新時には同一内容での申請しかできないという点です。もし操縦者の追加やドローンの追加、飛行マニュアルの変更が必要な場合は、別途「変更申請」が必要となります。

2022年11月以前の許可を更新することはできない

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2022年12月に、国のオンライン申請システムがDIPS2.0にアップデートされました。このため、2022年11月以前に旧システムで取得した許可の更新はできません。

旧システムでの許可を持っている方はDIPS2.0で新規申請が必要になるため、注意が必要です。不安な方は、行政書士への依頼も検討してみるとよいでしょう。

“DIPS利用ガイド/マニュアル” 参照

ドローンの包括申請を更新するタイミング

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包括申請の更新手続きは、期間の満了の日の40開庁日前から10開庁日前までに行いましょう。役所の窓口が開いている日を基準にするため、土日や祝日は除外されます。

このタイミングを逃すと、最初から申請し直す必要があるため注意が必要。また、許可のない状態で飛行してしまうと、航空法違反となる可能性もあるので、更新は忘れないようにしましょう。

“無人航空機の飛行に関する許可・承認の審査要領(カテゴリーⅡ飛行)” 参照

ドローンの包括申請を更新する手順

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ここからは、ドローンの包括申請の具体的な更新手順を紹介します。

  1. DIPSにログイン
  2. 更新する申請書を選ぶ
  3. 該当の申請書を作成する
  4. 内容を確認して申請する
  5. 飛行許可書をダウンロードする

それぞれのステップについて、詳しく解説していきます。

1. DIPSにログイン

最初に、ドローン情報基盤システム(DIPS)にログインします。包括申請の際に登録したアカウント情報(ログインID、パスワード)を使用して、正しくログインしましょう。

更新であればアカウントは作成済みのはずですが、アカウントを開設していない場合は先に開設が必要です。また、その場合は新規申請が必要となります。

ドローン情報基盤システム(DIPS)へのログインはこちら

2. 更新する申請書を選ぶ

ログイン後、飛行許可・承認メインメニューのページから「更新申請」を選択しましょう。次に、申請書一覧から更新したい対象の申請を選びます。

なお、一覧に表示されるのは、申請状況が「審査終了」または「手続き終了」のものであり、満了日まで2ヶ月以内の申請のみです。万が一期限が切れてしまった場合は、期限が切れた許可承認書を複製して申請しましょう。

3. 該当の申請書を作成する

選んだ申請書に基づいて、更新する飛行日時などの必要な情報を入力します。特に誤りがないよう、慎重に入力するようにしてください。

なお、更新においても、新規申請時の期間と同様に期限は1年間が最大となります。

4. 内容を確認して申請する

全ての情報を入力したら、内容を再度確認します。誤りがないかをしっかりチェックした上で、申請を完了させます。処理結果が表示されたら完了です。

5. 飛行許可書をダウンロードする

申請が受理されると、飛行許可書が発行されます。飛行許可書をダウンロードして、適切に保管しておきましょう。

包括申請を行うメリット

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出典:pixta.jp

包括申請には、以下のような利点があります。

飛行の度に申請手続きが不要

個別申請の場合、飛行ごとに申請を行い、承認を待たなければなりません。しかし、包括申請を取得すれば、一定の期間内であれば毎回の申請が不要となり、業務の効率化が図れます。

特に、定期的な撮影や点検業務など、同じ条件で繰り返し飛行するケースでは大幅に手間を削減できます。

悪天候などによる急なスケジュール変更にも対応可能

ドローンの飛行は天候の影響を受けやすく、強風や雨で予定通りに飛ばせないことも多いです。個別申請の場合、天候の影響で飛行を中止すると再申請が必要になります。

しかし、包括申請なら最長1年間の許可を得られるため、天候に応じて柔軟にスケジュール変更が可能です。

ドローンの包括申請に関するよくある質問

最後に、ドローンの包括申請のよくある質問をまとめました。

  • 包括申請の更新時に申請内容を変更できる?
  • 包括申請の更新はいつから可能?
  • 包括申請を更新できないのはなぜ?

包括申請の更新時に申請内容を変更できる?

包括申請の更新時に申請内容を変更したい方もいるかもしれませんが、更新時に内容を変更することはできません。変更が必要な場合は、別途「変更申請」を行う必要があります。

包括申請の更新はいつから可能?

更新は、満了日の40開庁日前から10開庁日前まで可能です。タイミングを逃すと新たに申請をしなければならないため、計画的に進めて忘れずに手続きを行いましょう。

包括申請を更新できないのはなぜ?

DIPS2.0では、旧DIPSで取得した許可を更新することができません。そのため、既に包括申請を行っている方も新規申請が必要となります。

ドローンの包括申請の更新は余裕を持って早めに済ませよう!

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ドローンの包括申請の更新について解説しました。更新が必要な場合は、スケジュールに余裕を持って行うことが大切です。本記事で解説した手順をしっかりと確認し、必要な手続きを早めに済ませることで、心配なくドローンを飛ばせる環境を整えましょう。

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