ドローンの落下にパラシュートは有効?搭載するメリットや事例を紹介

ドローンの安全対策として、パラシュートの搭載が注目されています。一般的にはスカイダイビングや飛行機の着陸、荷物の投下などのシーンに活用されますが、ドローンにもパラシュートはおすすめです。本記事では、ドローンの落下にパラシュートは有効なのかどうかについて解説!さらにメリットや実例についても紹介します。

ドローン飛行での落下事故のリスク

イメージ画像

出典:pixta.jp

 

ドローンのレベルの解禁に伴い、市街地でのドローン飛行が進められています。市街地でドローン飛行が可能になったことで、配達やスポーツ中継、インフラ点検などさまざまなシーンでドローンを活用するシーンが増えてくるでしょう。

 

しかし市街地でドローンを飛ばす際に課題となるのが、落下事故です。無人地帯であればドローンの破損のみで済んでいましたが、有人地帯となるとドローン落下による衝突事故のリスクが高くなります。

 

ドローンの安全対策にはパラシュートがおすすめな理由とメリット

イメージ画像

出典:pixta.jp

 

ドローンの安全対策として注目されているのが、パラシュートです。パラシュートと聞くと、スカイダイビングや飛行機の着陸のシーンを思い浮かべる方がいることでしょう。

 

パラシュートは空気抵抗を利用して落下速度を下げる役割があるため、ドローンの落下事故防止にも役立ちます。

 

落下の衝撃を緩和

イメージ画像

出典:pixta.jp

 

ドローンにパラシュートを設置するメリットとしては、落下の衝撃を緩和できるところ。パラシュートなしで墜落に陥った際、地面に激突した際はかなりの衝撃を受けるでしょう。しかしパラシュートを設置することによって、空気の抵抗を受けることで落下時の衝撃が緩和しやすくなります。

 

企業によってはパラシュートに加え地面の衝突防止にエアバックの搭載を試みているところもあるので、より安全にドローンを着陸させることが可能になるでしょう。

 

すぐにパラシュートを展開できる

イメージ画像

出典:pixta.jp

 

ドローンの飛行で異常が生じた場合は、すぐにパラシュートを展開することが可能。例えば『PARASAFE』の場合は、作動から展開まで約1.5秒となっており、緊急の際はすぐにパラシュートが開きます。

 

ただし、メーカーによって展開するパラシュートの時間に差があります。そのためドローン用のパラシュートを選ぶ際は、展開時間をチェックしてみるのが望ましいです。

 

PARASAFEの製品を見てみる

 

ドローンのパラシュートを使った実証実験

イメージ画像

出典:pixta.jp

 

広島県府中市では、実際にドローン用の安全装置に関する実証実験が行われました。府中市桜が丘グラウンドにて、ドローン向けの緊急パラシュートシステムとエアバックシステムの動作確認を実施!ドローン社会実装を想定した実験ということで、住宅地近隣でテストが行われたのがポイントです。

 

実験の概要としては、ドローンのモーターが全て停止した際の緊急時を想定しパラシュートとエアバッグの作動をチェック!意図的に上空でドローンのモーターを停止させ、パラシュートがしっかり機能するかどうかチェックされました。

 

実証実験の詳細を見てみる

 

ドローンの飛行でパラシュートが展開される仕組み

イメージ画像

出典:pixta.jp

 

ドローンの飛行中にパラシュートが展開される仕組みは、ASTやデュアルセンサーなどのセンサーによる判定です。搭載されているセンサーが推力の喪失や傾き、急激な落下速度など不測の事態を感知し、自動でパラシュートが開く仕組みとなっています。

 

メーカーによって手動で展開するパラシュートもありますが、高い位置からドローンの飛行異常に気が付くのは難しいです。

 

上空での異常に速やかに気づくためには、自動でパラシュートが展開されるセンサーがよいでしょう。

 

ドローンのパラシュート搭載で抱える課題

イメージ画像

出典:pixta.jp

 

ドローンにパラシュートを設置することで、落下の衝撃緩和や開傘の速さなどさまざまなメリットがあります。しかしドローンにパラシュートを設置する際は、いくつか課題が残されており、今後の安全対策でどのようにクリアしていくべきなのか検討していく必要があるでしょう。

 

風に流されやすい

イメージ画像

出典:pixta.jp

 

上空でパラシュートを展開したとはいえ、制御不能になったドローンがどの場所に不時着するのか想定するのは難しいです。とくに風が強い日の場合だと、強風によってドローンが流されやすくなります。

 

また高度によっても流される距離が変わるため、より高い場所になるとなおさら着地点を予測するのが困難になるでしょう。

 

パラシュートの展開にはある程度の高さが必要

イメージ画像

出典:pixta.jp

 

ドローンのパラシュートを展開させるためには、ある程度の高さが必要です。例えば『PARASAFE』が取り扱うパラシュートの場合は、高度30m以上での飛行が推奨されています。

 

一定以上の高さが必要な理由としては、パラシュートが完全に開ききるまでの時間です。パラシュートの作動から展開までは約1.5秒〜2秒かかるといわれているため、高度が低すぎると減速できず地面に衝突する可能性があります。

 

そのためパラシュートの展開に余裕を持たせるためには、高度30m以上の飛行が望ましいです。

 

衝突事故のリスク

イメージ画像

出典:pixta.jp

 

上空でパラシュートを展開したとはいえ、必ず衝突事故が避けられるとは限りません。強風によってドローンのパラシュートが流されてしまうと、周辺の建物や木々、車両、人などにぶつかる可能性もあります。

 

衝突の衝撃を緩和できるとしても、対象物への衝突事故のリスクを念頭に考えなければなりません。

 

今後はドローンのパラシュートは義務化される?

イメージ画像

出典:pixta.jp

 

ドローンのパラシュートの搭載は、現在は義務化されていません。しかしドローンのレベル4の飛行により市街地を飛行するようになった場合は、安全対策としてパラシュートの搭載を検討した方がよいかもしれません。

 

上空での飛行不能のトラブルに懸念を感じている方は、ぜひドローンにパラシュートを設置してみてください。

 

ドローンにパラシュートを取り付けてみよう

イメージ画像

出典:pixta.jp

 

本記事では、ドローンの落下にパラシュートは有効なのかどうかについて解説しました。ドローンにパラシュートを設置することで、空気の抵抗により落下による衝撃の緩和や開傘の速さなどのメリットがあります。しかし風の流れやすさや対象物への衝突のリスクなど、まだまだ課題があるのが現状です。しかし安全対策としては、ドローンのパラシュート搭載は有効でしょう。

関連記事

セラフ榎本社、『壁面漏水調査ロボット』を開発。壁面漏水調査にかかるコスト・時間・業務量を大幅に削減を目指す

株式会社セラフ榎本(所在地:埼玉県川口市、代表取締役:榎本 修)(以下、セラフ榎本社)は、壁面の走行、ターゲットに高圧水を噴出することで漏水調査における足場仮設を必要としない『壁面漏水調査ロボット』を開発したことを発表した。 このロボットは、壁面漏水調査にかかるコスト・時間・業務量を大幅に削減することが可能になるものとしている。

  tera

ORSO社、『DRONE STAR トレーニングマット』を発売。ドローン国家資格向けに3種類のコースを集約

DRONE STARブランドを手掛ける株式会社ORSO(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:坂本義親)(以下、ORSO社)は、ドローン国家試験向けとして実地試験における3種類のコースを集約した『DRONE STAR ト […]

  tera

RTK搭載のドローンは精度が高い?メリットやデメリットを詳しく紹介

撮影や計測など、さまざまなシーンで使用されているドローン。 中でもRTKを搭載したドローンは高精度であることから重宝されています。 本記事では、RTK搭載型ドローンのメリットやデメリット、おすすめの利用シーンを紹介します。 ドローンの導入を検討している方は、ぜひチェックしてみてください。

  ドローンガイド編集部

Soradynamics社、自社開発による国産の産業用小型ドローン『Hayate 2』の注文受付を開始。インフラ点検・測量・行政機関向けの機体となる

Soradynamics株式会社(本社:東京都中央区/代表取締役:イムティアズ・ティー・ラダック)(以下、Soradynamics社)は、2024年11月25日より自社で開発した産業用国産ドローン『Hayate 2』の注文受付を開始することを発表した。

  tera

ドローンのモード1と2の違いは?メリット・デメリットや適切なシーンを解説

ドローンを操縦する際、プロポ(送信機)にはモード1とモード2があることが分かると思います。 このモードは、それぞれ操作方法が異なるため、どちらを選べば良いのかわからないという方もいるでしょう。 そこで、本記事ではドローンのモードの違いやメリット・デメリットを解説します。 シーンに合ったモードについても解説するので、チェックしてみてください。

  ドローンガイド編集部